レボナガシに到着したハルは、門の兵士に対してUから渡された手紙を提示する。それにより、なんとUが語っていた1級魔法使いであるスプリング=セントといきなり対面する事が出来てしまうのであった………
スプリングと対面したハルは、そのまま城の中へと案内される。とは言えハルにとってはあまりに話が速すぎる為に理解が追い付いておらず、城の中にあるスプリングの執務室へ案内されるまでの間、疑念と困惑が同時に巡っていた。
「………さて、どこからお話しましょうか………まずハルくん、貴方はこれまでウズクチョにいた子なのでしょう? 何がどうして現在冷戦状態の対国レボナガシまで来たのか………貴方の口からお窺いしたいものね」
そんな中、スプリングはハルがレボナガシを訪ねてきた顛末を問いかけてきた。
「ええと………その前にご質問をしてもよろしいでしょうか?」
だがその前にハルは質問の権利を要求した。実はこの時点でハルの中で1つ腑に落ちない点があった為だ。
「何かしら?」
スプリングは笑顔を見せながら問いかける。
「………何故私の名前とウズクチョにいる事が初対面で分かった上でこんなに速くお話を聞こうとするのでしょう? 仮に手紙に書いてあったとしてもあまりにも行動が速すぎますし、私自身はまだ貴方にきちんと名乗っておりません故にどこか腑に落ちず………」
ハルは何故スプリングが自分の事を初対面にも関わらず、まるで知っているかのような様子で対応してくるのか理解が追い付いていなかった。それを聞いたスプリングは誤魔化すように笑顔を続けていたが、ハルの疑念は強まるばかりで、スプリング側もすぐにこれでは誤魔化しが効かないと悟ったのか諦めるように息を漏らし………
「………そうね。実を言うと貴方の事はUさんから逐一お窺いしていたの」
そう言って、Uから直接情報を貰っていた事を明かす。
「えっ………!?(あの人がこの人に俺の情報を流していたのか………!?)」
これを聞いたハルは当然驚いていた。
「私達レボナガシはさっきも挙げたようにウズクチョとは敵対関係だけどね、これでもUさんとは個人的に仲が良いの。現在冷戦状態のウズクチョと再び戦争を起こさないように月に1回両国で話し合いをするんだけど………その際にUさんも参加されて………よくウズクチョでのお話をお窺いしていたの。その中には貴方の話もあった。だから貴方の事を個人的に知っていた………という訳なの」
どうやらスプリングは月に1度Uと対面する機会があるらしく、それこそがハルを知っていた理由であった。それを聞いたハルは一旦の疑問が晴れ………
「………分かりました、ではお話致します。私のこれまでの顛末を」
そう言って、スプリングにウズクチョでの約4ヶ月の事を話し始めるのであった………
ハルの事を知っていたスプリングはどうやらUとは直接の知り合いで彼から情報を貰っていた為に初対面から知っていた側としての動きを見せていた。ハル自身に疑念は残りつつも、これによって互いに対話を始めるきっかけとなったのだった………
To Be Continued………
次回予告
数十分に渡り、スプリングにこれまでのウズクチョでの生活の話を行うハル。それを聞いたスプリングはそんなハルの境遇に心から同情する様子を見せた事で、ハルに困惑の感情を抱かせるのだった………
次回「暗い境遇への同情」