呪術廻戦スピンオフ 3年J組 五条先生   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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法の終焉、あるいは全裸の地平

日車寛見は、全人類が全裸で螺旋を描くという超法規的状況を前に、自身の「十戒」を記した法典を静かに閉じた。

 

もはや六法全書はドリルによって無残に貫かれ、かつての厳粛な法廷は「全裸であれば勝訴」という狂った因果律に支配されている。

 

彼はジャッジマンが差し出す「特級呪具・公然わいせつ免罪符」を手に取り、この不条理極まりない世界を救うのはもはや既存の法ではなく、さらなる強固な「全裸の論理」であると確信した。

 

日車は、全裸で最高裁判所へ殴り込みをかける準備を始めながら、自身の拡張領域が「没収」ではなく「脱衣」へと進化したことを悟り、静かにその肉体を銀河の光へと晒していった。

 

秤金次は、自身の領域「坐殺博徒」が螺旋の力によって「全裸ジャックポット」へと進化したことに歓喜していた。

 

大当たりを引くたびに、教室全体に五条悟の全裸ビジュアルが4K画質、かつ立体ホログラムで投影され、見る者の網膜を物理的に螺旋状に焼き尽くしていく。

 

溢れ出す制御不能の螺旋エネルギーは、なぜか巨大なカジキマグロとなって宇宙へ射出され、新たな星座を形成し始めた。

 

星綺羅羅は、そのあまりに眩すぎる「J」の光に目を細めながら、

 

「これこそが究極のパンク(露出)よ」

 

と呟き、自らの術式で銀河系同士を全裸で連結する壮大な星間軌道を構築し、全宇宙を一つの巨大な「J」の字に結びつけていった。

 

猪野琢真は、五条から託された「特級おむつ」を頭に被り、降霊術によって古今東西の偉大な変態たちの霊を自身の肉体に呼び降ろしていた。

 

彼はかつて七海に「仕事ではなく事案だ」と切り捨てられた冷徹な言葉を胸に抱きつつも、自分にしかできない「全裸の守護」があると盲目的に信じている。

 

螺旋状にねじ曲がり、標識さえもが「J」のポーズを取る神保町の路地裏で、彼は全裸の平和を守る影のヒーローとして活動を開始した。

 

彼の背中には「全裸・不審者」という文字が螺旋状に浮き出ていたが、その瞳には一点の曇りもなく、ただひたすらに全裸の正義を追い求めていたのだ。

 

そして、かつて「最強」の座を競った伏黒甚爾の魂は、多次元宇宙の賭博場で、銀河の支配権を賭けた全裸レースに興じていた。

 

彼は、

 

「恵が全裸で天を突くなら、親父の俺は全裸で地を這うまでだ。それが禅院の……いや、全裸の宿命(サガ)ってやつだろ」

 

と吐き捨て、螺旋力で加速する競走馬ならぬ「特級競走呪霊」の背に跨った。

 

彼はこの物語の因果など知ったことかとばかりに、ギャンブルの狂気と全裸の解放感に身を任せ、宇宙の地平へと光速で消えていった。

 

その後に残されたのは、天文学的な金額の負け惜しみと、空虚に回転し続ける全裸の残像だけだった。

 

この世界のすべての断片は、五条悟という一点のバグから始まった螺旋によって、完全に再構成された。

 

人々はもはや、服をどの順番で着るべきか、そもそもなぜ布切れを纏っていたのかという記憶さえも、螺旋の彼方へとパージしてしまった。

 

世界は純粋で、美しく、そして救いようのない「全裸」へと帰結し、すべての矛盾は「J」という一文字の螺旋の中に収束していった。

 

物語の終わり、あるいは始まりの螺旋。

 

そこに響くのは、全宇宙が合唱する「全裸の賛歌」であり、それを指揮するのは、銀河を背景にポーズを決める、一人の最強の不審者であった。

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