ハルvsフェイの模擬戦闘が決着するが、ハルの勝利は遇機のものと見物客に捉えられてしまった。しかし、ハル本人は名声には興味がなく、謙虚な言葉を返すのだった………
フェイはハルの読めなさに首を傾げたが、少しして何かを思いつく様子を見せると………
「分かった、ハル。俺、君にどうしても合わせたい人間がいるんだ」
そう言って、ハルに対して合わせたい人物がいる事を口にする。
「俺にですか………?」
ハルは首を傾げながらもその人物の事を問いかける。
「ああ。連れてくるからちょっと待ってて」
フェイはそういうと共に部屋の外へ出る。ハルはしばらく首を傾げていたが、しばらくしてフェイが部屋に戻ってきた。
「紹介するよ、俺の妹だ」
フェイはそう言うと共に、ドレスを着飾った長い金髪の少女が入ってきた。その人物はどこか怯えた様子を見せながら部屋に入ってきた。メイルはその少女を見るなり席から立ち恭しく頭を下げる。そしてそれはハルも同じだった。
「あ、あの………はじめ………まして………! それにメイルも………」
少女は怯えながらも声を漏らす形で挨拶をする。
「ミア様、ご機嫌麗しゅうございます」
メイルはそう言ってミアに敬意を払いながら挨拶を返した。そしてメイルやフェイはハルにも挨拶をして欲しいのか、優しく視線を向けた。
「………お初にお目にかかります、ハルと申します」
ハルもその視線から察したのか、恭しく挨拶をする。
「ハル………様と申されるのですね」
ミアはそう言ってハルの名を口にする。続けてミアはハルの前へ近づくと………
「あの………先程のお兄様との模擬戦闘、ご拝見させて頂きました………! とても………素晴らしかったです………!!」
先程の模擬戦闘について、ハルの腕を褒める言葉をかけた。それを聞いたハルは自分の方を評価する人物が他にいた事に驚いていたのか一瞬言葉を失っていたが………
「………恐れ入ります」
表面上は嬉しそうな様子で遠慮交じりの言葉を返した。
「何緊張してるんだよハル。俺やミアは確かに身分は違うかもしれないけど君の事が気になっているんだ。だからさ、俺と友達になってくれないか! あ、勿論ミアもな!」
フェイはハルの様子を前に苦笑いしつつも、ミアと揃って自分はハルに興味があり、彼と友達になりたい事を明かした。ミアも緊張こそしていたが、小さくフェイの言葉に頷いた。
「………それはとても嬉しいお話ですね」
ハルは驚きながらもその言葉に頷く様子を見せるのだった………
フェイとの模擬戦闘を経て、フェイはミアを紹介すると共にハルと友達になりたい意思を明かした。この時のハルの胸中がどのようなものであったかはハルにしか分からないものであったが、この事は現実が許してくれない事を、その直後に発生した事件で思い知る事態となってしまうのだった………
To Be Continued………
次回予告
ハルがウズクチョで過ごすようになって3ヶ月。フェイからすっかり気に入られたハルはフェイとの修行をする頻度が増えていた。ミアもそれを近くで見守っていたが、その時に大きな事件が起きてしまうのだった………
次回「日常生活が壊れた日」