「それじゃ本番を始めましょうか」
「いやーしかし相変わらずいい歳こいて恥ずかし格好ですね」
ルビーは、この状況でもマスターをいじるのを止めず、緊迫した空気を少しだけ和ませる。
「なっあんたが着せてるんでしょうが!」
(はたから見ると魔法少女ってやっぱり恥ずかしいなあ)
「この服を着こなすには、品格というものが必要なのですわ」
「さすがセレブファッションセンスも斜め上なのですね」
ここは、戦場なのだ。話してる暇などなかったのだ。
敵は、剣士の英霊セイバーなのだ。黒くなろうとこの隙を見逃すわけがなかった。セイバーは、黒い魔力を剣に乗せ放ってきた。
「ボケーッとしてる暇はありませんよ。今は、戦闘中なのですから」
「年中ボケ倒してるあんたに言われたくないわよ」
そう言うと凛は、気を引き締める。
「気をつけてください!その斬撃は、魔力と剣圧の複合攻撃です!魔術障壁でも無効化できません」
「厄介ね。防御に魔力を割きすぎると攻撃が貧弱になるわ」
「けどそんな攻撃では、あの霧の壁を突破できない」
『ならば』
「いきますわよ速射!」
「なんて威力基本性能がまるで違う」
「けど全然当たってないよ!?」
「それでいいのよ」
凛は、ルヴィアの魔力弾がおこした轟音で足音を消し、砂煙で視界を悪くし、不意打ちをする。それでもセイバーは、凛の気配だけで、攻撃を防いだのだ。
「なっブレード!?」
「硬いわねコイツ!筋力が足りてないわ!ルビー身体強化7物理保護3!!」
「相変わらずこき使ってくれますね!」
凛は、ルビーの力を借り、セイバーと何合か打ち合い力を探る。セイバーに理性があれば、この時点で凛は、負けていただろう。
「高密度で編まれた刃」
「あれなら魔力の霧を突破できる上残りの魔力を身体強化と防御にまわせる。こんな戦い方があったなんて」
「砲撃だけが能じゃないのよ!」
凛は、そう言うと全力でセイバーを吹き飛ばす。
「ふー私としては、泥臭い肉弾戦は、主義に反するんですけどー魔法少女は、もっと派手にキラキラした攻撃をすべきです」
「うっさい!刃交えて見えるものもあろのよ」
(実際わかったこともあったしね。こいつ確かに実体はあるけど人間らしい感情がまったく感じられない。まるで目の前の敵を倒すだけの獣か機械いや英霊の現象か!)
また凛とセイバーが打ち合う。十数合打ち合うと凛が徐々に押され防戦一方になってくる。とうとうステッキで攻撃する前に片手で止められ、剣を片手で持ち、止めを刺しにきた。
「物理保護全開。やっと捕まえたわ」
凛は、こうなることを見越してたのかように相手の動きを封じる。そこから零距離の魔力弾を撃ち込み吹き飛ばす。
「砲射」
「零距離砲撃‼︎」
「いったー剣士相手に近距離戦なんてやるもんじゃないわね」
「両手持ちだったらやばかったですね」
「まひとまず時間稼ぎご苦労様と言ったところですわね」
「準備出来てるんでしょうねルヴィア」
「フン当然ですわ」
どうやらルヴィアは、凛が、囮となってセイバーを止めてる時に魔法陣を作っていたようだ。
「魔法陣?」
「シュート6回分チャージ完了。ちょうどさっきの敵とは立場が逆転ですわね」
「魔力の霧だろうがなんだろうが」
『一切合切吹き飛ばしてあげるわ‼︎』
(まさか初めから・・・これを狙ってたの!?)
『斉射』
それは、まるで魔力砲だった。魔力砲は、地面を抉りながらセイバーに向かっていく。残ったのは、抉られた大地と滝のように流れる皮だけだった。
「楽勝!快勝!常勝ですわー!」
「ふーようやくスッキリしたわ」
(リンさんとルヴィアさんの全力攻撃それは)
「しかしちょっとやりすぎちゃったかもしれないわね。カードごと消滅してないといいけど」
(見たこともないほどの大規模な破壊力だった)
「すごい何かも格が違う」
この威力に、イリヤと美遊は、驚く。
(カレイドの本当の力は、想像を絶していた。けどすぐに私たちは思い知らされる。どれほど知略を巡らせても)
「嘘っ!?」
あれを受けてまだ・・・」
(どれほど力で圧倒しようとも全てをひっくり返す絶対的力がある。私たちが一体どんな怪物と戦っていたのかその宝具の真名とともに知ることとなる)
「
黒き極光は、鏡面界を裂き、凛とルヴィアを飲み込んだ。
イリヤと美遊は、最後の希望も絶たれ、絶望に飲み込まれた。その時イリヤの中で、何かがはずれて、左腕に紋章が刻まれる。イリヤは、ここから記憶が途切れる。そして、膨大な魔力が溢れる。
「な何が起きてるの?イリヤスフィール」
「理解できない」
(けどこの圧力間違えようがない。魔力の嵐。イリヤスフィールの身体から膨大な魔力が噴出されている)
(彼女は魔術師ではなかったはず。いやそれ以前にあんな魔力一人の人間が許容できる魔力量じゃない)
その魔力に、反応してセイバーが、歩いてくる。
「倒さなきゃ 倒さなきゃ 倒さなきゃ 倒さなきゃ 倒さなきゃ 殺さなきゃ」
(どうやって?)
「どうやって?手段?方法?力?」
(ああーそういえば)
「ないなら別の場所から持ってくればいい」
「英霊召喚」
その言葉と共にイリヤは、魔力に包まれる。
「嘘・・・どうして?倒したはずライダーやキャスター達がいるの?」
魔力が、晴れた時いたのは、イリヤとイリヤを支えてる8人のサーヴァント達だった。だが、美遊は、8人の英霊達が、イリヤのサーヴァントだとは知らず、倒したはずなのにまた現れたことに絶望する。
『問おう』
『貴女が』 「君が」 『お前が』
『私の』 「俺の」 「我の」
『マスターか?』
だが、その深い絶望も、8人の男女の声により、希望へと変わる。あろうことかイリヤは、膨大な魔力をを使い過程を飛ばし黒化したセイバー達と同じ英霊を召喚したのだ。人の身に余る英霊を自分の魔力だけで、なんの補助もなく。
「なっ!君は、イリヤ」
「まさかイリヤスフィールが私たちのマスターなのか?」
それと同時に美遊は、驚く。なぜなら現代に生きているはずのない英霊達が、イリヤのことを知っていたからだ。
鉛の巨人が、ボロボロのイリヤを見て、黒いセイバーに怒りの雄叫びをあげる。
「◾︎◾︎◾︎◾︎」
「待ちなさい。バーサーカーあれは、どうやら黒化した私のようだ。あれを倒すのは私だ」
「いいの。セイバー見た所貴女と同じ力じゃなくて?」
「大丈夫です。キャスターあれは、理性がないようだ。ならば、負けるはずがありません」
そう言うとセイバーは、黒セイバーと打ち合っていく。
何合打ち合うちに、黒セイバーは、押されていく。黒セイバーは、半ば吹き飛ばせれるように距離を取る。
「なっ宝具まで使えるのですか。ランサーマスターとそこの少女を連れて、離れてください」
セイバーもそれに合わせて
いま常勝の王は高らかに、手に執る奇跡の真名を謳う。
『
白き極光は、黒き極光を飲み込み、黒セイバーを消滅させる。その白き極光は、さっきの黒き極光とは、比べもにならないくらいの破壊力だった。後に残ったのは、セイバーのカードだけだった。
「おいどうなってんだ。キャスター」
「わからないわ。でも一つわかることがあるとすれば、私達のマスターは、このお嬢ちゃんだって事」
「おいおい・・・マジか」
「よもやこの
「ふんどうやらここで、考えても結論は出ないようだな。あの子にでも聞くか?」
「アーチャー貴方にしては、いい案じゃない」
その時地面から、ステッキ二本と人が二人出てくる。
「ルヴィアさん凛さん。それに、サファイア無事だったんですか?」
「はい何とか地中へ潜って緊急回避を負傷しましたが、無事です。」
「なっ凛君までいるのか?それに、ルヴィアも」
その声に反応し、凛とルヴィアが振り返る。そこには、理性のある英霊が8人もいるのだ。その光景に、驚愕する。
「大丈夫ですの?美遊」
「大丈夫です」
「凛聞きたいことがあるのだが、さっきの黒きセイバーは、何だ?」
凛は、この8人の英霊達が自分の事を知っているのに驚いた。
「そんなことより、あなた達誰よ?」
「なっ凛聖杯戦争の事を忘れたのか?」
その言葉を聞いて、美遊は、戦慄する。
(まさかあの人達聖杯を狙っているの?)
「いえ、アーチャーどうやらここは、聖杯戦争のおこらなかった並行世界みたいよ」
「そういうことか。私達は、イリヤのサーヴァントだ」
「なっなんですって、イリヤは、一般人じゃないの」
「なるほど。で、さっきの黒いセイバーはなんなのだ?」
「リンそれに、このカードは、なんですか?」
そう言うとセイバーは、saberと書かれたカードを見せる。
「そのカードは魔術協会が分析したけど、制作者不明、用途不明で、構造解析もうまくいってないのよ。分かったのは英霊の『座』に干渉し、英霊の持つ宝具を、ステッキを媒介に具現化することができるってこと」
「何英霊の座に干渉するだと。下手したら、抑止が働きかねん」
「アーチャーだいたいの事情がわかったし、ここで、お開きにしましょう。それでいいわね遠坂のお嬢さん」
「ええいいわ」
「いいのですか?」
「ええイリヤのサーヴァントということは、また会えるでしょうし。それにここがもう持たないわ」
そう言うと皆は地上に戻り解散した。
そして長い夜が明ける。