喋り方とか難しくて変だと思ってもご了承下さい
マキマとの初対面の時点で苦手意識あったのかも?
【姫野サイド】
朝日が照らされるマンションの部屋の中、公安デビルハンターの姫野が朝の支度をし、新しい公安部署へ向かっていた
数日前、自分の師匠の岸辺に呼び出され訓練としてボコボコにされると思ったがその様子はなく一つのメモを渡された
「今後、お前はこの四課に配属になる、今のバディにも伝えておけ」
「・・・はい?」
いきなり岸辺にそう言われ、どう言うことか聞くも上からの指名と一点張りでどうすることも出来ないので渋々言われた通りにその部署の配属を受け入れ詳細を知った
公安が収容している悪魔を職員として運営する実験的な部署だと言うことで姫野自身にとって複雑な気持ちでいた
そんな姫野を他所に岸辺が二つの顔写真を渡した、一枚は赤い髪で黄色の目をした女性と黒髪が長く岸辺と同じ年齢の男性が写っていた
「この二人が四課の上司にあたる、女の方はマキマで男の方は黒田だ、こいつは俺の同僚みたいな奴だ」
そう言われた姫野は不信な気持ちでいた
マキマと言う女性には会ったことがないので遠くの部署から来たのだと思って特に気にしないつもりでいたが写真越しとはいえ彼女の目を見ると飲み込まれそうになり不思議な気持ちになるからだ、そして黒田の方は悪い噂で有名で岸辺の同僚とは初耳であるがどうも信じられなかった
「名前だけでも覚えておけ・・・俺は帰る」
考え込む姫野を他所に岸辺はその場から帰って行った
岸辺との話を思い出していると目的地である四課本部の前へと着いており、中に入って行くとそのまま執務室へと足を運んだ
執務室に入るとそこには自分と同じように配属された他の部署の人達とそのバディ達もおり、暫くしないうちに噂の二人が入って来た
「皆さんよく来てくださりました。私がこのたび公安対魔特異四課の責任者、マキマと言います。どうぞよろしくお願いします」
赤い髪の女性、マキマが軽く自己紹介する中、姫野を含んだ配属された人達は見つめていた
男性は勿論、女性から見ても顔が整い身体つきも羨ましくなる程にスレンダーであったが一人の男性だけは見向きもせずにマキマの横で立っていた
「そして、こちらが副責任者かつ代理を務めさせて貰う黒田豪」
「と言ってもお前らと同じように悪魔駆除に出向くから敬語とかは要らん、まぁよろしく」
そう言い気だるそうにする男の姿に自分の師匠の姿が浮かびこの人物が師匠の同僚と確信を持てた
そんな二人が軽く挨拶した後自分達もまた軽く自己紹介を終えるとそのままこれからの業務について知らされ、各自パトロールをするよう言い渡されすぐに解散となった
その後、勿論のことか顔合わせをした同期達皆あの二人の話題で持ちきりだった、主にマキマのことだったが
「姫野先輩、マキマさんって綺麗な人でしたね‼︎」
「・・・そうだったね桜井ちゃん」
自分のバディである桜井はマキマの美貌に虜になっており他の男性陣も同じように虜になっていたが姫野だけはマキマと黒田に対してあまり良い印象を持ってはいなかった
理由は主に師匠である岸辺が警戒している人物の可能性と今まで会ったことが無い人物が突然、特異課の責任者など何かあるのではないかと思っていた
(何だか分からないけど何かある気がする・・・特にマキマさん)
姫野はマキマに対して不信感があった
自己紹介していく中、ずっとこちらをじっくりと黄色の目をして薄らとした微笑みを浮かべたまま見つめていたあの姿、まるでこちらを観察している様な姿だったからだ
「姫野先輩?どうかしたんですか?」
「ううん、何でもないよ桜井ちゃん、それより早速お仕事しに行こうか‼︎」
静かに考えて込む姫野を心配してか桜井に話しかけられて我に返る姫野はそのまま己の仕事をしに行くのであった
ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
そんな顔合わせから暫く経ち、姫野はこれまでのマキマの行動を見ていたが特に疑うようなことなく、逆に頼り甲斐のある行動が多かった為、他の職員一同はマキマに対して尊敬の念を持っていたがどうにも姫野はマキマのことを好きになることが出来ずにいた
「姫野さん、この書類の文字間違ってるよ」
「あぁすいませんマキマさん、どうも疲れが溜まってたせいかな?何て」
「帰って寝たら?」
その理由はマキマが完璧なところであり一種の嫉妬からである
長いことデビルハンターを務めていた姫野にとってよく知らないぽっとでのマキマが四課の責任者で内閣官房長官直属のデビルハンターであるというのが上乗せされ嫉妬の気持ちを向けていた
そのせいか先程のマキマの労いの言葉が皮肉に聞こえて仕方がなかった
(はぁ、桜井ちゃんは公安から民間に異動しちゃったし・・・新しいバディも長く続くか分からないしなぁ)
姫野の元バディだった桜井は悪魔との戦闘に怖気ついてしまい公安から民間のデビルハンターへと異動していた
ただ理由はそれだけではなく、黒田の行動による被害により皆が暗い気持ちでいた
(黒田さん・・・噂通りに狂ってる人だった・・・悪魔を殺す為なら人を殺せる人)
その内私達も、そう頭に過ぎるも何とか前を向いていこうと姫野は頬を叩いて喝を入れた
「あぁもう‼︎考えても仕方がない‼︎今日は一人だけど飲むか‼︎」
そう言い気を紛らすように修正するよう言われた書類を握りしめたまま、いつも通う居酒屋へと足を運ぶ姫野だったが今日に限って会いたくない人に会ってしまったのであった
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いつも通っている居酒屋で姫野は手に持つビールをちびちびと飲んでいた、いつもなら一気に飲みお代わりを頼むほどに豪華であったが今日は潜めていた、何故なら
「ほれマキマ、お前の分のビールだ」
「ありがとうクロ、姫野さんも気にせずに飲んでいいよ」
「あ、あはは、そ、それじゃお言葉に甘えて」
(何で今日に限ってこの二人が来てんの⁉︎)
黒田とマキマの二人と相席になっていたからだ
ことの発端は姫野が居酒屋に来た際、思っていたよりも混み合っており入るのが難しかった為、家で晩酌で済まそうと店を出ようとした時、メニューで飲み物を頼もうとしていたマキマと黒田に見つかりそのまま誘われこの状態となった
「そ、それにしてもお二人とも居酒屋に行くんですね?滅多に来ない物かと」
「まぁ偶に飲みたい時があるからな、酒飲んでスッキリしてぇ時もある」
黒田はビールの入ったジョッキを飲みそのまま摘みで頼んだ海鮮丼を食べていた
姫野は黒田の飲みっぷりよりも驚いているのはマキマも黒田と同じようにジョッキでビールを飲んでいる姿であった
「えっと、マキマさんもお飲みになるんですね?」
「家じゃ、進んで飲むことはないけどこう言う場所じゃあ飲むね」
そう言うと摘みに頼んだ刺身に手をかけていた
姫野はそんな二人を見て今までのイメージにあった二人とは離れている姿に落ち着かずにいた
今まで苦手意識をしていた上司二人と居酒屋で相席になるなど世間の人によってはすぐに帰りたくなるシュチュエーションに困っていた
「姫野さん?飲むスピードが遅いけど、もしかしてお酒弱い?」
「い、いいえ‼︎全然弱くないですよ‼︎」
そう言い姫野は手に持っていたジョッキの中のビームを喉に流し込こんでいると二人の会話が薄らと聞こえた
「そういえばクロ、今日のお風呂掃除の当番だからね」
「ん?そういやそうだったな・・・と言うかお前が乱入しなけりゃすぐに出て掃除し終えるんだが?」
「別にいいじゃない、長風呂になっちゃっても」
二人の呑気な会話が耳に入った瞬間、姫野は驚きのあまり飲みかけていたビールを吹き出し咽せ返ってしまった
「あれ?姫野さん大丈夫?」
「ゴホッ‼︎ゴホッ‼︎い、いや、お二人ともって同棲してたんですか⁉︎」
「同棲というより同居ってやつか?まぁ、昔から一緒に暮らしてんだよ」
その話を聞いて姫野は驚きを隠さなかった
公安でも恐れられて狂人とも言われている男の元に女性が暮らしている、そこで姫野はその話の部分に気になったところがあったそれは、昔からとはいつから一緒に暮らしているのかというところだ
「えっと、昔からっていつからですか?」
「たしか私が10歳ぐらいの頃だからもう10年ぐらいかな?」
マキマの回答に姫野は唖然となった
10年、狂人と言われ恐れられていた男が10年間もの間、幼い子供を育てていたという話が信じられず、ふと過ったのは黒田がもしかしたら邪な考えで育てていたのではないかと頭に浮かび黒田の方をバッと見た
「もしかして黒田さん⁉︎」
「・・・一応、言っとくがそっちの趣味はねぇぞ」
そう睨みつけるように姫野を見た黒田の様子にさすがに無かったと安心したように息を吐き手につけていたビールを一口ずつ飲んでいき少し酔いが回ったのか再び質問をした
「お二人って身内だったんですね私にも妹がいるんですよ、そっちは娘だったりですか?」
「血は繋がってないから身内かっていうと・・・」
「まぁ、娘ってより歳の離れた妹って感覚の方が近いな・・・家族って言われりゃ変わりないが」
「・・・妹・・・か」
その時、姫野はマキマが自分のことを娘と言ったあたりで複雑そうに呟いたのをはっきりと聞きマキマが何を思ったのか察した
すると黒田は少し席を外すと言い姫野はマキマと二人っきりになってしまい、いくら会話をしていたとしてもまだ苦手意識が抜けてなくどうすればいいか考えているとマキマが先に口を開いた
「そのどう?今の環境というか、その、四課の現状は?」
「・・・え⁉︎あ、はい、いい感じだと思いますよ」
マキマのしどろもどろな会話に姫野は唖然となってしまった
何せ姫野が知る職場でのマキマは他の人から見ても完璧にこなし表情もそんな変わらず悪く言えば無頓着で自分達のことをあまり見ていない嫌な人物だと思っていた
しかし、そんな姿がなりを潜め、混乱した様子でこちらに話しかけていた
「えっと、マキマさんって職場の時と全然印象が違いますね」
「ごめんね、近い歳の人と話す機会が余り無かったから」
そう言うとマキマは少しばかりか落ち込むような顔をしていた
側から見ればそんな変わりない表情ではあるが姫野や黒田などの職員から見れば分かりやすく見えていた
「ところで姫野さん、聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「え⁉︎あ、はい、いいですけど」
「私って愛想悪いのかな?」
「・・・・・・はい?」
いきなり何を言われるか身構えていた姫野だったがマキマから発せられたのは不安が含まれた素朴な疑問であった
「私・・・あまり感情豊かなのかって言われればそうじゃないから周りからどう思われているのか不安なんだ・・・愛想よくして微笑んでもクロから何故か悪巧みしてる顔だって言われちゃって」
あの自分達を観察して弱みを握ろうとしているとも言えるような微笑みが普通に愛想よく自分達と接しようとしている姿だったとは姫野にとって予想外であった
そんな姫野を他所にマキマは話を続けた
「これまでクロの支えもあって責任者として恥じないような態度を取ってたんだけど冷たい態度だったかなって思っちゃう時があるんだ・・・例えば昼間とかもうちょっと良い言い方した方が良かったかと思うし」
そう言われて姫野は改めて昼間のことを思い出した、確かにマキマの言い方はアレではあるが早く寝るように気遣っている言葉ではあり、本人は皮肉でも何でもなくただ本心で気遣いのつもりだった
「それで姫野さん、私ってそんな愛想悪いのかな?」
「・・・はぁー」
マキマに改めて聞かれた姫野は大きく息を吐き、手に持っていたビールを一気に飲み込み、今までマキマに対する苦手意識が段々と馬鹿らしくなり段々と罪悪感を感じた
今までこの上司は完全完璧で人を下に見ていたと勝手に思い込んでいたが実際に蓋を開けたらそんなことはなく、ただ自分達とどう話せばいいか分からない不器用な人でそんな人に勝手に苦手意識を向けていた自分が恥ずかしく思えた
「姫野さん?」
「マキマさん・・・私誤解してました‼︎真面目で仕事できる人で正直私達のこと見下してると思ってたけどそうじゃなかったんですね‼︎不安なのはしょうがないことですけど心配いりません‼︎他のみんな愛想悪いなんて思ってませんよ‼︎」
「そう、かな?だったら・・・嬉しいなぁ」
姫野の本音に少しばかりのショックはありつつも姫野の言葉にいつもの固い笑みではなく完全に緩んだ笑みを浮かべるマキマを見て姫野の心を射止めた
(何この可愛い笑顔‼︎こんな顔出来たんだこの人‼︎)
「それで姫野さん、折言ってお願い事なんだけどいいかな?子どもみたいなことだけど・・・」
「は、はい‼︎何でしょうか‼︎」
心を射止められた姫野を他所にマキマは頼み事をしようと顔をしっかりと見て言った
「その・・・私の友達になってくれないかな?」
少し頬を赤らめつつ子どものような頼み事だったがマキマにとって初の自分から対等の存在の繋がり、友達作りあった
この時マキマは黒田からの助言通りに支配の力を使わずにしっかり相手の顔を見て言った為か内心、不安に駆られていた
そんなマキマを他所に姫野はマキマのその表情を見てあまりの衝撃により固まってしまったがすぐに我に返るとまるで長い間の仲であるかのようにマキマに抱きついた
「あーもうそのギャップ凄い‼︎可愛いこと言っちゃって‼︎いいですよ‼︎なりましょうか友達‼︎」
そう言われたマキマは黒田以外に抱きつかれ放心してしまったが胸の奥がジワジワとあの日と同じように暖かく心地よい気分になり、姫野から見えないが目尻に少し涙が出ていたのは誰にも気付かれなかった
「・・・ありがとう姫野さん」
「もー‼︎友達なんですからあだ名で呼びましょうよ〜‼︎ねぇマキちゃん」
「いいねそれ、なら姫ちゃんかな?」
「くはっ‼︎やっぱヤバイわ、この職場とプライベートのギャップ‼︎」
その後、黒田が戻って来た頃には完全にお互い打ち解け合い今度の休みどこに行こうか相談し合う仲良し二人の姿があった
姫野
・銃の悪魔の討伐の為に公安に入った
・岸辺を師匠と呼んでいて基本的には明るい性格ではある
・契約している悪魔は幽霊の悪魔(原作でいつ契約したか分からなかった為、この時期からってことで)
・原作ではマキマのことを嫌っている所があるがこの作品では友達、後に親友関係になる
おまけ
「ところでマキちゃん、クロさんのことどう思ってるの?」
「どうって?」
「もしかして・・・好きなのかなって」
「それは・・・ひみつ」
「絶対好きじゃん‼︎普通一緒にお風呂なんて入ろうとしないもんねぇ、教えてよぉマキちゃん」
「姫ちゃんでもダメ・・・だって恥ずかしいもん」
「たはぁー‼︎もんって‼︎ヤバイわ‼︎このギャップ‼︎」