魔界出身の子   作:覚め

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一輪「こ、この力…!!雲山のものか!!」
雲山「え、何それ、知らん…こわ…浮気…?」


鍛錬

「ふっ、ふっ」

 

「なにやってるの」

 

「鍛錬。健全な精神は健全なる肉体に宿るってね。」

 

「一輪はなにやってるの」

 

「逆立ち」

 

皆が皆、道着を着てダンダンやっている。鍛錬だって。私は作り物だから関係ないけどね。周りの環境次第。魔界なら強いよ。ここでは弱いよ。なんなら魔界でも弱い方だよ。そして一輪のそれは逆立ちではない。片手で逆立ちをしないでほしい。なにそれ怖い。鍛錬の場にぬえは来ない。あの人面倒くさがりだから。そして私は作り物だから参加できない。…私が浮くのも無理ないか。私も逆立ちをする。力は足りるけど、脆さがどうかな。…両手なら多分出来るけどね。魔力ほしい

 

「よっ…」

 

「清白もやるの?」

 

「壊れないくらいね」

 

「…重り良し」

 

「あ、ばか」

 

一輪が着けていた重りを足に装着させられ、手を離された途端に腕から変な音が。ゆっくりと足を下ろさなければ。どんなこともいきなりマックスなんてできないんだからさ、ちゃんと手順と段階を踏んでさぁ。一輪に取ってもらうまで逆立ちをするしかなくなった。この程度ならまだ耐えられる。でもまた重りを付けられたら死ぬね。倒れて壊れてドンガラガッシャン。足をゆっくり下げるしかない。…あれ、下がらない。周りを見渡してみると、見覚えのあるスカートが一人。…これ、一輪だ。なんでぬえより悪戯が好きなのさ。助けて聖。

 

「全く。いけませんよ、そういうことは。」

 

「なんか足パキパキ言ってる?」

 

「というかかしゃかしゃ言ってますね。中身が潰れて砂状になったかも知れません」

 

「ごめんよ清白」

 

「いや、私がこんなに脆かったことに驚いてるから良いよ」

 

自分でも出来ないことに驚いたし。私の出来ないことリストに並んだな。…いや、結界の破壊とか他人を宥めるとかそう言うのもあるけど、物理的なアレコレで出来ないことがリストに並ぶとな…。村紗にイカリとか言うよく分からないものを持たせてもらったけど、多分振ったら腕ごと飛んでいくんじゃないかな。…まずい、私が重いものを持つこと自体に恐怖を抱いている。多分だけど行くところまで行った時は橋しか持てなくなるんじゃないかな。もう嫌だ現実怖い、魔界帰る

 

「なんでそんなに皆強いの」

 

「鍛錬?」

 

「聖が言い出したけどね」

 

「皆それぞれの環境で鍛えてきましたから」

 

「ぬえは?」

 

「生まれつき」

 

ぬえの自慢は無視するが、そうかこの人大妖怪だったねと納得。その上でまた無視をする。妖怪は鍛錬したら強くなるのか。…私の生態やら身体やらに関しては私も詳しくないからね。誰か知らないかな。というか、魔界出身の人っていないのかな。そうすれば私によく似た魔物やらなんやらを見つけれるかもしれないし。…まあ、分かっても意味ないけど。などとやっていたら村紗と一輪が布教の時間だと言ってどこかに消えた。…そういうの、私にも教えてくれないかなぁ。

 

「聖の計らいですよ。あなたは脆すぎますから」

 

「布教って戦ったりする感じなの?」

 

「いえ。ただ、ここからでも人里に向かう途中で妖怪には会いますから。」

 

「へー」

 

「そういえば私も行ってないな」

 

「ぬえに話すタイミングがないですからね」

 

要は私は弱いから黙って寺に篭ってろと。…私って、そんなに脆いところ見せたかな。ぬえが立ち去ったので私も立ち去る。星と二人きりは少し気まずい。作り物でも、流石に空気は多少なら読める。そう思って部屋を出ようとしたら肩を掴まれた。気が触れた人の相手はごめんだけど辞退するから安心してね。私は出来ないことだけでも学習して行くんだ。だから悪いけど自分で自分の機嫌とってね。私には無理だから。…目が怖いよ。何か言ってよ。間が怖いよ。

 

「少し、出掛けませんか?」

 

「え?」

 

…展開が、はやい。何これ。状況の転換が早すぎる。そして先ほどの脆い発言から矛盾してない?バレなきゃいいんだ。へぇ。こうして私は妙な神社に連れて来られた。山の上、かなり東に寄った神社。着いて背伸びをしたところ、かつて私の胸ぐらを掴んだ巫女が出てきた。黒髪の方。星はなんだかニコニコとしている。私はオドオドしている。黒髪の巫女は私を睨んでいる。私に対して加害歴のある二人、その間に置かれた私。…寺に帰りたいんだなぁ、寺に。良い?ダメ?泣くよ。

 

「…何しにきたのよ」

 

「挨拶に。一応ここで宗教を開いている場には挨拶をしておこうかと。守矢神社の方には行ったので、今日はこちらに」

 

「聖の奴が来るのが筋でしょ。なんで下っ端なのよ」

 

「毘沙門天代理なんだって。偶像崇拝の偶像の部分」

 

「そっちは容姿の人気で信者がいるんだから、元から偶像でしょ」

 

「うわぁ、人里って気持ち悪い」

 

「そのような考えだから此処に参拝客が来ないんですよ」

 

「異変解決のお礼は巻き上げてるから別に良いわ」

 

「誰から?」

 

「ここの管理人」

 

神社の管理人か。今どこにいるのか聞いたところ、そろそろ起きてくる頃合いだとは思ってるとか言われた。頭の中ハテナだらけだ。人間って早寝早起きが得なんでしょ?今昼だよね?鍛錬してたし、ね?まだ寝てる…?と頭を抱えたところ、起きると言うのは冬眠から、と言う意味らしい。人間が冬眠?そもそも妖怪?妖怪が管理人??…ダメだ、わかんない。星を見たところ、なんか、形容し難い顔でコチラを見ていた。助けてナズーリン、監視役でしょ。

 

「…何よ」

 

「いえ、何も。聖もそろそろ帰るでしょうから、これ以上の長居は出来ないなと」

 

「帰るってことね。じゃ、次来る時は賽銭か酒よろしく」

 

「命蓮寺って酒買えないんだって」

 

「…楽しいの?」




星→流石に加害した同士に挟まれたら私の方に来るだろうなぁ…来ないな…?
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