幻想魔戦史録   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
ウズクチョへ帰還したハルとメイルの前へ突如としてUを名乗る白髪の男が現れる。彼はハルが能力者である事を見抜く様子を見せる中、ハル自身もまたUに対して自身の能力を開示する。しかし、メイルはハルの説明に疑問を覚えたのだった………


第4話 真の能力

ハルの能力を聞き、Uは再びハルの剣へ視線を向ける。だがハルの視線がUへ鋭く向けられているのを察すると………

 

「………失礼した。多分僕自身はこの場にいても邪魔なだけだろうね。今日はここでお暇させてもらうよ」

 

そう言って、ハルに警戒されていると考え部屋を後にした。少ししてハルは落ち着くように溜息を漏らすが、メイルの首を傾げる様子を見て………

 

「………俺の能力の事について気になりますよね」

 

メイルの心の内を見透かす様にそう呟いた。

 

「えっ………!? いや、そういう訳じゃないんだけどね………!?」

 

メイルは慌てた様子を見せるが、ハルはフッと笑いを零すと………

 

「俺の能力、あの人には少し嘘をついて説明しました。多分メイルさんも薄々気付いている筈です。俺の攻撃の残穢はあの森に散乱していた。その時に俺は明らかに炎以外の魔力も使った形跡を残しました。俺はメイルさんを信用出来る人間として考えた上で貴方には開示します。俺の本当の能力を………」

 

そう言って、Uに対して能力開示時に嘘をついていた事を明かす。そして、自身の剣の柄を優しく撫でると………

 

「………俺の本当の能力は、俺か俺に触れた者へダイレクトに魔法を付与する能力………『直接魔法付与(ダイレクトマジックエンチャント)』です」

 

ハルが持つ本来の能力を明かした。

 

「直接の魔法付与………?」

 

メイルは困惑しながらその詳細を問いかける。

 

「普通の魔法は身体の外側へ付与する形になりますが、俺の場合は直接俺の掌に触れた人間の内側に魔法の効力が適用されます。普通の付与も出来ますが直接の付与は更に強力なものとなります。例えば俺がメイルさんに回復魔法のヒールを適用すれば普段の倍以上の効力や、局所的なダメージなども回復できます。尤も、魔法は使い手の手元を離れた途端に魔力のエネルギーが風船のように抜けます。俺の場合はその半分のスピードで消えてしまうので持続性が薄いのが弱点です。自分への付与なら絶え間なくかけられるのですがね………」

 

ハルは自身の能力について事細かに説明する。それを聞いたメイルは、森に残っていた魔力の残穢に炎以外の魔力が宿っていた理由へ納得し………

 

「だから他の魔力の残穢が宿っていたのね」

 

ハルの能力を理解するに至った。

 

「………けどあのU様って方には見透かされているかもしれませんね………」

 

だがハル自身は自分の能力をUに見抜かれた可能性を読んでいた。

 

「U様が………? どうしてそう思ったの………?」

 

メイルはハルの言葉に再び首を傾げる。

 

「立ち姿や身体から微かに漏れ出るエネルギーを見て一発で気付きました………多分俺なんかよりずっと強くて、魔力の残穢も見分けてたと思います………そうじゃなきゃ能力を聞いた後にあんなに考え込みはしません。俺が炎の剣使いだと誤認してくれた人達は割とすぐこの話題から離れますしね」

 

ハルはUの様子からそのように考えていた。メイルはこの事に首を傾げ、さっぱり分からんと言わんばかりの様子を見せるのだった………

 

 

 

そして、廊下を歩いていたUはハルの能力について考えており………

 

「(あの説明は間違いなくブラフだ。剣から漏れてた魔力を見て1発で分かった。多分メイルを困らせない為の方便かな………)」

 

ハルの予想通り、彼の能力の説明を嘘と見抜く様子を見せていたのだった………

 

 

 

メイルに明かされるハルの真の能力。そんなハルの力が遺憾無く発揮されるのはもう少し先の話である………

To Be Continued………




次回予告
ハルはメイルへ正式に仕える事となり、メイルの仕事の秘書見習いとなった。しかし、ハルは物覚えが良く、メイルの仕事の負担をいきなり減らしてしまう活躍を見せるのだった………
次回「物覚えの良い青年」
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