スプリングから能力上の制約について教えられるハルだったが、これがただ悪い要素では無い事も説明される。それを聞いたハルは自身の持つ力について今一度考える様子を見せたのだった………
それから数日。城の敷地内の庭にて1人鍛錬を続けるハル。その様子を近くでスプリングが見ていたのだが、スプリングは敢えて口を出さずに微笑ましそうな様子で彼を見ていた。そんな中、城の方から数名の兵士とどこか高そうに見えるスーツの男3人。そして魔法使いと思わしき女性が城の中へと入ってきた。
「(………人?)」
ハルは振るっていた剣を鞘へしまい、邪魔にならないように脇へ避ける。
「………スプリングさん、あの方々は………?」
それと同時に目の前の人物達についてスプリングに問いかけた。
「………今日はウズクチョから会談の為にレボナガシへいらっしゃったみたい。私も後で参加はするんだけど、陛下からギリギリまで貴方の育成に時間を使って良いと許可を頂いてたからここにいたの」
スプリングはこの日ウズクチョとレボナガシの会談がある事を口にし、その為の入国である事を口にした。そしてウズクチョの人間側がスプリングの姿に気付き、挨拶をしようとしたその直後の事だった。
「スプリング=セント様、ご無沙汰しておりま………っ!? ハル!?」
魔法使いの女性はスプリングに挨拶をしようとしたタイミングで、彼女の隣にハルがいる事に気付いた。そしてハルもその女性の顔を見るや、驚いた表情を見せる。何故なら………
「………メ、メイルさん………!?」
その女性がメイルだと気付いてしまった為だ。そう、この日会談に参加する人間の1人としてこの時メイルはレボナガシを訪れたのだ。そして近くにいた高そうなスーツの男1人は身構え剣を抜いた。
「メイル様、お下がりを!!」
そう言って独断で剣を抜きハルへ敵意を向けていた。
「待ってください、何の騒ぎです………?」
スプリングはスーツの男の行動に首を傾げながら問いかける。
「コイツは………我が国の王女殿下ミア様を攫おうとした犯人の共犯者なのです! 我が国では指名手配犯です!!」
スーツの男はハルがウズクチョでは指名手配犯である事を指摘し、敵意を向けていた。
「(指名手配犯………そうか、流石に時間も経てばそれで定着するか………)」
ハルは自分が既にウズクチョでは指名手配犯扱いである事を知るが、そこまで違和感は感じていなかった。そしてスーツの男が攻撃をしようとしたその瞬間、スプリングは身体に魔力を纏わせると………
「ハルくんが………ね。貴方達の国で何をしたかはよく存じませんが………我が国で許可無く殺人するのは重罪………死に値しますよ………?」
そう言って、脅しをかける様子を見せたのだった………
ウズクチョの人間、特にメイルと衝撃的な再会を果たすハル。ウズクチョ側にとって指名手配犯扱いのハルに殺意を向ける者もいる中でそんな彼を殺す事を良しとしないスプリング。果たして、この一触即発の空気はどのように転んでいくのか………?
To Be Continued………
次回予告
一触即発の空気の中、スーツの男がハルを殺そうとメイルの静止を振り払って動き出してしまった。だがそれはスプリングの怒りを買うだけに収まらない事態であった………
次回「対峙の火種」