ハルvsセリィの対決は、ハル側の雷の力の負担が持たずセリィの勝利に終わった。だがセリィは一歩間違えれば負けていた事を予感し、ハルの事を賞賛するのであった………
そしてセリィとの対決から数時間が経った頃、ハルは城の中で休息を取っていた。
「ふうっ………」
ハルは紅茶を口にしながら落ち着いた様子を見せる。
「ハル、身体の方は大丈夫なの………?」
メイルは心配と共にハルへそう問いかける。
「さっきまでは身体が疲れ切っていましたが………今は落ち着きました………それに、俺の事を心配してくださってありがとうございます」
ハルは笑顔を見せながら自分を心配してくれていたメイルへ感謝の言葉を述べた。
「そう………でも心配なんだからね………! 幾ら強い貴方でも今回みたいに貴方と互角以上の相手が出てきたらと思うと………ヒヤヒヤするわ………」
メイルは一旦ハルの体力については納得しつつも、ハルの事が心配である本音を語った。
「そうですね………それに、今回のセリィと名乗る子………彼女がウズクチョ側の人間じゃないのはメイルさんの様子から理解出来ましたが………明確に俺達の味方と言えるかは怪しいですね………また今後どこかでぶつかる事になるかもしれません………」
ハルはそれに頷くと共に、セリィの立場と今後の対峙を危惧する様子を見せた。
「あの子、1級魔法使いの目線から見てもかなり強いわよ………?」
メイルは自分の視点からでもセリィはとてつもなく強い事を口にする。
「能力を切り替えて戦う………人間とは思えない特性を持ちながらも、ウズクチョからメイルさんのご両親を攫うというつするにウズクチョ側にまるでメリットがない行為………いったい彼女は………?」
ハルはセリィの立ち位置や出自がまるで分からず首を傾げていた。
「………スプリング様にも聞いてみる? 例えあの子そのものを知らなくても、複数の能力を操れる人間について何か知ってそうであればヒントになるだろうし………」
メイルはスプリングから有益な情報が得られないか提案する様子を見せた。
「そうですね………それに、俺はもう少し雷の力について理解を進めようと思ってます………あの時は咄嗟にスピード形態になる事が出来ましたが………果たして、雷の力はパワーとスピードだけで終わりなのか………それを調べてみます」
一方でハルは自分の雷の力を理解する事の必要性を口にした。それを聞いたメイルは………
「………私には最早次元が分からないわ………」
思わず言葉を失うような本音を語るのだった………
その頃、セリィはどこかの森林地帯を歩いていた。
「………目的は果たしたみたいだね、セリィ」
そんな中、彼女を知る人物の声が聞こえた。セリィは声の聞こえた方へ視線を向けると、そこには黒いコートを羽織り、外付けのフードを被り、フードから白髪が僅かに飛び出している男性が立っていた。
「主様………!」
セリィは笑顔を見せると共に、男へ駆け寄る。男はアイスを取り出すとこれをセリィへ渡した。
「ありがとうございます………!」
セリィはとても嬉しそうな様子でアイスを手に取り、これを舐めていた。
「………勢力は三分割。ウズクチョ陣営、レボナガシ陣営、そしてセリィ………事態は目まぐるしくなってしまった………さて、僕はこの世界………誰の味方でいればいいんだかね」
男は空を見上げながらそう呟いた。その直後近くから足音が聞こえると、足音の聞こえる方から長い金髪の女性が男性の方へ近づいてきていた。
「あなたは自分の信じる者の味方でいいんですよ」
金髪の女性はそう言って男性に対する想いへヒントを口にする。それを聞いた男性はフードの下でフッと笑いを零すと………
「………やっぱそう思うよね………春香」
金髪の女性の名を呟きながら嬉しそうな様子を見せるのだった………
ハル達が今後セリィの謎と雷の力について追う中、セリィの主と思わしき人物はこの状況をどこか遠い視点で見ていた。そして、ハル達の知らない所で運命の歯車は既に大きく回っていたのだった………
To Be Continued………
次回予告
セリィとの対決から数日。ハルとメイルは特訓に時間を割いていた。だがそんな彼等の前にウズクチョ側の1級能力者アイル=ディビルが現れたのだった………
次回「波乱の対峙」