Uから現状のウズクチョ内政を聞かされたハルは、自身が崩したヒャガ派閥の誤算を穴埋めするスケープゴートに利用された事を知らされる。だが、そんな事実はハルにとって果てしなくくだらないものであった………
ハルの回答を聞いたUは小さく笑いを零すと………
「逃げるならここからしばらく真っ直ぐ進んだ先にあるレボナガシという国を頼るといい」
そう言って、ハルに対して逃亡先をオススメする言葉をかける。
「レボナガシ………どう言った国でしょうか?」
ハルは首を傾げながらレボナガシについて問いかける。
「レボナガシはウズクチョとは現状敵対関係の国だ。でもそこに僕の知り合いの1級魔法使いがいる。彼女に頼れ」
Uはそう言うと、ハルに対して封筒を渡してきた。
「これは………?」
ハルは首を傾げながら封筒の事を問いかける。
「それを使えばレボナガシに入れてくれるはずだ。僕の言った1級魔法使いにも会えるはず」
Uはそう言って、レボナガシへ向かう際に必要なものである事を語った。
「それはどうも………しかし、何故貴方は俺にここまで………?」
ハルは一応感謝の言葉を返しつつも、何故自分の為にここまでしてくれるのかを問いかけた。
「そうだね………君を見てると思うんだ。君はこんな所で埋もれるタイプじゃないってさ」
Uはそう言って、ハルに肩入れしている理由に、こんな所で埋もれて欲しくないという彼なりのエゴがある事を語った。
「………そうですか」
ハルはそっけなく言葉を返す。
「まあそんなものだと思ってくれ、僕はウズクチョの英雄と言われ続けているけど………ウズクチョ全体の味方とは限らない」
Uはあくまでウズクチョの味方とは限らない事を語る。それを聞いたハルは………
「じゃあ仮に貴方が俺の味方をしてくれると言うなら1つご依頼を。これを………メイルさんに渡してください」
そう言って、彼がもし味方ならとどこか試すように手紙の入った封筒を渡した。
「………僕が味方なら………ね。下手したら届かないかもしれない男にこれを託すのかい?」
Uはハルに対してそのように問いかけた。
「その時はその時です。別に俺がメイルさんに仕えられたのは幸運だっただけ。俺がいなくてもウズクチョという国が回るように、あの人には俺がいなくても生きる道だってあるはずですから」
ハルはそう言って、別に届かなかったからと言って、悔しいなどの感情は無い事を明かした。それを聞いたUは困惑するように息を漏らすと………
「………そんな悲しい人生でいいのかい?」
思わずそのように問いかけていた。
「十何年生きてて俺を気にかけてくれる人はそういませんでしたから………それでは」
だがハルは彼の壮絶な人生が起因してか、そんな想いはまるで持ち合わせていない事を明かしながらレボナガシに向かって歩き出した。そんな彼の背を見たUは………
「………ハルくん、今の君に対して直接言う気は無いがこれだけは口にさせてもらおう。僕は………君に不幸になって欲しい訳じゃない」
そう言って、ハルから受け取った手紙を懐に入れその場を去るのだった………
Uの手引きでレボナガシという国へ向かう事となったハルは、届けて貰えない可能性を承知でUにメイルへの手紙を託した。Uはそんなハルに対してどこか同情する様子を見せたのだった………
To Be Continued………
次回予告
ハルとUが別れてそう経たない頃、Uはメイルの元を訪れていた。Uはハルからの手紙をメイルに渡しており、彼女は泣き崩れるように、ハルの奔走を悲しむのだった………
次回「別れの手紙」