フェイの能力解放による完璧な動きを前にハルはカウンター狙いの動きで対応する。これにより完璧な動きを見せるフェイに対してダメージを与える事に成功し、模擬戦闘に対してフェイは敗北を認めるのだった………
模擬戦闘に勝利したハル。しかし、メイルとU以外の見物客はこれを偶然と思ってしまったのか………
「さ、流石フェイ様………! どこの誰かも分からない少年の為に手を抜いておられたんだわ………!!」
フェイがわざとハルに負けたとして、彼を賞賛する声を上げた。周りもそれに同調するように彼を讃えるが、フェイは溜息を漏らすと………
「(………手を抜く? ハルに対して………? ………無理だよ、そんな事してたら俺は今頃死んでるって………)」
そんな事をしていれば自分は死んでいたと呆れるように考えるのだった………
それから少しして、ハルはメイルと共にフェイの元を訪れた。
「………もう、周りの人達はフェイ様に盲目ですね………」
メイルは呆れたように先程の見物客に対する不満を漏らした。
「仕方ないよ。自分の信じる強者が負ける姿なんて人は想像したくない」
フェイは苦言を呈するようにそう呟く。
「ハル、悪かったね。君は間違いなく俺より強い」
少ししてフェイはハルの方が自分より強い事を語る。だがそれを聞いたハルは………
「いえ………勝てたのは偶発的なものです。俺の予測した軌道が当たったからに過ぎません」
子供らしからぬ謙虚な言葉を返した。
「偶発って………俺にはそう思えなかったけどな」
フェイは驚いた様子で謙遜するハルの様子に驚いていた。
「昔から戦場で生きているのもあってか………自分の力には自惚れないようにしているんです。10回やって10回出来る事ならまだしも出来ない事は出来ないと考えています」
ハルは自分の力に自信が無いと言うより、どこか謙遜した様子でそう言い放つ。それを聞いたフェイは………
「俺としてはまぐれでも何でも1級に勝った事は誇らしいと思ってもいいんだけどなぁ………」
ハルの謙虚過ぎる様子を前に呆れ気味にそう呟いた。
「………まあそれでも勝てた事は嬉しいと思っていますよ」
ハルは苦笑するようにそう呟いた。だがフェイにとってハルとの戦いは偶然負けたとは思えなかった。もしこれで手を抜いていたなら話は通じるかもしれないが、フェイはハルを相手に手を抜けるような状況はまるで無かった。
「(ハルは俺に遠慮して喜んでいないのか………それとも単にそういうのに興味が無いのか………疑問でしか無いな………)」
フェイはハルの言葉の意図を読めず、思わずそう考えるのだった………
フェイとの対決に勝利したハルだったが、観戦客には偶然で片付けられてしまう結果となってしまった。だがその動きは、フェイにとって納得の行かぬものとなったのであった………
To Be Continued………
次回予告
今回の模擬戦闘でハルを完全に気に入ったフェイは、とある人物とハルを引き合わせる。その人物はフェイの妹に当たる王女であった………
次回「王子の妹」