虚ろな目をした刃野に対し、ハルは冷静に対処するが、そんな彼は徐々に暴走とも言える程の様子へと変化する。そして、暴走した刃野の凶刃は、近くにいたメイルへ襲いかかり、彼女を重体へ陥れてしまうのだった………
ハルは慌ててメイルの方へ駆け寄る。しかし、メイルは既に意識を失っており、出血も酷い状況だった。ハルは回復魔法をメイルにかけて止血を図るが、それでも傷が深い為に治る気配は見られなかった。そんな中で刃野はハルに向けて透明な刃を飛ばすが………
「{マジックバリア}!」
スプリングが咄嗟に防御魔法をハル達の前へ展開。透明な刃は魔法の障壁によって防がれた。
「ハル!」
その隙にフェイとスプリングの2人はハル達へ近付く。スプリングはメイルの身体へ触れると………
「出血が酷い………{メガヒール}」
そう呟くと共に自身の回復魔法をかける。スプリングの回復魔法の速度と効力はハル以上であり、ものの数秒で止血にまで漕ぎ着けた。
「(止血は出来たけど今は一刻を争う状況………しかし、何故あの異世界の子はメイルちゃんへ牙を向けたの………?)」
スプリングは刃野の暴走に疑問を覚える様子を見せた。そんな中、ハルは絶望するように視線を俯かせていたが、しばらくして彼の中で何かが切れるような音が聞こえた。
「………何がアンタをそうさせたのかは分からない。けれど、俺の恩人を………大切な人を………傷付ける理由になんてならない………異世界の人間が勇者だかなんだか知らないが………俺の大事な人を傷付けるというなら………俺がぶっ壊す」
ハルは人が変わったかのようにそう呟きながら刃野へこれまでに無い殺意を向けていた。その直後、ハルは自身の胸へ手を当てる。そしてその直後、彼はその中から何かを引っ張り出すように胸から手を離す。そして彼の手には機械的な何かが握られていた。
「強化変身の為のベルト………? 何故ハルくんの中にそんなモノが………!?」
スプリングはハルが取り出したモノに心当たりがあった。そしてスプリングが言及した機械こと、ベルトはハルの腰に当てられ、そのままバックルが彼の腰を覆うように装着される。
『コラプスドライバー!』
そのベルトは正面上部にスイッチ、ハル視点で左側にレバーが装着されたものとなっており、ベルトから待機音が鳴る中、ハルは左側のレバーを掴むと、そのまま彼は左側のレバーを引いた。その直後に彼の身体に纏われていた雷の力の鎧は内側から砕け散り………
「………変身」
ハルは変化のトリガーとも言える言葉を呟いた。
『オーバーブレイカー! コラプスキング!!』
これによりベルトを中心としてハルの身体に膨張した筋肉が浮き出たような大きな黒い鎧が生成され、彼の身体へ装着。更に彼の顔を覆い隠す仮面が着いた兜が装着された。この事態にはフェイとスプリングも驚いており………
「ハルくんが………変身した………!?」
特にスプリングはハルに起きた事象について言及するのだった………
メイルを傷付けられ何かが切れてしまったハルはこれまでの雷の力とはまるで異なる力を突如として覚醒させた。果たして、ハルが覚醒させた新たな力、コラプスキングの力とは………?
To Be Continued………
次回予告
暴走する刃野はハルへ再び攻撃を開始するが、ハルの変身したコラプスキングには全く通用していなかった。対してハルは明確な殺意に囚われたかのように刃野へ容赦の無い攻撃を叩き付けられるのだった………
次回「全てを壊す殺意」