圧倒的なスピードを得たハルだが、代償としてパワーが落ち、今度は決定力を失う事態となった。そこでハルはパワーとスピードを切り替えて戦うが、同様にハルの消耗も激しいものとなっていたのだった………
ハルは素早い動きで近くに刺しておいた剣を抜き取り接近する。そして、魔法剣を搦手として使いつつ、本命のパワーによる攻撃を狙う事を彼は考えていた。
「(まともに戦ってたら不利なのはこっち………でもあの力もタダでは済まないのは目に見えた事………ならこの場面は………逃げ切る!)」
そしてセリィは目の色とオーラを青へ戻しつつ、ハルの様子を見て考えを巡らせていた。そして、魔剣が斧から剣へと変化したタイミングでこの場で逃げ切る事を考えていた。
「………はあっ!」
セリィは目にも止まらぬ高速移動で動き出し、ハルから距離を取ろうとする。
「(距離を取る気か………!)」
ハルも高速移動で接近するが、セリィはそれを見越したようにエネルギーを集束させると………
「{フラッシュストライク}!」
広範囲に地面を走る光の斬撃を放つ。回避が厳しいと判断したハルは咄嗟に両足の雷のエネルギーを両手に集束させ、両足の鎧が黒、篭手が黄色となったタイミングで彼の拳が肥大化し………
「{ライジングスマッシャー}!!」
ハル渾身のパンチは光の斬撃を貫くが、セリィはハルの死角から彼の背後へ回っており………
「………さっきのはブラフ」
そういうと共に、再び光の斬撃を彼の身体へ叩き込んだ。
「ぐっ!?」
鎧の防御力により、ダメージは最小限に留められる………
「ぐっ!? があっ!?」
だがその直後、ハルの身体に限界が到達し、彼は地面へ倒れる。その直後に鎧も消滅し、肥大化していた両腕も元に戻った。
「ハル!!」
メイルは地面へ倒れたハルの傍へ慌てて駆け寄った。セリィも対決が終わったと同時に腰へ携えられた鞘へ魔剣を収めた。そして勝負自体はセリィの勝ちだが、セリィは一瞬立ち眩みを起こすように身体をふらつかせた。
「(………かなり疲れさせられた………彼、私の想定以上の強さを持っている………もし彼の変身に時間制限が無かったら………負けてたのは私だったかも………)」
セリィはハルの想定以上の実力と、下手をすれば負けていたのは自分だったと感じさせられる程に彼の実力を高く感じていた。そしてセリィはハルへ背を向けると………
「………凄かったよ、ハルくん」
そう言って、ハルを賞賛するように彼を立ち去るのだった………
ハルvsセリィの対決は、ハル側が力尽きる形で決着が着いた。だがこの対決はセリィにとっても彼を認識する想定外のプラスとなり、ハル側に取っても新たな課題を見出す結果となったのだった………
To Be Continued………
次回予告
セリィに敗れたハルは自身の強化と共に、雷の力への理解が必要である事を課題に挙げる。一方でメイルはハルやセリィの強さの次元の違いに言葉を失うのだった………
次回「新たな立ち上がり」