ハル達が決定打を与えられない中で、自らの無力感に苛立つ瑠美。そして彼女は無意識にも自身の魔力を爆発させた一撃で魔物を撃破する事に成功するのだった………
ハルはセリィの言葉に耳を傾けつつも、咄嗟に大技を放った瑠美の側へ駆け寄る。
「さっきのは………? いったいどうやってあんな攻撃が………?」
ハルは困惑しつつも先程の大技の事を問いかける。しかし、瑠美にとっても無意識な一撃だったらしく、どこか落ち込む様子を見せると………
「………分からない、ハルくんを助けようと無我夢中で………」
そう言って理由については自分にも分からない事を口にする。
「そう………だよね」
ハルも何処か納得するようにそう呟いた。先程の大技は魔法に触れてそんなに経っていない期間で意識して放てる技ではなかった。ハルにとってもその原因は分からず首を傾げるだけだった。セリィはそんなハルの様子を目にし………
「ハルくん、1つ忠告しておくよ………さっきの魔物は多分人為的な存在………それにそこの女の子が突然この世界に連れてこられたのも………偶然じゃない………ハルくん達は知らない間に大きな悪意に運命を振り回されると思う………気をつけてね」
そう言って目にも止まらない速度でその場から離脱した。瑠美は首を傾げていたがハルの中ではセリィの言葉が頭を過ぎっており………
「人為的な存在………まさか」
心の中で不安を隠しきれない様子を見せるのだった………
その頃、ハル達の様子を密かに空中から見ていた存在が1つあった。
「ドゥンケルハイトの改造型を倒すとは………やはりこの世界へ転移させた存在………神の種を植え付けられた存在は桁違いですね………」
その存在はそう言って、先程の魔物を一撃で倒した瑠美の一撃を興味深そうに見ていた。
「………さて、次はどうやって彼女の力を観測しましょうかね………出来れば派手にやりたいですが、例のウズクチョの英雄………Uに目を付けられるのは避けたいですからね………」
その人物は次の手を模索していたが、そんな彼もUの事は懸念する様子を見せていた。そして考察を進める中で彼はある事を思い浮かべると………
「………そうですね、ウズクチョに転移させた人間を使ってみましょうか。Uへマークされかかっている彼へこれを依頼するのはあまり好ましい事ではありませんが………ここは彼に頼るとしますかね………」
そう言って、何かを思い付くと共にウズクチョの人間を使った思惑を実行しようとしていたのだった………
瑠美の放った大技{神の斬撃}について謎が深まる中、今回の件が真意的なものである忠告を受けるハル。そしてハル達がその言葉が事実と気付くにはまだもう少し時間を要する事となるのであった………
To Be Continued………
次回予告
魔物の襲撃から数日。レボナガシにてウズクチョとの会談の場が開かれる事となった。そこにはウズクチョへ転移させられた人間も同行していたのだった………
次回「ウズクチョ転移の勇者」