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「ほう?何もないとはどういうことだ?轆轤」
どうやらここでの私の名前は轆轤というらしい。体つきも成人男性のそれで以前の幼女と比べれば幾分か心に馴染むというものだろう。
………幼女生活の弊害で若干怪しいが。
「先ほどからぐちゃぐちゃと心の中でほざいていたが、私が貴様たちの考えていることが分からないとでも思っているのか?轆轤」
ふざけるな!!
考えを読むなんて、プライバシーはどこ行った!!!
出張しているなら呼び戻せ!!!
今すぐにだ!!
先ほどまではこの集団の無能ぶりは個人の責だと考えていたが、どうやら認識を改めるべきらしい。
このようなパワハラ気質の上司の元ならば、なるほど。思った成果が上がらない一因にこの女も一枚嚙んでいる可能性がある。
会社の思惑に給料の範囲で答えるのは会社員の義務と言っても過言ではない。出世の為ならば多少の残業も許容の範囲。
だが、それは全て出世、給料アップの確約があってこそ!徒労に終わるやもしれぬ過剰労働など断固拒否する。
そして私にこれから見る陽の目があるかどうかと問われればまず間違いなく無い。
それはこちらに見開かれている女の目と様子を見れば一目瞭然。退職する会社員がなんとなく分かるように、これからの人生が先行き短いのは察しが付く。
きっと退職金などありはしないだろう。そもそも使うような時間の用意がなさそうなのだが。
「どうだ?言いたいことは言い終わったか?」
「はい。無能な私などに時間を使わせてしまい申し訳ありません。いかようにも計らってくださいませ」
いっそ清々しい。
ここまでの無理難題プレゼン発表は初めてだ。これまでにプレゼンは幾度とやってきたが勝算はあった。
だが、今回は訳が違う。
まず、自分への評価が決まってしまっているということ。それも私の知らないところで、だ。これから判断するならばやりようもあるが、既に終わった評価は並大抵のことでは覆せないし、それをする時間もないのだろう。なら、なるようになれ、である。
どの道私自身には生殺与奪の権利はないのだ。退いても攻めても負け。ならばとるべきなのは某鬼石蔓子率いるシマーズ一族が関ヶ原でやらかした前進して後退するという何を言っているのか理解に苦しむ方策だ。
「ほう?気が変わったのか?轆轤」
「はい。何とか生きようと考えを巡らせましたが、鬼舞辻様の前ではどれだけ策を巡らそうと栓なき仕儀であることを失念しておりました」
だってそうだろう。何をどうやってもこの方には抗いようがないではないか。
ノルデンでの練兵過程修了試験の折、国境侵犯をしでかした協商国に単騎対応を迫られたあの時のように。上からの命令とはそれほどの強制力を内包している。
それに逆らうなど馬鹿馬鹿しい。それこそ無駄なリスクというものだ。
「そうか。鳴女!轆轤を元の場所に送ってやれ」
不敵な笑みを浮かべ、鬼舞辻が声を発する。
ベン!という三味線の音と共に目を開けた時の明るい木造建築の風景は蜃気楼のように消え失せていた。今、目の前にあるのは夜の暗闇と僅かな月光だ。
「クク………ハハ、ハハハハハハハハ!!!」
ターニャは思わず高嗤う。
やった!やってやった!!心を読まれるなら読まれる心をこちらが決めれば良いのだ!!幸いにもあのクソッタレな存在Xを讃える讃美歌を口にしない限り、私の心は自由の身。
そしてあの呪われた宝珠は今ここには無い。
つまり!!私の精神は自由となった訳だ!
「残念だったな、存在X!!!貴様への祝福などまっぴらだ!!!」
いかがでしたでしょうか。
死ぬだろうなぁと思って書き始めたのに書き終わって見てみれば生きてやがります。
ここからはどうして前話で無惨→ターニャ(轆轤)へのリアクションが無かったのかを書きます
①原作の流れを壊したくなかった
メタいですが、私的には結構これです。原作通り一人ずつ尋問して殺していく、という流れを壊したくなかったという
②そもそもターニャと無惨の絡みを書く気が無かった
話を書こうと思ったきっかけにもなりますが、パワハラ会議と言われたり意外と無惨優しい?みたいな意見もあったりという場面に合理主義なターニャがいたらどういう判断をするのかなぁと思ったのが書くきっかけでした。
それもあってそもそも書く気がなかった、書こうと思っていなかったから書きませんでした。
指摘されてから見ると短気な無惨が無反応は解釈違いになる人もいるよなぁと思った次第です
③無惨の人物像
そもそも全員殺す気の下弦会議だったはずなので、色々と考えていても順番がきた時に問い詰めて殺そうとしていた、という理由でターニャを無視していたと”後付け”します。
さほど無理はない………はず
そんな理由でターニャと無惨の絡みを書いていませんでした。
え?続き?
な~んにも考えてないゾ!☆