スプリングから教わったマニュアル式の詠唱を成功させ、その恩恵とメリットを身を持って知るハル。そしてその中でスプリングはハルの魔法は持続時間が短い事を見抜くのだった………
スプリングの言葉を聞いたハルは能力上の制約である事について、首を傾げながら疑問を感じていた。
「人間の能力者は確かに普通の人間と比較すると優れている要素も多いけれど、能力とは本来普通の人間では身に余る力である事も多いし、時には身体を崩壊させかねないものもある。だからこれを安全に成立させる都合で制約が無意識的に課される事もあるの。ハルくんの魔法時間の持続が短いのも魔法を直接付与するという常人離れした行為を成立させる為の差し引きだと思うわ」
スプリングはこの仕様について、使用者の身体を壊さずに能力を成立させる為の要素である事を口にした。
「つまり………能力を使う上では拭えないデメリットって事でしょうか………?」
ハルは首を傾げながらこのデメリットについて問いかける。
「でも悪い事ばかりじゃないわよ? 能力者のポテンシャルを引き出す為の指標になる事もあるし、身体が自壊してしまったら元も子も無い………それに、そういう制約が自身の力に代わる反動となっている事も多いから………今はまだ焦らず、自分の力を自覚する所から始めてもいいのよ」
スプリングはこれについて何も悪い事だけでは無い事を説明する。それを聞いたハルは少し考える様子を見せると………
「スプリングさんはこういう問題に苦しんだ事はありませんでしたか?」
そう言ってスプリング本人に能力の代償などで苦しんだ経験は無いか問いかけた。
「私? ………私は能力を持ってないから苦しむも何も無いのよ………言うなれば後天的にも身に付けられる魔法だけで1級に登り詰めたの」
だがスプリングはそもそも能力を持っていない事を明かした。
「えっ………!?」
これにはハルも驚きの声を漏らした。
「そもそもの話、能力と魔法………この2つの才を持つ子はかなり稀なの。どっちも使えるって子は沢山いるけど、どちらも戦術に組み込む実力や腕を持っている子は私も見た事は無いの。だから貴方は今の自分に大きく苦しむ必要は無いわ。貴方の魔法と能力、この2つを組み合わせられる実力は………間違いなく貴方の武器になるわ」
その中でスプリングは魔法と能力をどちらも戦術に転用出来る才は極めて稀である事を口にする。それを聞いたハルはハッとさせられる様子と共に、少し考え込む様子を見せたのだった………
自身の能力のデメリットに気づかされたハルだったが、何もそれはマイナスだけでは無い事を知る結果となった。そしてこの話は後にハルの成長へ大きく影響する事となったのであった………
To Be Continued………
次回予告
ハルが自分の戦術を磨き続ける中、レボナガシにウズクチョの人間が会談の為に訪れる事となった。その中でハルは衝撃的な再会を果たすのだった………
次回「亡命先での再会」