困惑するハル達へ今回の事態が人為的なモノである事を忠告するセリィ。そしてそれを現実と指し示すように謎の人物が様子を窺っていたのだった………
魔物の襲撃から数日、レボナガシではウズクチョの人間との定期的な会談の日が訪れていた。
「………俺は今日留守番なのかい?」
その場にはハルとメイル、そして瑠美も出席する事となった。しかし、フェイだけはそれを拒否されていた。
「仕方ないわよ………フェイはまだ依然行方不明扱い。レボナガシ滞在を黙認してくださったヒナノ様ならまだしも、そうじゃない御方がいらっしゃったら面倒な事になるだろうし………」
メイルは今ウズクチョ側にフェイのレボナガシ滞在がバレると面倒になる事を口にする。
「………だよなぁ。うん、我慢するよ」
フェイは理由を聞き、仕方ないと判断したのか諦めるようにそう呟いたのだった………
それから数分、ハル達は会談室に通され目の前の席へ腰掛ける。それから少ししてスプリングの案内でウズクチョ側の人間も到着した。今回のウズクチョ側の人間はUとヒャガ公爵………そして瑠美の世界の服装に近い少年だった。
「「(ヒャガ公爵………!!)」」
少年の方も気になるハルとメイルだったが、因縁の相手が何よりも目の前にいる事へ2人は思わず身構えた。
「………嫌われてるなエオル」
Uは皮肉めいた様子でそう呟いた。しかし、ヒャガ公爵は何も言い返さなかった………いや、言い返せなかったのだろう。
「………良いですか? 今回の話し合いはいつもとは少し違う事なんですから」
スプリングは呆れ混じりにそう呟いた。
「ああ、始めてくれ」
Uはスプリングの言葉に頷く様子を見せる。それから少ししてスプリングは息を吸うと………
「今回の議題はウズクチョとレボナガシ………両国に異世界と思わしきこの世界の出身ではない子達が突如転移してしまった………という事ですね」
そう言って、今回の議題を口にする。
「転移………」
メイルはその言葉を聞いて考える様子を見せた。
「今回の事態はまさに1000年前の再現とされていますが………問題は2つ。1つは転移の手段。もう1つは転移してきた子達に膨大な魔力がある事………この2つについて何か手がかりが得られればと思いますが………」
スプリングは転移の手段と瑠美達に膨大な魔力が宿っていた理由を話し合う事を挙げる。その中でハルはウズクチョ側の少年へ視線を向けると………
「(………彼がルミちゃんと同じ異世界からの人間なのか………)」
心の中で少年もまた異世界からの存在である事を考え始めるのだった………
フェイ抜きでウズクチョとの会談に参加するハル達は、そこで宿敵のヒャガ公爵とウズクチョ側に転移した異世界の少年と対峙する。そしてこの対峙がまた1つ小さな事件を起こす事を、この時のハルは知る由もなかった………
To Be Continued………
次回予告
転移の術と膨大な魔力を持っている理由を表向きは知らない様子を見せるUとスプリング。そんな中、ウズクチョ側の少年はその理屈について特に興味は無い事を口出しするのだった………
次回「超常の力」