セリィのスピードを前に、パワーだけの雷の力では対抗が出来ない状況へ追い込まれる。だがメイルの何気無い一言で、ハルは対抗策を思い付く様子を見せたのだった………
ハルは身体を起こすと共に深呼吸をすると、肥大化していた両手の力を抜く。これにより、彼の腕は普通のサイズの篭手となり、色も黒へと戻った。
「(鎧の色が黒………ブランクに戻った?)」
セリィはハルの腕が元に戻った事からそのように感じていた。そしてハルは両足にエネルギーを集中させる。これにより、彼の両足の鎧は黄色へと変色。同時に足元には雷が走っており、ハルも苦痛を感じる様子を一瞬見せたが………
「ふうっ………」
再び深呼吸を行い、大きく集中すると共に足を前へ踏み出す。すると彼の身体は雷のように素早い動きとなり、斧を手にしたセリィへ接近する。
「ぐっ!? (動きが速くなった!?)」
ハルのスピードが一気に上がった事へ困惑するセリィ。咄嗟に手に持った斧でハルのパンチを防いだが、ハルは距離を取ると同時に先程取り落とした剣を拾うと、再びセリィへ接近する。
「ならこっちも同じ手を使うだけ………!」
そしてセリィも目の色とエネルギーの色を青へ戻し、剣の形へと戻った魔剣を手にハルの接近をかわした………と思いきや、ハルはすぐ切り返しセリィへ接近し剣を振るう。
「(私より速い………!)」
セリィは反射的に魔剣でハルの攻撃を防いだが、セリィはこの僅かな時間で今のハルの方が素早い事に気付いた。
「今度はハルの方がスピードで勝ってる………!?」
メイルは目の前の高速バトルを前に追い付けず困惑していた。だがハルの方がスピードで優れている事には目に見えて明らかなのは彼女でも分かった。
「………やるね。さっきまでパワーだけだと思っていたけど、そのスピードは貴方の戦術にも合ってる。やっぱり主様の目に狂いは無かった………」
ハルの様子を見たセリィは、彼が自身の主の見込み通りである事に喜んでいた。
「(またこの子の主様の話………いったいこの子の主様って何者なの………? ウズクチョの人間じゃないのにハルや私の事を知ってるみたいだし………)」
一方でメイルは困惑していた。何故セリィがハルとセリィの事を知っているのか、メイルにとっては不思議でしか無かった。その一方でハルは剣を構えると………
「(スピード同士の対決ならこっちに分があるみたいだ………でもさっきまで有り余っていた両腕のパワーは落ちている………気を付けないと………)」
今の自身ならスピードで勝てると理解しつつも、パワーが先程より落ちている事に注意する様子を見せたのだった………
ハルは雷の力を足へ集中させる事でセリィすら上回るスピードを獲得するハル。だがハルが自覚するようにパワーも落ちている事実が起きていた。果たして、今のハルはセリィへ勝つ事が出来るのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
ハルとセリィの対決は高速移動を中心とした対決へと移行するが、今度はパワーが足りず決定打を失う状況となっていた。そこでハルは自身の負担を承知で反撃の策を構築するのだった………
次回「スピードとパワー」