メイルの指南で魔力を扱う訓練を始める瑠美。しかし、自身の魔力を解放した途端に大きく吹き飛ばされてしまうメイルはいきなり自分の魔力に振り回される事となってしまうのだった………
それから少し経って瑠美が正気を取り戻した後、メイルの指南によって、瑠美は再び自身の魔力を放出させる。先程の莫大な放出が幸運にもよく働いたか………それが原因かは分からないが、今回はすんなりと魔力の放出に成功した。
「凄い………これが魔力………なんですね………」
瑠美は自身の身体から放出される莫大な魔力に驚かされていた。そしてそれはハル達も同じであり………
「確かに凄い魔力だ………魔法が全く使えない俺でも凄い事が分かる………」
特にこの光景は魔法が全く分からないフェイですら驚かされる程であった。
「しかしメイルさん、これだけ多くの魔力を持っている子が戦いとは無縁にあったとはどういう事なのでしょうかね………俺達にとってはこれだけの魔力を持っている人がいたら即気付きそうなくらいには恐ろしい事だと思いますが………」
だがハルにとってこれはもう1つの疑問を産んだ。それは何故戦いとは無縁の少女がここまで莫大な魔力を保持しているのかについてだった。
「まあそれについてはフェイのように魔力を探知する術がルミの世界にいる人間には無いというのが理由でしょうね。それなら説明はつくし………」
メイルが予想したのは瑠美の莫大な魔力に気付く術を、瑠美の世界の人間が持ち合わせていないという予想であった。
「それに魔力の放出というのは自身の中に魔力があるという自覚を脳と身体が持たなければ引き出せないもの。つまり魔力を持っていても、結果として引き出す為には人間が脳から身体に命令を出すのと同じ、そもそも出来るという自覚が出来なければ成立しない………」
メイルは魔法を発動させる原理として、身体と脳が魔法を使える自覚をしなければならない事を語り、これまで瑠美が魔法を使えなかったのはそのせいでは無いかと予想していた。
「(………尤も、これは初めから魔力を持っていたとしたら………という前提だけどね………)」
しかし、メイルの説には1つの落とし穴もあった。それは本人が最初から魔力を持っていた場合の前提から生み出された説だからだ。普通、瑠美程の莫大な魔力を持つ人間なら、嫌でもどこかで自身の莫大な魔力に気付かされると読んでいたメイルにとって、これ程の魔力を持っていながらこれまで魔力とは無縁でしたではとても納得はできなかった。
「(後でスプリングさんにも聞いてみた方がいいかもね………魔力を外付けする真似は可能なのか………って)」
メイルは魔力の外付けも可能性として挙げ、スプリングなら知っていると期待するようにそう考える様子を見せたのだった………
瑠美が自身の魔力を自覚し、ハル達も驚かされる中、瑠美に対して抱く違和感を考えるメイル。果たして、彼女の感じる疑問は杞憂なのか、果たして現実のものであろうか………?
To Be Continued………
次回予告
疑問に悩まされるメイルは、スプリングに対して魔力の外付けについて問いかける。スプリングは理論上可能と答えつつも、現代の魔法使いでは正規手段で瑠美の莫大な魔力を外付け出来る術は持ち合わせていない事を語るのだった………
次回「外付けの魔力」