Uが去った後、ハルは自身の本当の能力をメイルへ開示する。だが嘘の開示をされたUもまた、ハルの説明が嘘である事には気付く様子を見せたのだった………
それから数日、ハルはメイルへ正式に仕える事となり、メイルの傍で働く事となった。メイル自身がハルへ興味を持った事もあり、ハル自身は秘書として行動を共にする事となったが………
「メイルさん、こちらの仕事終わりました」
ハルは仕事を教えられた後の物覚えが異常に早く、仕え始めてから間もなくメイルの仕事の三分の一を担う程となってしまっていた。
「え、ええ………ありがとう………」
メイルは困惑しながらも感謝の言葉を返す。だが………
「(この子、物覚えがあまりにも良すぎじゃないかしら………?)」
メイル本人も物覚えが良すぎる彼に困惑していた。そしてハル自身が困る様子も特に見られず、仕事の内容を目の当たりにし、メイルが簡単に説明するだけでそれを呑み込んではメイルの期待以上の仕事を残す事となっていた。
「(数字も間違ってないし………とても助かると言えばそうなんだけど………子供っぽくもないというか………)」
メイル本人は仕事面で助けられてこそいたものの、歳相応の振る舞いをハルが見せないせいで酷く困惑していた。
「………メイルさん? 大丈夫ですか?」
ハルはメイルの様子に首を傾げながら問いかけるが、メイル本人は直ぐに我へ返ると………
「え、ええ………! 大丈夫」
そう言って、自身は大丈夫であると語った。
「………? なら良いのですが………」
ハル本人は冷静な様子でそう呟くが、メイル本人の様子にはハルも大きな疑問を感じていた。
「(やばっ………! この子に余計な負担はかけちゃダメよ………! 私の方が歳上、お姉さんなんだから………!)」
メイル本人はハルに自身の困惑を悟られた事に慌て、平常心を装う様子を見せるのだった………
そして、それから1ヶ月も経った頃にはハル自身の仕事の動きは更に増していき、気が付いた時にはメイルの仕事の半分以上を請け負っている程だった。
「メイルさん、こちら確認お願いします」
ハル本人はこの1ヶ月、特に不平や不満も漏らしておらず、本人自体はただ黙々と仕事をこなすばかりであった。
「え、ええ………ありがとう」
一方でメイル本人は平静を装えず、困惑を見せる場面が増えていた。そんな彼女の様子を見たハルは………
「(………メイルさん、最近は元気が無いな………どうしたものか………)」
メイルを元気づける為に何が出来ないか模索する様子を見せるのだった………
メイルの元で働くようになったハルは、活躍を見せ続けていたが、メイルの困惑は増えていくばかりだった。そんな彼女の様子に、ハルは不安な様子を見せ続けるのであった………
To Be Continued………
次回予告
気分転換でメイルと特訓をする事となったハル。メイルはハルの実力を見定めるべく、彼と模擬戦闘を提案。ハルはこれを了承し、1級魔法使いとの対決に挑むのだった………
次回「気分転換の模擬戦闘」