ハルに興味を持ったフェイは、彼と対話をする中で益々彼へ興味を持ち始め、模擬戦闘を申し出る。フェイの熱意に負けたハルは、思わぬ形でこれを受ける事となってしまったのだった………
それから少しして、2人は城の庭にて木刀を持って対峙していた。そしてフェイが模擬戦闘をするという事もあって、城の中の貴族や見物客が多く集まっており、気が付けば100人程様子を見ていた。
「(どうしてこうなった………)」
ハルは周囲に注目されている現状にどうしたものかと考える様子を見せていた。
「行くぞ、ハル! 今回のルールは殺さないこと、過度な怪我を負わせない事。この2つがルール、能力とかも制限しなくていいよ」
フェイはハルに対して今回の模擬戦闘のルールを説明。それを聞いたハルは………
「分かりました(能力や魔法は使っていいルール………とはいえ、相手は1級だ………能力が強いだけでなくその技量も恐らく高い………)」
表面上は冷静に頷きつつも、1級能力者であるフェイに対して警戒心を向けていた。
「よし、それじゃあ………行こうか!!」
フェイはそう言うとハルに向かって走り出し、剣を振り上げて間もなく振り下ろす。ハルはこれを軽々と受け止めると、素早い回し蹴りでフェイへ攻撃する。
「おっと!」
フェイはこれを無駄の無い足取りでかわした。
「(攻撃をかわすばかりか無駄の無い動きだ………流石1級)」
ハルはフェイの実力の高さを肌で感じたのか思わずそう考えていた。
「なら今度はこちらから仕掛けます! {エンチャントフィジカルアビリティ}!」
ハルは自身の身体に身体強化魔法をかけ、素早い動きで接近。目にも止まらない連続の斬撃を放つ。
「(うおっ!? 速い………! 身体強化魔法込みとはいえこのスピード………そしてパワー………! ウズクチョでもまず居ない………最低でも2級、下手すれば1級も有り得る! 現に………!)」
フェイはハルの動きを見つつ、素早くも力強い斬撃を捌きながら褒めていた。そして何度目かのハルの攻撃がフェイの身体へ直撃する。
「ぐあっ!?」
フェイはこれにより近くの壁へ吹き飛ばされるが、それでも近くの壁を足場代わりに蹴り、再びハルの前へ立った。
「君の攻撃が俺に当たった………これは全力で応えなきゃだね………!!」
フェイはハルの強さに目を輝かせつつも、素早い動きで接近。今度はハルと同じ連続での斬撃を狙い、ハルは冷静に捌き続けていたが、その際に1つの違和感を感じた。
「(………この動き、今さっき俺がやった動きじゃ………?)」
そう、それは今のフェイの動きがハルと酷似していた事である。やがてフェイはハルが先程見せた不意討ちの一打を狙ってきた。
「ぐっ!」
だがハルは咄嗟に横宙返りをして攻撃をかわした。それを見たハルは………
「(この人の能力………もしかして模倣か………!)」
フェイの能力が模倣ではないかと疑う様子を見せるのだった………
ハルvsフェイの模擬戦闘は、フェイがハルの強さに目を輝かせつつも、彼自身もフェイを驚かせる強さを見せていた。果たして、フェイの能力は如何なるものであろうか………?
To Be Continued………
次回予告
フェイはハルが自身の能力に気付いたのか、自身の能力を開示する。その能力は狙い通り動きの模倣であったが、フェイの模倣はただ真似ているだけでは無かったのだった………
次回「模倣の引き出し」