第3の能力を解禁したハルは空中からの奇襲でアイルを圧倒する強さを見せる。だがその中で突如として人型の魔物が奇襲し、ハルとアイルは休戦。アイルが魔物との対決を引き受けるのだった………
アイルは槍を構え直すと、足元の水のエネルギーを更に加速させる。魔物が勢い任せに殴りかかってくる中、アイルはこれを回避し、ノールックで魔物の背中に槍を突き刺した。
「グアアア!?」
魔物は動揺するように悲鳴をあげる。そしてアイルはそのまま足元のエネルギーを広げると………
「ハル、貴様へ教えてやる。1級魔法使いのハードルが何故高いのか………」
そう言ってアイルは自身を起点にエネルギーを展開し………
「………能力解放{水の領域(ウォーターリジョン)}」
周囲を覆う程の水のエネルギーによる結界を構築した。魔物は自身の周囲に広がるフィールドに困惑しており、少しして魔物は足元を取られてしまったかのように動けない様子を見せた。
「(あの空間………もしかしてアイル様の能力をフィールド内の敵に強制する効力を持っているのか………!)」
ハルは外側からアイルの能力解放による効力を目にする。魔物は姿勢を崩して動けない中、アイルは魔物の身体から槍を抜き、姿勢を崩すこと無く魔物の正面へ回り込むと………
「{アクアヘルタイフーン}!!」
水のエネルギーと素早い槍捌きで巨大な水流を発生させる。魔物は水に飲み込まれると共に目にも止まらない身体中への素早い斬撃で跡形もなくバラバラとなった。
「………流石の強さね」
これには同じ1級のメイルもアイルの実力の高さに驚かされていた。少ししてアイルは結界を解除すると………
「………邪魔が入って興が冷めた。今回は引かせてもらう」
そう言ってその場から立ち去ろうとする。
「待ってください」
そんな中、ハルは突如としてアイルを呼び止めた。
「………なんだ?」
アイルは足を止め、ハルの言葉へ反応する。
「何故先程の俺との対決では能力解放を使わなかったんですか?」
ハルの疑問は先の戦いでアイルが能力解放を使わなかった事だった。アイルは少し考える様子を見せると………
「………雷を水に流し込んだらどうなると思う? ………そういう事だ」
答えを直接口にせず、敢えて濁した言い方をする。それを聞いたハルはその答えを察し………
「能力の相性………」
メイルはその答えを口にした。アイルはフッと笑いを零すと………
「俺はあまり相手を認めたくないのだがな………貴様の事、少しは認めてやる………もしかすれば能力解放や極大魔法の域に登ってくるかもな」
そう言ってハルへ期待するようにその場を去るのだった………
ハルvsアイルの対決は魔物の介入でお預けとなりながらも、アイルはハルへ期待を向けていた。そして、ハルの中で目覚めた雷の力、第3の力。果たして、ハルはアイルの期待する域まで強さを得るのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
アイルとの激闘を乗り越えたハルだが、突如として現れた魔物に対して疑問を抱いていた。ハルが疑問を抱く中、ハル達の前に有り得ないはずの人物が現れたのだった………
次回「死んだはずの人間」