まぁ自由帳だと思って下さい
俺の名前は猪股大喜
栄明中学高等学校に通う中学3年生だ
この学校は中高一貫のスポーツ強豪校で俺はバド部に所属していて今は高校入学まで高校のバド部の練習に参加させてもらっている
そんな俺には好きな人がいるその人は女バスの1つ先輩で栄明高校のマドンナでもある鹿野千夏先輩だ
千夏先輩はいつも朝の自主練に一番早くにきてはシュートの練習をしていてそんな千夏先輩のことが俺は好きだ
「あー結婚できたらなぁ」
「ムリだろ」
俺の呟きを冷たく返すのは笠原匡で俺の親友で同じバド部にいる男だ
「いきなり結婚って…朝練で会話する程度の関係だろ?」
「うぐぐ…でも俺の母さんウチのバスケ部OGだし!それに挑戦しないと絶対勝てないじゃん」
笑いながらそう言うも実際に匡の言うとおり中々関係を築くきっかけが無いのも事実なんだよな
「なんの話してんの?」
そう言いながら俺に膝カックンする女子が一人
「なにすんだよ!」
「あいさつあいさつ」
少し怒る俺の言葉に笑いながらそう言うのはもう一人の親友である蝶野雛だ
雛は俺達と違って新体操部に所属していて実力もある高校生になれば期待の星とも言われてるらしい
「で、なんか悩みごと?」
そう聞く雛に俺は相談するか迷っているとなんだか女バスの人達が騒がしくなってるのに気付いた
「どうしたんだろ?」
俺の疑問に雛が
「あぁ女バスの人親の都合でアメリカに転勤するみたいよ確か鹿野先輩だったかなさっき先生と話してるのを新体操の先輩が聞いちゃったって」
「え…」
後頭部を殴られたような錯覚がした頭が真っ白になって言葉が出てこないそんな俺を見かねて匡が大丈夫かと心配そうな目で見てくる雛もそんな俺達の空気を察してか
「まさか大喜の悩みってその女バスの先輩に関係してる?」
そう聞く雛に俺は千夏先輩が前から好きだったことを打ち明けた
雛も匡と一緒で本当に困っていたら茶化さずに聞いてくれるから俺も言えたんだと思う
「挑戦するしないの話じゃなくなったな…」
そう言う俺に匡は何も言えずにいると雛は
「挑戦すればいいじゃん」
「我慢なんて大喜の柄じゃないでしょ挑戦してる方が大喜らしいじゃん」
ね、と匡にも同意を求める雛に匡も確かにと同意する
そんな二人に俺は考えさせてくれと言いその場を去った
結局その後は練習に身もはいる訳もなく家に帰ってきたわけで周りの話を纏めるとアメリカに行くのはやっぱり千夏先輩で急遽決まったことであと数日しか日本にいないということらしい
「どうしよう」
ポツリと呟くこのまま千夏先輩に何も言わずにアメリカに行かせてもいいのか自問自答をしながら眠りについた時間が解決してくれることを祈って
体内時計というものは素晴らしいことに今日も正確らしい
答えを出せずに朝を迎えて今は学校に向かっている途中だ
千夏先輩のことになると頭の中がモヤモヤするので体を動かそうと思ったのだ
体育館に近づくとボールの弾む音がするまさかと思い扉を開けるとそこには千夏先輩がいつもと変わらずにシュート練習をしていた
心がドキッとする扉の音に千夏先輩が気付いた
「おはよう」
「おっおはようございます」
今日も早いねと先輩は言い練習を再開する
俺は分かっていても
「千夏先輩、アメリカに行くって本当ですか?」
そう聞くと千夏先輩は驚いた表情をし
「そっか、中学生の君まで知ってるんだね、そうだよ」
表情を変えずに言う先輩に俺は思わず
「インターハイどうするんですか?俺目標に向かって毎日努力することも、たとえ負けたとしても前を向き続けることも千夏先輩に教わったんです」
「だから諦めないでください」
そう伝える俺に千夏先輩は
「ごめん」
「もう決まったことだからでも、両親を説得して1年間の留学扱いにしてもらったから来年にはまたここに戻ってくるよ」
なんだ来年には戻ってくるのか………
「留学!?どういうことですか先輩」
驚く俺に続けて
「やっぱりインターハイが諦めきれなくて両親を説得して学校にも相談したら留学って形になってね、そのせいでギリギリの報告になっちゃって結果的にチームメイトに迷惑かけることになって」
1年間いなくなることは悲しいけど戻ってくるってことはもしかして俺突っ走った恥ずかしさで顔が赤くなるのを感じる
「けど部活の違う君がそこまで思ってくれるとはびっくりだなぁ」
「それは千夏先輩が中学引退の翌日も一人で泣きながら練習してるとこ見てしまってギリギリで全国いけなかったって聞いてよっぽど悔しくてそのくらい頑張ったんだろうなって思うと今回のアメリカの話が俺にとっても悔しくて」
そう言う俺に先輩は目を見開いて固まってしまった
「別に盗み見しようとした訳ではなくて荷物整理で学校に用事があってたまたま偶然」
弁明する俺に先輩は笑うと
「いいよ、私も忘れてからあの時の悔しさをだから思い出させてくれてありがとう」
「実質インターハイに行けるチャンスは来年だけになるけどアメリカに行ってレベルを上げて必ず栄明で全国にいくから」
力強く宣言する先輩に俺は嬉しくなった
「そういう君は目指してないのインターハイ?」
「もちろん目指してますけど俺の実力じゃあまだまだですよけど行きますよインターハイ」
その言葉を聞いた先輩はニヤリと笑って
「では、そんな君にこれをあげよう」
と言ってカバンからミサンガを手渡してきた
「本当は渚に渡そうと思ったんだけど趣味じゃないとかなら君に貰ってほしいな」
まさかの展開に驚き食い気味にいただきます!と言い受け取る
昨日では考えられない手作りのプレゼントに俺は喜びを隠し切れず早く結んでしまおうとするも上手く結べずにいると千夏先輩は見かねて貸してと言い俺の足にミサンガを結んでくれた
「インターハイ行ってください」
お揃いだからねと自分の足首を見せる先輩に俺は言葉にならない悲鳴を上げそうになる
「ありがとうございます」
そう言うしかない俺に先輩は
「こちらこそありがとう向こうに行く前に色々と気付かせてくれて話せて良かったよ"いのまたたいきくん“」
何で名前をと驚く俺の質問に千夏先輩は秘密と言って笑った
追求しようと口を開こうとした時扉が開いて他の人達が体育館に入ってきたどうやら時間が経っていたようだ
「じゃあまたね」
そう言う先輩に俺は
「はい、また来年」
話しを終えて俺は改めて千夏先輩のことが好きだと気付かされると同時にインターハイに行くという決意する1日になった
気付いたら千夏のイベントの詰め合わせになってしまった