有賀が自身の能力を意気揚々と語る中で、ハルは以前のセリィの言葉によって大きな違和感を感じていた。そして違和感を覚えたハルの様子を見たUは、彼が何かに気付いた様子を見せたのだった………
ウズクチョとレボナガシの会談は瑠美と有賀の転移の真相も、莫大な魔力を持つ理由も全く分からないまま終わってしまった。この時にはもう夜になっていたため、ウズクチョ側はレボナガシに一番宿泊してから帰る事となった。ウズクチョ側の人間はハル達のいる客室から大分離れた客室を使う事となったので鉢合わせる可能性は低かったが………
「(………どこかずっと引っかかる。なんでこんなに胸騒ぎがするんだろうか………?)」
ハルは先程の会談からずっと悩み続けていた。その悩みが晴れず、レボナガシ城内の庭にて考察を続けていたのだが、突如空からハルの近くへ何者が降り立って来た。
「随分悩んでるみたいだね」
そして降り立って来た人物はハルの様子を見抜くようにそう呟いた。
「………! U………様?」
ハルは降りて来たのがUと気付いて小さく驚くと共に警戒していた。
「別に畏まらなくてもいい。僕はただ長生きしてるだけの存在だし」
Uはそう言うと共にハルの横へ腰かける。少ししてハルが視線をUから逸らし俯く様子を見せると………
「あの有賀って子が言ってた事と話が違わないかと言わんばかりの顔だね………さしずめ誰かにその事と関係した何かを匂わされたのかな?」
そう言って、ハルの悩みに対する核心を突いてきた。それを聞いたハルは内心驚く様子を見せた後………
「………前にレボナガシへ魔物が襲いかかって来た時に戦っていた女の子が言っていたんです………その時の魔物の事も………瑠美ちゃんの転移も………人為的なものだと………」
ハルは以前セリィに言われた事を、彼女の存在を伏せたまま語る。それを聞いたUは少し考える様子を見せた後………
「………だと思うよ、僕も正直人為的な存在による影響説を押してる」
そう言って、ハルの考えを肯定する様子を見せた。
「何故そう思えるのですか………?」
ハルはUがあっさりと肯定してきた事へ驚き思わずそう問いかける。
「………最近頻発しているドゥンケルハイトは自然に沢山生える訳じゃない。レボナガシだけで直近3件、更にスプリングの話だとその上位種まで現れたとかって話だしね。別に魔物を強化する術は表向きに出てないだけで存在はしているしね………それにここまでの魔物は全部闇に影響したものだし………闇に関連した秘術なんだろうなとは容易に想像が付く………僕が人為的説を出しているのはそんな所が根拠かな」
Uはその背景として、闇の魔物ことドゥンケルハイトの存在と彼自身が把握している闇の秘術が関係している事を理由として挙げるのだった………
ハルの疑問が晴れない中で彼に接触し、その彼の説を肯定するU。その考えの根拠として出てきたドゥンケルハイト出現頻度の短さと彼が口にした闇の秘術の存在は、果たして人為的説を明確なものとする根拠足りうるのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
Uはかつて自身が解決した事件の1つに闇の秘術が関連したものがある事を明かす。そしてその闇の秘術の力による魔物の強化は、直近にハルが戦っていたドゥンケルハイト達と大きく合致するものとなっていたのだった………
次回「闇の秘術事件」