幻想魔戦史録   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
ハルは最大出力の雷の力でヒナノへ攻撃を放つ。ヒナノは加速の能力を応用したパンチを放ちこれに対抗。2人の攻撃は相殺される形で決着するのであった………


第102話 勝敗の行方

ヒナノは右腕を回復魔法で治癒した後、火傷跡が回復したのを確認するが………

 

「(………右腕の感覚がまだ麻痺している………加速の力で対抗したとはいえやっぱりハルくんのパワーは高いね………)」

 

ヒナノはハルのパワーを肌で感じ取る様子を見せると………

 

「オッケー、模擬戦闘はもう充分だよ」

 

ヒナノは模擬戦闘を終える事を口にする。

 

「………流石の実力だね、まだ伸び代はあると思うけど、君なら私なんかよりもずっと強くなれるよ」

 

ヒナノはハルの実力を賞賛した上、自分よりも強くなる事を期待していた。だがハルは視線を俯かせると………

 

「………いえ、私はまだヒナノ様には及びません」

 

そう言って、謙遜するようにヒナノにはまだ敵わない事を口にする。

 

「いやいや、そんな事は………! 私の右腕にダメージを与えた人は久しぶりだし………この勝負も加速の力がなければ負けてたよ………!」

 

しかし、ヒナノも自分が能力を使わなかったら負けていた事を口にする。それでもハルは自分が勝ったとは思いたくないのか、ヒナノの言葉に頷く様子はまるで見せなかった。

 

「………分かった、そういう謙虚さが君の向上心に繋がるのかな。今回はどっちが勝ったとか言わないでおくよ」

 

ヒナノはそんな彼の様子から察したのか、今回の勝敗については濁す事を決めたのだった………

 

 

 

それからヒナノはハル達と少し会話をした後、ウズクチョへ戻る為に支度をしていた。

 

「あの………ヒナノ様、今回の事はウズクチョへどうご報告をされるのでしょうか………?」

 

その中でメイルは恐る恐るヒナノに対して、今回の件をどのように報告するのかを問いかける。

 

「どうもしないよ、スプリング様にお会いしてレボナガシ国王陛下にもご挨拶しただけ………私自身には幾らか権威があるのは分かってるつもりだけど、それを利用してまでやる事は無いよ」

 

ヒナノはそう言うと共に、今回の事を大きく報告する気は無かった。それはつまり………

 

「………フェイ様の事も知らないフリをするよ」

 

ウズクチョ側にはハル達の情報を無闇に流さない事を意味するのだった。

 

「………ありがとうございます、ヒナノ様」

 

それを聞いたハルは嬉しそうな様子でそう呟いた。

 

「もう少し馴れ馴れしくてもいいよ、ハルくん。こういう時に堅苦しいのは無し」

 

ヒナノはそんな彼にもう少し気安く接して欲しい事を明かす。それを聞いたハルは少し考えた後にこれへ頷き………

 

「………分かりました、ヒナノさん」

 

そう言って、彼女へ少しは楽に接する様子を見せた。

 

「うん………それじゃあ、また会おうね」

 

ヒナノは嬉しそうな様子を見せると、レボナガシを旅立つ為に国の外へと向かうのだった………

 

 

 

ヒナノとの対決については決着が保留で終わり、ヒナノとは一時別れる事となった。そしてウズクチョ最強の1級能力者とぶつかった経験は、ハルにとって大きな経験として残る事となったのだった………

To Be Continued………




次回予告
ヒナノはウズクチョへ戻る過程で、彼女をウズクチョへ赴かせた張本人であるUと遭遇する。2人は対話の中で、転移者が状況を変える事態が目の前へ迫っている事に言及するのだった………
次回「転移者の台頭」
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