ハルvsエビルの対決へ突入し、スペックの優位性を見せつけるエビルに対してハルは能力面でエビルと互角に渡り合う。だがエビルはハルの攻撃を受けて吹き飛ばされた先で、新たに企む様子を見せたのだった………
一方ハルはコラプスバズーカのコッキングレバーを引いて余剰エネルギーを排莢させた後、レバーを動かしてそのまま銃口の中に魔剣の刀身を差し込む。
『リリーフブレイカー!』
ハルは大剣リリーフブレイカーを構える。だがその次の瞬間、ハルの前にはフェイの服の首元を掴んで彼の前へ戻ってきたエビルの姿があった。
「っ………! フェイ!?」
ハルや近くで様子を見ていたメイルと瑠美は当然驚いていたが、ヒャガ公爵も動揺を隠せない様子を見せていた。
「(フェイ殿下………!? な、何故だ………何故行方不明になっていた殿下がレボナガシに………!?)」
ヒャガ公爵は動揺したまま思わず睨みつけるようにスプリングへ視線を向ける。だがそんな視線を近くにいたUが気付かない訳がなく………
「………不満そうな顔だな、エオル」
Uはヒャガ公爵の内心を見抜くようにそう呟いた。だが戦況はそんな事を考えている場合ではなく、エビルは目にも止まらぬ速さでヒャガ公爵の近くにいた有賀の前へと移動しており、有賀の胸の中へ右手を貫通させた。
「があっ!?」
有賀は言葉に出来ない苦痛を感じていた。そしてその直後、エビルは彼の胸の中から手を引き抜くと、有賀は胸元が血塗れとなって倒れ、エビルの右手も血塗れになっていたが、彼が掌を開くと、そこには植物の種のようなものがあった。
「アリガ様!?」
ヒャガ公爵は慌てて近くに倒れた有賀へ駆け寄る。スプリングも有賀へ駆け寄ると、彼へ回復魔法をかけ、すぐに傷を塞いだ。だが事態は依然最悪で、エビルは種のようなものに自身の闇を纏わせると………
「これが神の種というやつか………本来は適合した人間にか使えないとされているが………そうじゃない奴の身体に入り込んだらどのような化学反応を見せるか………!」
エビルは嘲笑うようにそう呟くと、フェイの身体に闇を纏わせた種を押し込んだ。
「うあああああっ!?」
フェイは自身の中に押し込まれた闇の種に苦しむ様子を見せる。
「フェイ!」
ハルはフェイを取り戻そうと走り出すが、エビルはフェイの身体を近くへ投げ捨てると、ハルの前へと立ちはだかり、2人は剣をぶつける。
「邪魔をするな!!」
ハルは動揺するように声を荒らげる。しかし、エビルは当然そんなハルの妨害を続ける。そしてフェイの中に押し込まれた種と闇の力を、しばらくフェイの身体は拒絶していたが………しばらくして彼の身体は突如としてそれを受け入れるかのように膨大な闇と適合。フェイは声を荒らげていたが、しばらくして落ち着くように地面へ膝をつき、身体を起こすが………
「なんだこの力………! 俺の中から………とてつもない力が湧いてくる………!!」
この時にフェイの様子は一気におかしくなってしまった。フェイは身体の中からとてつもない高揚感を感じ取ると、自身の内側から膨大な闇を放出させる。
「フェイ………!?」
ハルもこれには動揺を隠せなかった。少ししてフェイは自身の身体から放出する闇を鎧のように全身へ纏わせると………
「………変身」
そう言って、自身の力を解放するためのトリガーとなる言葉を口にする。直後、フェイの身体を覆っていた闇が鎧を形成し、背後には紫色のマントが形成。更に彼の右手には巨大な大剣が生成されていた。
「(なんて事だ………フェイが変身してしまった………)」
その様子を見て沈黙を貫いていたUも、この時ばかりはフェイが変身するというイレギュラーに驚きを隠せなかったのだった………
エビルはフェイと有賀の中にあった神の種、そして自身の闇を掛け合わせる事でフェイを新たな戦士へと変身させてしまった。果たして、その力はフェイに扱えるものなのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
闇の力で変身したフェイは、自身の力の高揚感とエビルへの憎しみからエビルを倒そうと動き出す。だがその混沌の事態においても、エビルはそれを楽しむ様子を見せたのだった………
次回「闇に堕ちた能力者」