ハルは少女に対して対話を求めるが、少女は疲弊している状態で落ち着けずにハルへ当たるが、その言葉でトラウマを想起させられたハルは、過去の境遇と少女の言葉に対する反論を口にするのだった………
ハルの言葉を聞いた少女は動揺を隠せない様子を見せると共に、ハルの事を想定以上に傷付けてしまったと察したのか、罪悪感を感じていた。
「あの………ごめん………なさい………」
少女はハルへ謝罪の言葉をかける。ハルは少し考え込む様子を見せていたが、少しして少女の前へ立ち………
「いや………多分いつかは俺が自分のトラウマを刺激されると思っていたんだ。メイルさん達にすら話していなかったしね………」
そう言って、ハル本人はいつかこうなっていたという様子でそこまで気には止めていなかった。そして………
「………でも少しは落ち着いてくれたはずだ………お願いだ、君に何が起きたのか………それを聞きたい」
ハルは改めて少女との対話を試みる。ハルの心の内を知った少女は、精神的に苦しいのは自分だけでないと理解したのか、少し黙る様子を見せた後………
「………私は、いつも通り学校に行って勉強をする………その為に道を歩いていた中で突然光の柱が現れて………気が付いたらこの世界に来ていたの………ごめん、私が何かをしてここにやって来たとかは………全く無いの………」
自身の身に起きた話をハルへ打ち明ける。だが少女本人も光の柱へ巻き込まれ、しかも光の柱が起きた原理は知らない事を語った。
「………ありがとう、分かった………だったら尚更君は悪くない。突然巻き込まれた被害者だよ」
それを聞いたハルは少女が益々ただ巻き込まれただけの被害者である事を口にした。
「被害者なんて………私は貴方に八つ当たりをしたんだよ………?」
少女は八つ当たりをした罪悪感に駆られていた。だがハルは小さく笑みを見せると………
「別に気にしてなんかないよ。それより、君の事を打ち明けてくれた………それが嬉しくてたまらないんだ」
少女が自身の身の上を明かしてくれた事を喜んでいた。
「それと………君の名前も聞いていいかな? ………俺も名乗っていなかった訳だし………俺はハル、君は………?」
それに続いてハルは少女に対して名を問いかけた。少女は少しして口を開くと………
「瑠美………福野瑠美だよ」
そう言って、自身の名を口にする。
「………そうか、教えてくれてありがとう、ルミちゃん」
ハルはどこか嬉しそうな様子で言葉を返す。それを聞いた少女こと瑠美もまた、この時初めて微笑む様子を見せたのだった………
自らの境遇を明かしたハルは異世界からの少女、瑠美と無事に和解する事が出来た。だが瑠美が転移してきた理由や光の柱の原理については全くの不明であり、未だ分からないものであった。そしてその答えが明らかになるのもまた、ハル達にとってはもう少し先の話であった………
To Be Continued………
次回予告
瑠美と和解し、漸く話し合いへ進む事が出来た中、スプリングは瑠美から感じた莫大な魔力について話をし始める。瑠美は自分に特別な力など無いと反論するが、スプリングの言う通りの手段を取る事で、彼女は自分の中に眠っていた力を自覚する事となった………
次回「莫大な魔力」