戦争の危機に陥った事でハルの指名手配を取り下げる方針へ転換するウズクチョ陣営。だがヒャガ公爵はそれを利用するかのようにメイルへハルの殺害命令を依頼するのだった………
ヒャガ公爵の依頼を聞いたメイルは困惑の声を漏らした。
「何を仰っているのですかヒャガ公爵………そんな事をしてレボナガシと戦争になったらどうするおつもりですか!?」
メイルは国家間での争いのリスクを感じてしまい、異を唱えた。
「なに大丈夫だ。私の方からもサポート役を出す。いざと言う時の身代わりもね」
ヒャガ公爵はその為の策を用意したと言わんばかりの様子でメイルに安心しろと言いたげな様子だった。
「………どうしてそんなにハルを殺したいんですか」
だがメイルはヒャガ公爵がハルに執着する理由を理解出来ずそのように問いかけた。
「悪いがこれ以上は君には話せない………それに君が受けないと言うならそれは勝手だが………君のお父上がどうなるか分からないけれどね………」
だがヒャガ公爵はこれ以上の回答をはぐらかし、剰え受けないのであればメイルの父を使った脅しをかけてきた。
「っ!? ………お父様をどうしようと言うのですか………!?」
メイルもこれには困惑しながら声を漏らした。
「何、殺しはしないよ。ただ、出世が出来なくなるようにするだけだからね」
ヒャガ公爵はメイルがこれを受けなかった場合、彼女の父を失脚させる事を口にする。
「(………これを受けなかったらお父様が………!)」
メイルは苦しい選択を迫られていた。ヒャガ公爵からの脅しを聞いたメイルは………
「わかり………ました………」
結果としてヒャガ公爵の依頼を引き受ける事を決めた。
「………ありがとうメイルくん、なに、君が不利にならないように上手く立ち回るよ………(1級の手駒を失うのは惜しいからね………)」
ヒャガ公爵は自身の中の思惑を密かに考えつつもメイルが依頼を引き受けた事に取り敢えず感謝する言葉をかけたのだった………
だがこの光景を扉越しで聞いている人間が1人いた。その人物は先程の会議では見られなかった男性であり、背中に槍を背負っていた。
「(………あのクソ公爵め。メラズ様の嫌な予感は的中したと言う訳だ………)」
その人物はメラズ公爵から要請されて見に来たのか、今回の事態に憤りを感じる様子を見せていた。そして、外側の窓越しに空中で会話を聞いている人物………Uも今回の会話を聞いており………
「(厄介な事をしてくれたな………これじゃあメイルは一生エオル=ヒャガに脅されて生きる羽目になる………正直今の政治に介入する気は無かったが………これじゃあメリルが浮かばれない………仕方無い、彼女に頼んで強硬策に出るとするかね………)」
今回のヒャガ公爵の行動に苛立ちを覚えたのか、彼自身もまた行動を行おうとしていたのだった………
ヒャガ公爵に脅されハル殺害の依頼を受けざるを得なくなってしまったメイル。そしてそれに憤りと苛立ちを覚える者も現れていた。この事態は後に大きな変化を生み出す事となり、これはその序章となったのであった………
To Be Continued………
次回予告
ハルの指名手配取り下げ期限が残り3日を切ろうとする中、メイルは覚悟を決めてレボナガシへと突入。修行中のハルの元へ現れ任務を全うしようとするものの、かつて共に過ごした日々はメイルの中で大きな揺さぶりとなっていたのだった………
次回「メイルの慟哭」