追い詰められたフェイは能力解放を発動し必中の攻撃をハルへ放つ。まだカラクリを掴めないフェイだったが、同時に彼の中でこれが必中の必殺技である事を確信させるきっかけにはなっていたのだった………
ハルが分析をしようとする中、フェイは完璧な動きでハルへ接近し剣を振るう。ハルはそれを反射的に受け止めるが、フェイの一挙手一投足が完璧であり、気を抜けば攻撃が当たるというハルにとってあまり良くない展開である事をハル自身も感じていた。そして何度目かの攻撃を狙ってきたタイミングでハルは攻撃を防ぎながらもその時の反動で大きく吹き飛ばされる………とはいえ、ハルにとっては一旦距離が欲しかった為に、この吹き飛ばしは敢えて受けたようだった。
「(………しかし、本当に完璧な動きだな………これまで生きてきて初めて見た)」
そんな中、ハルはフェイの完璧な動きに全く綻びも隙も無い事を感じていた。だがそんな中、ハルは完璧な動きについて1つの事を考えていた。
「………でも完璧な動きには1つの脆弱性がある」
それは完璧な動きに1つ脆弱性がある事を呟いた。フェイは首を傾げながらも完璧な動きでハルへ攻撃を仕掛ける。
「………そこです」
だがハルは姿勢を低くすると共に剣へ炎を纏わせてフェイの移動軌道へ剣を動かした。
「ぐっ………!?」
フェイはこれをかわせずハルの横斬りをまともに受け、吹き飛ばされた。
「フェイ様が吹っ飛ばされた!? ど、どうして………!?」
メイルは何が起きたのか分からない様子を見せていた。そんな中、城の屋根から1人の人物が様子を見ていた。その人物はUであり、ハルの様子を見てフッと笑いを零した。
「(気付いたか。確かにフェイの能力解放による動きは完璧なものだ。けど完璧な動きとは答えのある動きだ。そして答えのある動きは………基本1つしか無い。何故なら解答が2つ以上ある動きは………完璧な動きとは言えない………決まった完璧な動きは………軌道修正が出来ないから咄嗟のカウンターに脆い………多分、ハルくんもそれに気付いたんじゃないかな)」
Uはフェイへダメージを与えられた理由を考えていた。そしてフェイは吹き飛ばされた先の壁へ激突し地面へ倒れた。少しして身体を起こそうとするがその時にはハルが木刀の切っ先をフェイの顔へ向けていた。それを目の当たりにしたフェイはフッと笑いを零すと………
「………俺の負けかな」
自身の敗北を素直に認める様子を見せた。ハルは木刀を引くと共に左手へ持ち替え、右手を胸に当てて頭を下げると………
「………ありがとうございました」
模擬戦闘が終わった事に対する挨拶を返すのだった………
ハルvsフェイの対決はフェイの能力解放の弱点を見抜いたハルの勝利に終わった。そして、この対決はハルの強さをメイルやUへ認識させる重要なものとなったのであった………
To Be Continued………
次回予告
フェイに勝利したハルだったが、その結果は見物客に偶然のものと認識されてしまっていた。だがハル本人は名声に興味が無いのか、悔しさも見せなかったのだった………
次回「欲の無い少年」