表向きは転移の手段と瑠美達が膨大な魔力を持っている事の理由を知らない様子を見せるUとスプリング。だがウズクチョ側の少年はこの事の理屈について興味を持たない様子を見せたのだった………
ハル達が首を傾げる中、少年は突如として席を立つと………
「俺は有賀透! この世界に直接来た時は何事かと思ったものだが………自分の力を自覚した今なら分かる、俺の力はこの世界の危機を救う為にあるものだってな………!!」
そう言って、自身の名を高らかに名乗り、そのまま自身の身体から大きな魔力を放出する。そしてその直後、彼の身体は変化し、近くに座っていたヒャガ公爵の姿となった。
「なっ!? (変化魔法………!?)」
これにはメイルも動揺を漏らしていた。
「(変化魔法にしては高度だ………それにあの様子は………擬態?)」
ハルもまた首を傾げる様子を見せると共に、目の前の少年、有賀がやっているのが擬態である事を察知する。少しして有賀は元の姿へと戻ると………
「どうだ! これこそ俺の力{神の擬態(ゴッドミミクリー)}だ!」
有賀はそう言って自身の能力に胸を張る様子を見せた。
「{神の擬態}………現代においてここまでの擬態魔法は凄まじいですね」
スプリングは有賀の使った魔法のレベルが現代魔法よりも群を抜いた存在である事を口にする。
「流石にスプリングには分かるか」
Uはスプリングが魔法の特性を一目で見抜いた事に嬉しそうな様子を見せた。
「俺の魔法を見破るなんて、アンタセンスがあるな」
スプリングに対してどこか偉そうに口を開く有賀。スプリング本人はにこやかに笑っていたが………
「………失礼だぞスプリングに」
Uは小さな苛立ちと呆れ混じりにそう呟いた。
「(珍しく苛立っているような………)」
そんな彼の様子はハルの目線でもよく見えるものだった。
「俺の力はこの世界にいる1級? クラスの人間でも敵わない強さだ、正に運命に選ばれている!!」
有賀は鼻を高くするように自惚れた様子を見せるが、そんな中でハルは小さく視線を避けると………
「(………本当にそうなのだろうか………? 前にセリィちゃんはルミちゃんのこの世界への転移は偶然じゃないと言っていた………有り得るかは分からないが………もしこれも何者かによって仕組まれている事だとしたら………?)」
有賀の力がもし人為的であった場合の事を考えると、この展開も意図的なものではないか………ハルにはそう思えてならなかった。そんな彼の様子を見たUは………
「(………何かに気付いたか?)」
ハルが何かに感付いた事を予感するのだった………
有賀自身は自分の力と転移された事を運命的なモノと考える中で、ハルはこの事態を偶然とは思えない様子を見せていた。果たして、これは運命と言えるモノなのか、それとも意図的なモノなのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
ハルが何かに気付いた様子を見せた事で、Uは会談の後に彼へ接触を図る。ハルが困惑する中で、Uはハルへ新たなヒントを与える様子を見せたのだった………
次回「英雄の接触」