魔界出身の子   作:覚め

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Q.作り物作り物って、誰が作ったのさ
A.東方で物作るって言ったらかの有名なあの方しかいないだろ。ヒント?…仕方がない、仕方がないねぇ。


湖旅行

湖に来た。周りが見えないからはっきり言って帰りたい。先日博麗神社に行ったものの、聖にすぐバレた。聖から出てきた言葉としては、まあ良いんじゃないですかと言う簡単な一言。その一言を受け、今私は村紗に連れられ湖に来ている。船って消えたんじゃなかった?自作?…よく浮くね。靴の魔道具に魔力を流しておく。少ない魔力でも使えるのでかなり有用。幻想郷でも扱える。欠点は私の足とくっ付いていることくらいかな。だから私は外に出る時、靴の上に靴を穿かされている。正直言って不快。

 

「清白ってさ、飛べないんだよね」

 

「自力だとねぇ。それでも村紗達みたいには無理だけど」

 

「…私さ、気分が沈んだ時は水場に来るの」

 

「落ち込んでるの?」

 

「ううん」

 

…なんだこの会話。少し疑問に思ったところで、船が揺れる。気が付けば村紗が消えていた。…オールはない。船は漕げない。…今まで村紗はどうやって船を動かしてたの?能力?…もしかして、持ってた錨で漕いでた?でも錨が見当たらない。…勘弁してよ、私泳げないよ?作り物だよ?作り物。水に弱いんだよね。魔力の通りも悪くなるし。…帰ってきてくれないかな村紗。漕ぐものないんだよね。私の靴でも水の上は浮けないんだよね。…夜になったら妖怪も来るからまずい?

 

「はや、はやく、帰らなきゃっ」

 

「あっはは!」

 

「うわっ村紗」

 

「いやごめんごめん。溺れてた」

 

「もう一回溺れてて」

 

どうやら謎の落ち込みは消えたらしい。村紗が生き生きと笑い出した。むかついた私は村紗を蹴落とした。そう、錨を持つ村紗を。つまりどうなるか。船は転覆した。魔道具のせいで滑るように湖へ落ちた私は、蹴落とした感覚と滲んで若干しか見えない視界を頼りに村紗に縋り付く。水を吸って重たいだろうが、私を助けるために頑張って欲しい。村紗、頑張れ。…村紗の錨がある限り、沈む運命ではないかな。そう思ってたら村紗がもがき始めた。困る、水が染み込んで少し脆いから。帰れたら天日干ししなきゃ。

 

「っぷはぁっあ!」

 

「死ぬ、死ぬぅ、溶けるぅ」

 

「何するの清白!?」

 

「村紗だって私のこと急に置いていったじゃん!」

 

「だからって蹴る!?」

 

「溺れるのが好きなんでしょ。ぬえから聞いたよ」

 

「ぬえめ…!」

 

私は下半身がギリギリで繋がっている、真ん中を潰された饅頭みたいな生き残り方をした。死ぬかと思った。もう嫌。水辺には近寄らない。そんな身体を村紗に背負われながら命蓮寺を目指す。村紗のせいだもん。村紗が私を湖に突き落としたようなものだもん。つまり私は悪くない。怒られるとしても、帰ったら天日干しで乾かさないとダメ。雨とかは大丈夫なのに、不思議だよね。それはそうと下半身途切れそう、泥みたいな感触だけど頑張ってね村紗。

 

「村紗?」

 

「清白を乾かしてからお説教だって」

 

「私も?」

 

「流石に違うでしょ。ま、下で魚焼いてるから。乾いたら言ってね」

 

七輪で焼いてきた。もしや火元ならはやく乾燥するとか思ってる?…いや、まあ結局下半身取れたんだけどね。悲しいことに。干される途中、ボトって落ちた。聖と星がとてつもない顔をした。その顔を見た村紗が汗ダラダラ流し始めたのは笑ったよ。それはそれとして、乾かさないとまともに再生もできない。魔力の通りが悪いから、聖が側にいても関係ないんだよね。なんて悲しいことでしょう、私は泣きました。というか七輪から出る煙が顔にかかる。やめて、臭い。きつい。やめて。

 

「乾いた!」

 

「とりあえず外出禁止ですね」

 

「ええっ!?私まだどこも連れて行けてないのに!?」

 

「え、一輪がどこか連れて行くの?」

 

「村紗は後でお仕置きです」

 

「愉悦」

 

「とりあえず私の体直していい?」

 

聖にくっ付いて下半身を構築。…下半身は乾いてないんだよね、仕方ないんだ。下半身も付けて、ちゃんと復活。でもまだ湿気が完全に抜けてない気がするので、ちょっとどこかに篭ろうかなと思ったら一輪に止められた。何かあるのかと思えば単純な質問。風呂の時どうしてたのか。答えは簡単、汚れを落とすだけで水に浸かってない。作り物はやっぱり水に弱くなきゃね。自室に戻って何かしようかな。それとも村紗のお仕置きでも眺めようかな。…魔道具にまだ魔力流れっぱなしだ、これ。

 

「湖なんて大嫌いだ」

 

「清白の場合は水そのものでしょう」

 

「星もじゃないの?」

 

「なぜ?」

 

「猫科は水が苦手でしょ?」

 

「はい?」

 

「えっ?」

 

「確かに私は猫科ではありますが…嫌いというほどではありませんよ」

 

星に肩を抱かれ、星の部屋へと連れて行かれる。抵抗し続けるよ、全力で。それをわかっていたのか星は必要最低限の力でしか引っ張らない。私の腕が取れるのを阻止するためだろう。きゃ、やさしい。それなら手を離して欲しい。でもそれは叶わないので、仕方なく星の部屋へ。この人は本当に何?怖いよ。ナズーリン呼びたいな。ナズーリン。主人の情緒がわからないから助けてよ。そんなこと思っても全然ナズーリンは来ない。まあ当然だね。一応私は尻を手で覆った。歩けなくなるからね、ほんと。

 

「あの、隣の部屋に戻ってくれますか?」

 

「…なんて?」

 

「寝室を、わたしの隣の部屋に戻すのはどうでしょうか…」

 

「それだけ?」

 

「ええ、まあ」

 

「それだけで連れ込まれるのか…」

 

「以前のようには取り乱したりすることはなるべく抑えますので…その、以前のことを正式に謝りたくてですね」

 

「あ、そういうこと」




Q.ヒント通りの人が捨てるわけないだろ!!いい加減にしろ!!
A.魔界探索機みたいな扱いのもの。魔力の循環だけでどこまで生きていけるかの実験にもなっている。だから捨てたわけではない。
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