会談については瑠美達の魔力が高い事、転移の術について何も分からないまま終わる事となった。だがそんな中でこれらが人為的なモノである線に気付いたハルに対して、Uが接触をするのだった………
Uの話を聞きながら異様な納得感を感じるハル。Uはフッと笑いを零すと………
「少し、昔話をしようか。僕が昔解決した事件にさっき話した闇の秘術を用いた人間による事件があった。その時に強化された魔物はドゥンケルハイトとは違う魔物だった訳だけども………その時に強化された魔物は当時の1級魔法使いを遥かに凌駕する強さへと昇華してしまった………あの時の人間達はかなり慌てていたよ、世界の終わりとかね」
Uはそう言って、過去の事件を思い返していた。
「その割には落ち着いてますね」
Uの様子を見たハルは、彼が落ち着いている事を口にする。
「まあ別に僕からすれば小火騒ぎ程度の話だったからね………あの程度で騒ぐ程じゃない」
尤も、Uにとっては大した事件でも無く、当時の件を懐かしい騒ぎの1つに過ぎなかった。
「つまりは今回の事件も貴方にとっては小火騒ぎですか」
ハルは皮肉を言うようにそう呟いた。
「少しは大変だと思ってるよ、これでも」
Uは笑いながらそう言うと共に、今回はまだ大変な方である事を語る。そして、自身の視線を天高く上げると………
「何せ異世界を巻き込んだ事態は長い間無かった。この世界において他の世界の人間が巻き込まれた事案は今回が2回目………つまりは1000年くらい起きていなかった事態………異常事態だ」
そう言って、今回の事態は類を見ない事件には変わりない事を挙げた。
「………取り敢えずそうなんだという事にしておきます」
ハルはどこまで彼が本気なのかが見えず、流すようにそう呟いた。
「まあ解釈は任せるよ」
Uはそう言うと共に視線を落とすと………
「ハルくん、これから先現れる闇の力が強い魔物は、その闇の秘術………もしくはそれを更に強化したモノである可能性が極めて高い………でも君に渡した魔剣は君の力を最大限発揮出来るはずだ………それに、君の中に宿る雷の力も相当強くなって来ているみたいだしね」
Uはそう言うと、ハルの力は更に強くなってきている事を明かした。
「………でも俺自身の力では………」
ハルはこの力についてあまり胸を張る様子は見せなかったが………
「偶発でも君の力だ。それに馴染んでいるのは君がその力に適合出来ているからだ」
Uはそう言って、雷の力はハルのモノである事を口にする。そしてそんな彼の肩を優しく叩くが、その際にUは何か1つ、滅びを想起させられるイメージがフラッシュバックした。
「っ………!?」
Uは思わず声を漏らした。
「………大丈夫ですか?」
ハルはUの様子がおかしくなった事で思わずそう問いかけた。
「いや………なんでもない」
Uは笑ってそう呟いた。そしてそのまま彼の傍を離れる事となったが………
「(………今確かに、何か別の魂を感じた………雷の力を上回り、全てを壊さんとする破滅的な力………まさか………)」
Uの表情は少しずつ険しいものと変化するのであった………
闇の秘術に関する事件と、ハルに渡した魔剣と彼自身の力がこの事態を解決出来る事を明かし、彼に期待を寄せるU。だが、ハルの中には何か恐ろしい力が潜んでいる事を、この時の彼は偶然にも察する事となるのであった………
To Be Continued………
次回予告
ウズクチョ勇者有賀の思い付きでウズクチョとレボナガシ間での模擬戦闘が提案される。有賀はハルを指名し、自身の力を誇示しようと企む様子を見せるのだった………
次回「思い付きの模擬戦闘」