テルスス国の話を聞き、その中の黒い思惑を察知したスプリングは、テルスス国の人間を信用出来ない様子を見せていた。そんな中でスプリングは非常事態の時にハル達の事を守る事を約束する様子を見せたのだった………
それから少し経ち、夜も深くなる中でハルは就寝の準備をしていた。そんな中、ハルが使うベッドの空間にメイルが訪ねてきた。
「………メイルさん、眠れないのですか?」
ハルはメイルが自分の方へやってきた事から、やや心配するようにそう問いかけた。
「ええ………今でもまだ少し信じられないのよ………ウズクチョだけじゃなくて、他の国にもルミのような子が突然現れて………世界の流れを大きく変えてしまっている。そんな波が原因で、ハルやフェイにもしもの事があったらと思うと………心配でならないのよ………」
メイルはここしばらくの状況の動向から不安を隠せなかった。
「俺も心配ですよ。メイルさんやフェイと一緒にいる今の状況を何時まで事が許してくれるのか………」
だがその不安はハルも同じだった。ハルはメイルとフェイが共にいる今が大事だからこそ、未来への不安を隠せない様子だった。
「………良かった。貴方はこの数ヶ月でとても逞しくなっちゃったから………私の抱えている不安なんてとっくに解決してるものだと思っちゃってたわ」
だがそれを聞いたメイルの内心はとても安堵していた。
「逞しい………ですか。俺はまだそんなに逞しくはないですよ」
ハルは苦笑しつつもまだ自分はそこまで逞しくは無いと否定する。
「そんな事ないわ。今の貴方は強くて頼りになる。私はそんな貴方を見て誇らしく思ってるんだから」
メイルは今のハルの成長を見て、彼を信頼するようにそう呟いた。それを聞いたハルはスプリングからそこまで好感を持って見られていた事に驚く様子を見せていた。だがハルは小さく笑いを零すと………
「………ありがとうございます。なら、もっと逞しくなる事が、メイルさんへの恩返し………になりますね」
そう言って、自分が逞しくなる事の意味を言及する。それを聞いたメイルは僅かに間を作ると………
「………ええ、そうね………」
ハルの言葉に頷く様子を見せた………その割にはどこか不満もある声の漏らし方でもあったが………
「そ、そうだわ。今回の件が落ち着いたら美容室に付き合ってくれないかしら? 最近髪が伸ばしっぱなしになってきちゃって………折角だからハルの好みの髪型にしたいの」
メイルは誤魔化すように話題を変えた。それを聞いたハルはメイルに何か不満を与えてしまったのかと小さく違和感を覚えていたが………
「分かりました、俺でよろしければ………」
敢えて知らない顔をしてそう呟く様子を見せた。だがそんな中、突如として外から何かが走っている音が聞こえた。
「………! 静かに………!」
ハルは咄嗟に近くへ置いていた魔剣を手にし構える。するとその直後、ハル達のいる部屋の扉が無理矢理こじ開けられた。そして、扉の先からは、どこか虚ろな目をした刃野の姿があったのだった………
ハルとメイルが対話している中、ハルの逞しさを感じつつもそんな彼の返答へ小さく不満を見せるメイル。だがそんな2人の対話を邪魔するように刃野が突如としてハル達の部屋へ押し入ってくる狂行が発生する。果たして、彼の思惑は如何なるものであろうか………?
To Be Continued………
次回予告
刃野の行動に対して問いかけるハルだが、刃野の言動は常人のものとは思えない程におかしくなっていた。そしてハルとメイルを殺す為だけに、ただ自身の力を振るうのだった………
次回「虚ろな様子の少年」