ハル達は、第三勢力と言えるセリィについてと、ハルの雷の力について調査を進める方針を決める。その一方でセリィの主と思わしき人物は、ハル達とウズクチョ側の対峙を、別の視点から見ていたのだった………
セリィとの対決から数日が経った頃、ハル達はウズクチョとレボナガシの国境に近い地域で特訓をしていた。メイルはハルの雷の力の様子を少し離れた位置で見ていたが、ハルが雷の力を解禁した後のスピードは、1級魔法使いのメイルすら視認困難なものであり………
「どうですか、メイルさん?」
ハルが一旦雷の力を解除し、メイルに意見を聞こうとしたところ………
「………速すぎてよく分からなかったわ………」
メイルからはお手上げ宣言のようにその言葉が帰ってきた。
「1級から見ても速いと言わせしめるスピードがあるのは分かりましたが………それだけではセリィという子には短期決戦をしないと勝てない状態になってしまいますね………」
この時点のハルは自身の雷の力について、パワーとスピードへ理解を示していた。だが本人の中ではこれで雷の力が全てとは思っていなかったのか、どこかモヤモヤする様子を見せていた。
「(ハルの向上心は恐ろしいくらいに高いものね………)」
そして、その様子を見ていたメイルはハルの向上心の高さに驚かされていた………がその直後、メイルは近くから足音が聞こえたのを耳にする。
「………誰か来てるわ」
メイルは背負っていた杖を手に取るとそのまま身構えた。ハルも腰に携えた剣へ手を伸ばす。
「………久しぶりだな………レミール」
足音の聞こえた方からは男性の姿が現れる。メイルはその人物を見て驚く様子を見せると………
「アイル様………!」
その人物の名をどこか動揺するように呼んだ。
「(アイル………? ………確か、ウズクチョの1級能力者か………!)」
ハルは目の前にいる人物がウズクチョの1級能力者である事を察知する。そして、アイルもまたハルの様子に気付くと………
「………そこにいるのはあの時の小僧か。よく生きていたな」
そう言って、ハルに対してどこか皮肉混じりな言葉をかけた。尤もハルは特に表情を変えずに無言を貫いていたが………
「………ご用件はなんですか」
メイルはアイルに対して、彼自身の目的を問いかけた。
「………レミール、お前のご両親が先日何者かによって誘拐されてしまった。俺は、お前と協力関係を結びたくてここに来た」
アイルは先のメイルの両親がセリィによって誘拐されてしまった件の協力関係を結びたい目的を明かした。
「協力関係ですって………!?」
それを聞いたメイルは動揺するように言葉を返すのだった………
雷の力への新たな理解を得ようとする中、突如ハル達の前へ現れるアイル=ディビル。果たして、彼の申し出にハル達はどう答えるのか………?
To Be Continued………
次回予告
アイルが共闘の申し出をするものの、メイルは今のウズクチョを信用出来ない本音を明かす。それを聞いたアイルはハルに影響を受けたせいかと考え、彼を試すと言わんばかりに戦闘を申し出るのだった………
次回「ウズクチョへの不信感」