ヒャガ公爵はメイルの父を失脚させる脅しをかけ、彼女へ強引に依頼を引き受けさせる。だがそれを聞いた2人の人物へ新たな変化を与えたのだった………
ハル指名手配の取り下げ猶予から残り3日が過ぎようとする中、ハルはレボナガシ付近へ出て、変わらず鍛錬を続けていた。
「(………猶予は残り3日。そろそろウズクチョ側の答えが出てきそうなものだが………)」
ハルはそんな事を考えながら剣を振り回していた。そんな中、ハルへ近づいてくる足音が聞こえた。ハルは足音の方へ視線を向けると、そこには杖を持ったメイルが立っていた。
「………メイルさん」
ハルはメイルの姿を前に彼女の名を呟いた。メイルは左手で震わせながら握り拳を作ると………
「………ごめんね。私は貴方を殺さなければならないらしいの」
そう言って杖の頭部に魔力を集束させる。それを聞いたハルは………
「それは………貴方の願いですか?」
それがメイルの本心か問いかけた。それを聞いたメイルは手が震えながらも手に持った杖の魔力を更に増やしていく。
「願いじゃないって言ったら………私は貴方を殺さなくて済むと思う………?」
メイルはそう言って、脅されてやるしかない事を暗に示唆する言葉をかけた。それを聞いたハルは………
「思いませんね。だって、俺の知るメイルさんは俺を殺す利点を知りませんから」
そう言って、メイルのことを見透かすようにそう呟いた。
「………私は損得で人を殺す人間じゃないわよ」
メイルは否定するようにそう言い放つ。
「ならなんで………そんな苦しそうなんですか」
だがハルはそれに上乗せするように指摘する。それを聞いたメイルは抑えていた気持ちが耐えられなくなったのか、目から涙を零し始めた。
「じゃあ………貴方が私を救ってくれるの!? 今様々なものへ板挟みにされる私を救えるって言えるの!?」
メイルは自身の感情を抑えきれない様子で涙した。それを聞いたハルは………
「………それがメイルさんの悩みなんですね………」
そう言って、メイルには自分を殺さなければならない何かが起きた事を悟った。だがその直後、自身の真上………天空から雷が落ちてくるのを目の当たりにする。
「(雷………!?)」
ハルは咄嗟にこれをかわす。そして、ハルはこの一瞬に感じ取った魔力の残穢を辿り………
「………メイルさん以外にもいるんでしょう、俺を討つ為の刺客は………!」
そう言って、自分を狙ってきた存在を指摘する。その言葉の後、近くの木の影からローブを身に纏った魔法使いらしき女性が姿を見せたのだった………
ハルを討つ為の刺客として現れたメイルの慟哭と、それに続くもう1人の伏兵の姿。果たして、ハルはこの2つの刺客を前にどう戦う道を取るのか………?
To Be Continued………
次回予告
ハルを殺そうとする魔法使いは雷の魔法を駆使して攻撃を仕掛けようとするが、ハルに尽くかわされる。だが彼女はハルへ攻撃を当てる為の策を持ち込むのだった………
次回「手段を選ばない雷」