魔界出身の子   作:覚め

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聖を現人神様といっていいのかは別として。


現人神様復活

私と聖が会ってから数日が経過。とてもつらい。結界は依然壊れないまま、そろそろ諦めてはどうかという助言らしきものを受け取った。なんだろう、諦めたくなってきた。そう思って手に持っていた岩を置いたとき、けたたましい轟音と激しい揺れが発生、なんなんだと思って周りを見渡すと、謎の船が。何あれ、知らないものだよ。何かの侵略かもしれない。…聖の結界がなんだかうらやましくなってきたな。私も入れてほしい。無理か。

 

「あれは…」

 

「うおっまぶし」

 

「聖輦船…!」

 

「なにそれ」

 

「私の力で作った船です。」

 

…はい?どうやら聖は船大工だったようだ。訳が分からない。昔話を聞く限りでは僧侶とか住職だと思ったんだけど。…船を作る僧侶か。なんだか新しいな。新しいというよりも今までに存在した疑わしいな。男ならわかるけど…と勘ぐってたら船がこちらに急接近、私はあわててよけたが、結界にそのまま衝突。結界を崩しながら墜落した。その船の中から個性的な人たちが出てきて、そのほとんどが聖のことを呼んでいた。どうやら封印されていた聖を救いに来たらしい。

 

「来たのですか、星」

 

「聖輦船の封印が解けたので、いてもたってもいられずっ!?」

 

「…異変の最後ね。退治させてもらうわ」

 

「同じ魔法使いか」

 

「いざ尋常に勝負っっです!」

 

なんだか置いてけぼり。なんだろうね、あいつら。拗ねちゃう。まあいいけどさ。会話を盗み聞きしたところ、どうやら船は本当に聖が作ったものらしい。魔法で作ったんだって。化け物か?魔法であんなでかい船を??…魔法だからって無法じゃないと思うんですけど。まあそれはまだ良い。なんだか空を飛んで変なことやり始めた。それを横目に、結界の破片を集める。破片と言っても、ほとんどが結界の基礎となる部分だけど、それでもたまに役に立つ。多分。集め終えた頃にはもう空でやっていることも終わっていた。

 

「負けてしまいました…」

 

「仏教は神道の下ァーーー!」

 

「これに懲りたら他所に迷惑かけないこと」

 

「そんなことより隣の緑髪の方が迷惑かけそうじゃない?」

 

「あんた誰」

 

「うわっなんだこいつ」

 

「今私のこと馬鹿にしましたか?」

 

うわっなんだこいつら。怖っ。魔界に来ないでよ。まあ来てしまったものはしょうがないってとこだな。とか思ってたら、なんか勢いよく絡んできた。胸ぐらを掴まれてしまった。なんで?私何もしてないよね。なんで??胸ぐらを掴まれたまま空を飛ばされ、弾幕ごっこだなどと言われた。何を言ってるのか分からないけど、一つ言っておくことがある。私は飛べない。脚力はすごいけど、私は空を飛べない。つまり、この人は俺を胸ぐらを掴む要領で片手で持ち上げてる。何この人。

 

「ぃだっ」

 

「は?」

 

「怖っ」

 

「飛べないの?」

 

「…だって魔法使えないから…」

 

「なんだこいつ」

 

「さっき私のこと馬鹿にしてましたよね?」

 

「この人怖い!」

 

まあ私は飛べないけど、ね。靴の中にある魔導具に魔力を流せば飛べるのさ。…ほんの少しだけ。ホバークラフト飛行でかなり悲しいことになる。さっき見た聖と人間達の真似事をすれば良いんでしょ、弾幕ごっこって。指から魔力を放出。…真っ向から押し返された。反則でしょ、それ。それならこっちだって。全方向にやっちゃうからね。おらっ…ダメだ、魔導具に魔力を流すと出来ない。今日もまた出来ないことを学んだ。後、やっぱ空は飛べた方がいいっぽい。

 

「この子は清白。この魔界で、つい最近出会いました。」

 

「さっき人間に痛い目に遭わされました。」

 

「私は寅丸星。私の仲間は船から落とされました」

 

「妖怪に…妖怪に救いはないの…!?」

 

「…私は妖怪じゃないけどね」

 

船に乗させられて、自己紹介。後ろにいる緑の人間が怖い。そのせいか、寅丸と聖と私と一輪は固まって居る。もう怖い。…いつのまにか魔界を出ていた。こう、すんなりと魔界を抜けることが驚きだ。唯一喋ってくれた奴からは、魔界の外では生きていけないとか言われてたのに。それが嘘だったのか、それともこれから本当になるのか。今は嘘とも言えない。怖い怖い。途中で船長を名乗る村紗という妖怪が乗船した。…え〜、怖。怖いね、怖い。人間ってこの高さから平気で物を落とせるんだ。

 

「ナズーリンです」

 

「清白です」

 

「久しぶりにみんなが集まったので久しぶりに好きに食べましょうか。」

 

「良いんですか姐さん!?」

 

「酒はダメよ」

 

「ちぇっ」

 

「一輪のテンション下がったじゃん」

 

「この子はいつもお酒で…はぁ。」

 

「私も諭しては居るのですが。」

 

「ご主人も呑んでたよね」

 

「あ゜」

 

船の先端に座り込み、幻想郷と呼ばれる景色を眺める。さらば、神様。と言いたいが、こっちにも神はいるらしい。緑髪は荒人神なんだって。あんな暴力人間が?と首を傾げたかったけど首を傾げた途端私の首は即座に切断面になるだろう。私はまだ行きたいのでやめておく。船の先端に座ると良いことがあると分かった。風が心地良い。以上。良いなぁこの船。魔界にはないからなぁ。…後ろに三人の人間が居なければかなり心地良かった。あの人たち本当に怖い。魔界の天災くらい怖かった。

 

「気持ち良い?」

 

「酔わなくて良かったかな」

 

「え〜…」

 

「でも…船って空飛ぶ物なの?水の上じゃないの?」

 

「いや、これ聖の作った船だから…」




村紗→トラウマ有り。克服は少しだけ。怖い人間の目がトラウマ。溺死もトラウマから逃げるためのもの。
一輪→酒に逃げる。聖を失うことにトラウマ。取り戻したのでもう絶対に封印なんかさせない。たまに封印される時の記憶がフラッシュバックする。
雲山→ない。強いて言えば一輪の泣き顔。
寅丸→一番ある。聖を実質的に見殺しにしたことに対するトラウマがある。聖に推薦された偶像としての役割も満足に果たせてないし、地底でその事実を忘れるために色々ダメなことをした。それらについてまだ謝罪も済んでないし、謝罪して良いのかもわからない。不意に聖の顔を思い出したりみんなの錯乱顔を思い出してしまう。怖い。
ナズーリン→ない。
マミゾウ→ない。
ぬえ→ある。集団リンチにトラウマがある。
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