スプリングは春香がいた事について反応が無かった事を理由に否定する様子を見せる。ハルは容姿が春香と似ている事から繋がりについて問いかけるものの、スプリングは髪の地毛が違う事を指摘し、明確に否定するのであった………
ハル達との対話から1日経ち、スプリングは再び出張の名目で外に出ていた。スプリングがいるのはレボナガシ領土内の山脈地帯であり、スプリングはその中の洞窟の1つへ足を踏み入れた。
「………最近忙しいのに苦労をかけさせてすまないな」
そんな中、洞窟の中から男性の声が聞こえた。
「Uさん、お疲れ様です」
スプリングは声の主へ視線を向ける。そこには白髪の男Uが立っていた。
「悪いな、忙しい中で。でもコイツを駆除するのに僕のエネルギー反応を残す訳には行かなくてな」
Uはそう言うと共に右手の指先を洞窟の方へ向ける。そこには魔物溜まりがあり、小型の魔物数百体と大柄の魔物が立っていた。
「私の反応も残るんですが? 幾らスプリング=セントとして振る舞っても魔力反応を完全に誤魔化す真似は出来ません………恐らくいつかバレます」
スプリングはそう言って、自身の反応が残る事にも苦言を呈した。
「大丈夫大丈夫、なんとかなるさ」
しかしUは呑気な様子でそうボヤいた。
「まあ、Uさんのお願いを断るつもりはありませんけどね………」
だがスプリング本人も満更では無いのか長い髪の毛を掻き上げる。すると彼女の髪の色が徐々に白く変色し、ハル達の前に現れた魔法使い………白宮春香の姿となった。
「流石僕の奥さん、頼りになる」
Uは嬉しそうな様子でそう呟いた。
「………今度、Uさんの事なでなでさせてくださいね」
春香は軽口を呟きつつ無から杖を生成し、全身から膨大な魔力を放出する。魔物達は目の前にいる魔法使いの反応に驚いていたが………その中の1体、大柄の魔物は春香に向かって襲いかかってきた。だが春香は小声で魔法の詠唱をしながらそのまま杖を掲げると………
「………{メテオストライク}!!」
天井を突き破る形で降り注ぐ膨大な隕石が大柄の魔物を一瞬で消滅させるばかりか、周囲にいた魔物数百体も纏めて粉砕してみせる破壊力を見せた。これにより魔物溜まりは消滅したが、同時に洞窟の天井も完全に崩壊し、空が見えるようになってしまった。
「相変わらず頼りになるね、君の魔法は」
Uは春香の魔法の強さに関心を向けていた。春香はフッと笑いを零すと………
「約束、守ってくださいね?」
Uに対して先程の軽口の有言実行を求める様子を見せるのだった………
スプリング=セントはハルが感じていた白宮春香と繋がりがあるを通り越し、死んだはずの白宮春香その人であった。だが、何故彼女はスプリング=セントを名乗ってレボナガシへ滞在しているのか? また、ハル達がその事に気付く日は果たしてあるのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
春香が制圧した魔物溜まりの洞窟が崩壊した件でハル達はスプリング達と駆り出される事となった。だがハルはその現場に残っていた膨大な魔力の残穢に対して違和感を感じる様子を見せたのだった………
次回「膨大な魔力の残穢」