魔界出身の子   作:覚め

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神子「私たちの出番はまだ先だ」


客人

「何それ?」

 

「お得意さんから貰ったお酒!」

 

「流石に貰い物は無碍にはできないって。だから一輪が飲み干すことになった」

 

「特例だ」

 

断っても断っても渡そうとして来たらしく、それならといって受け取って一輪に処理させる。なんだか一輪がそういう物体に見えて来たな。多分聖からしたら、見えないところで酒を呑んで暴れられるよりは良いって考えなんだろうけどね。私ならそうする。あんなだる絡みを他所でやられたらね。怖いからね。そう思っていると村紗にだる絡みし始めた。私は足早に退場。退場した先は門付近。実は門を叩く人間などほとんどいないのでかなり静かでまったりできる。…まあ、前みたいにジッとしろと言われなければなんでも良いけどね。

 

「…ん?」

 

「…何?」

 

「巫女が寺訪ねて良いの?」

 

「そんな細かいこと気にしても意味がないの」

 

「えぇ…じゃあ異変も放れば?」

 

「食い扶持。聖は今居る?」

 

「多分。何か用事?」

 

「雑談程度の用事。後は…まあ、忠告くらい。」

 

「どーぞ」

 

簡単に通してしまったが良いのだろうか。雑談と忠告という用事が少し気にはなるけど、まあ私達の活動が大きく変わることはないと思う。…そうだ、優曇華って人を知ってたら住処とか聞こうかな。薬のこと、なんも聞けてないし。もしかしたらもう有効期限とかそういうのが過ぎてるかも。…まあ、そこら辺は聞かないとなんともね。ちなみにあの巫女の名前を私は良く知らない。初めて会った時は霊夢とか呼ばれてたけど、愛称だったりするかな。本名が霊視夢見とかで、愛称で霊夢。…流石にありえないか。

 

「清白」

 

「今度は星?」

 

「今度…?」

 

「特に意味はないよ。それで、何?」

 

「門の前に立っていたので、何か気になるものがあるのかと」

 

「ない!」

 

「では何故門に?」

 

「一輪を避けてね」

 

あ〜、と一言。納得してくれたようだ。しかし、それと同時に私に抱きつくのはどういうことか。身長差はあまりない。だから、寄りかかるのにも少し不便だと思う。…本当にこの人、最初の時から変わったね。ナズーリン来て。ナズーリンのご主人が変だよ。監視しなきゃね。…まあ来るわけがない。少し不便だ。ナズーリンは頻繁に確認しに来るべきだと、強い言葉を持って主張したい。無論その主張が通ることはないだろうけど。毘沙門天代理としての自負からか、仕事はちゃんとしてるんだって。

 

「うーむ…相変わらず、あの脆さとは思えない頬の感触。」

 

「頬を引っ張らないで」

 

「では耳を」

 

「肌を引っ張らないで」

 

「ではどこを引っ張れば?」

 

「引っ張らないで!」

 

私は強く主張した。通った。この成功体験を活かしてナズーリンに監視の強化を要求してみるか。仕事だけでなく、振る舞いからも毘沙門天代理としての姿を見せなくてはならないよね。信仰対象なんだからさ。などと考えていたところに、一人来客。とはいっても今日はそんな話は聞いていないし、少し見窄らしい格好で、小さい。子供が一人来るわけがないので、おそらくは妖怪。観察していたところを無視して出た星が会話を始めた。私の分析はなんだったのだろうか。悲しい。

 

「山彦の幽谷響子ちゃんです」

 

「警戒心とかは?」

 

「最悪聖がなんとかしてくれるでしょう」

 

「…何が出来るの?」

 

「声を返せます!!」

 

「山彦だからそりゃそうだ」

 

後ちょっとうるさいね。どうやら返すこと自体の制御は出来るけど、返す音量までは制御が効かないらしい。自分から喋りかける時なども大きな声になりそうだ。…だからさっき、地面に文字を書いてたのか。じゃあなんで私には素の声量で返したんだ?…星に連れられてどこかへ行った。とにかく、というわけじゃないけど、星が離れた。良かったよかった。酔っ払いの相手を済ませて来た村紗が出てこなければもっとよかった。はぁーあ。どうやら暴れる一輪を寝かせて来たらしい。…赤ん坊…?

 

「一輪、地底でちょっとやらかしてるんだよね」

 

「何を?」

 

「んー…清白でもわかりやすくいうなら…盗み、に近いかな?」

 

「気になる」

 

「まあこれはどっちかっていうと雲山のやらかしだけどね。」

 

そう前置きされて始まった説明では、一輪と雲山が離れ離れになったことの説明だった。離れてからは互いが互いを探し回った、というおかしな話では終わらず。途中で錯乱した一輪がわんわんと泣き出したらしい。そのおかげで雲山には見つかったらしいけどね。…要するに自分の恥ずかしい出来事を理由に酒に逃げている、ということか?そうらしい。まあ、それ以外もあるらしいけど。みんな色々と抱えてるなぁと考える。いや、多々良小傘は多分明日の飯だろう。驚かれないのに驚かさないと腹が満ちないというのは、ちょっと。

 

「村紗は?」

 

「私はもう見せたじゃん」

 

「?」

 

「…わかんない?」

 

「うん」

 

「ほら、湖で溺れてたやつ」

 

あれが一輪で言うところの飲酒になるらしい。溺れるようなことをするのと飲酒を並べるのは少しおかしな話だとは思うけれど、まあ…触れないほうがいいんだろうね。私は知らないよ。無視して寝ちゃうもんね。そんなこんなで門の前で寝ようと試みるものの、村紗がそれを許さない。結構話しかけてくる。とりあえず錨で音を鳴らして話を区切るのはやめてほしい。結構音がでかいから。村紗と話していたら博麗の巫女も出て来た。来る時と足取りは変わっていないので、本当に雑談と忠告だったのか。雑談だけでは?

 

「聖、どんなこと話してたの?」

 

「布教活動の頻度を抑えろ、と」

 

「今は週4だもんね」

 

「そんなに行ってましたか?」




幽谷響子→この子にトラウマがあれば西に東に、トラウマを克服するための旅を二人きりでするだろう。
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