神様から雷属性貰ったら異世界転生だと思うじゃん!?~サッカーの世界とは聞いてない、てかサッカーの世界ってなんだよ~ 作:李忠成
「ああ、勇者よ。死んでしまうとは(ry」
「なんだよ。(ryって口に出すもんじゃねぇな」
ふざけた女神がそこにいた。もはや女神かすら怪しい。
いかにも女神然とした透け感のあるシルクの羽衣を纏ったその上には「本日の主役」と書いたタスキ。
極めつけにはバースデーケーキを模したサングラスまでかけてやがる。
「いいじゃない!私今日はテンションが高いのよ!何せ誕生日なの!」
「見りゃわかるよ!」
オーホッホッホと高笑する女神をよそに俺は自分の状態を確認する。
体は透けてるどころか実体がない。
どんな状態だ?顔は上下左右くらいにしか動かない。
てかこの女神ふざけたこと抜かす前に死んでしまうとはって言ってたな。
「え!?俺死んだの!?」
「だからそう言ってるじゃない〜。てゆうかこんな導入なんてどうでもいいでしょ?雷属性ソーイ」
「ヤッタゼ」
てなわけで転生したんだが俺は、やはりあのイカれ浮かれ女神を一発ぶん殴るべきだったと気づくまでにはそう時間はかからなかった。
いやね最初は、お!現代調な感じね〜だとか軽く考えてたよ?
でもいくらたってもパパンもママンも家で魔法を使わない。
魔法世界らしき道具だのがある訳でもない。
そしてこれみよがしにテレビではなんかハチャメチャパワーを繰り広げられるサッカーらしきスポーツ。
察しの悪い俺ではない。
ここは__
サッカーの世界だ。いやなんだよサッカーの世界って。
導入も済んだことだし、やる事は変わらない。
浮かれ女神から貰った雷属性を駆使してこの世界で成り上がるだけだ。
もしろ半端な異世界とかで死ぬ危険とかなくて良かったかもしれない。
でもな、俺。
サッカーやったことねぇんだ。
俺にあったサッカーとの関わりなんてFI〇Aやウイ〇レくらいだ。
さすがに最強の雷パワーでチュドーンなんて上手くいかないことはわかる。
やはり経験!
早く始めるに越したことはない。
そんなことを考えながらいつも通りテレビで流れているサッカーの映像を見ていたらママンから声がかかった。
「カイル、来週から4歳でしょ? もっとサッカーやりたいなら、専用のスクール通ってみる? どうする?」
「いいけど、俺の黄金の右脚に保険かけといてよね」
「あんた左利きでしょ」
ここがサッカーの世界だと気づくまでそう時間はかからなかった!
☆☆☆
いやね、言語とかも違う訳で色々考えることもあるわけじゃん?
そんな中でここが魔法だの剣だのを使う世界じゃないことに気づくのは仕方の無いことではないのか?
いやもしろ、3年くらいで言語をマスターできた事に褒めて欲しいくらいだと思うね。そう考えたら4年でここがサッカーの世界であると気づくのはむしろ早い方だと思う!
誰に向けてか言い訳を続けながらママンに手を引かれ街を歩く。
その周辺の至る所にモニターが映し出され様々な国の街のサッカーの試合が中継されている。
これが中々に面白い。
ド派手にダイナミック。
これは流行っているのもわかる。
『決めたっ!これで3点目!!止まることはない!!』
モニターの前にも大勢の子供。
周りに歩く大人たちも歩きながら眺めている。
この街では珍しくもない風景。
『レオン・クリス!これで得点ランキング単独トップになりました!』
ヒーロー。
どこの世界でもそんな存在はどの世界でも存在する。
世界を救った者、
すごい発明をした者、
大作を作った者。
様々な行いから名声を得る者がいるだろう。
ことこの世界で言うヒーローというのは明確だ。
世界で1番サッカーで活躍するものだ。
レオン・クリス
正しく彼もその1人だろう。
2年連続得点王。
年間最優秀選手に名を連ね、全世界にファンがいる。
サッカーで莫大な富と名声を得た者。
俺はその姿にあこがれた。
☆☆☆
「ここよ」
母親に連れられたのは、人工芝のグラウンドのサッカースクール。
この世界では色んなところにサッカーの施設がある。
子供の遊び場のサッカー場もちゃんと芝が整備されているところも珍しくない
。
「いい?カイル。死ぬ気で練習して、いーっぱいお金を稼ぐのよ。お母さんはアンタという超優良銘柄に、老後のすべてを賭けてるんだから!」
「OKママン。将来の配当金については、今のうちに書面で契約を交わしておこうか」
スクールには子供たちもたくさんいて練習相手には困らなそうだ。