誤字脱字や語彙力がないのはご了承して下さい
その少女が産まれた時に頭に過った物は
支配だけであった
いつの間にか現世に生まれ、執着もしくは信念なのか分からないが地獄でのこととそこで死んだという記憶があり、己が悪魔なんだとすでに自覚していた
誰にどのように地獄で死んだかは知らないが地獄で見た彼の姿が頭から離れられなかった
彼を支配たいと言う欲求、そして彼はきっと現世に来ているのではないかと思い、人間の組織、公安にワザと見つかるように動いた
案の定、人間に見つかりマキマの支配の悪魔を見た人達は皆、恐れそれを国を守る為の抑止力として使うことしか考えていなかった
それからの日常は狭い部屋に閉じ込められ、プレートに乗せられた栄養のバランスだけしか考えられていない食事を出され、その部屋から出されたと思えば訓練という名の実験をされた
幼いマキマの命は内閣総理大臣との契約により日本国民の命に置き換わることをいいことに無理な実験を多くやらされた
ある時は銃弾の耐久性、またある時は毒の限界摂取量、またある時は酸素の限界摂取量など数えきれないほどの実験が行われた
例え自分の死が日本国民の命に置き換わるとは言え、死ぬ時は痛みや苦しみもあり、意識が遠のくことなど当たり前であった
その度に頭に過ぎるのはかつて地獄でも頭に浮かんだ叶えることができない夢であった
彼の力さえあればこの夢は叶うことができる、その為ならどんな手段でも方法でも使うつもりだった
そう考えながら実験を終えてまた一人、冷たい収容室に戻り冷たいベットの中、安眠とは程遠い感覚で眠りに落ちて行った
公安に捕獲されてから数年という時が流れ、この生活に慣れてきた頃、マキマの収容室から公安の人物なのか二人組の話が聞こえてきて、ほんの好奇心や外の情報を聞こうと耳を澄ました
「おい、聞いたか?黒田さんまたバディだった人を悪魔ごと殺害したって話」
「おいおいマジかよ、今年に入ってもう五人目だぞ⁉︎これじゃあ公安の人材不足が続いちまうよ」
「次のバディ決定はいつで誰になるだろうな?」
「俺は絶対に嫌だぞ‼︎あの人と組んだら命がいくつあっても足りやしねぇよ‼︎」
そう二人が雑談して収容室から遠ざかって行くのを感じ、マキマはその話を聞いてその黒田という人物が気になり始めた
「黒田さん・・・か」
公安から恐れられ、人材不足に追い込んでいるほどの人物とはどのような人なのか、はたまた何故そのような人物が公安に入っているのかと考えているとこの生活でひとつだけ不明だったことが分かった
それは実験の頻度である、普通ならマキマの体調や様子など気にせず毎日でもいい程にすればいいと言うのに週に一回、二回かある程度でしかも、途中から中止ということも偶にあることもあったのだ
その原因が黒田という人物の不祥事の処理だと思うとますますその黒田という人間が気になっていき、気付くと眠っている筈の時間まで起きていた
また暫く経った頃、収容室から黒服の男性が入って来てまた実験等をやらされるのかとため息をしたが様子がおかしく何故かいつも着せられている患者服から黒服のワンピースを着るよう言われ、言われるがまま着ると何処かへ連れて行かれた
そして、公安の上層部の人達が集まっている大部屋へと案内され入ると上層部の幹部の人達が集まっていたがそれよりもマキマが目を向けていたのは目の前にいる人物であった
黒い長髪で目に光が無く黒いコートとスーツを着た男性がこちらを見ていたがマキマが注目していたのはその男性から出ている気配ともいえるオーラであった
見た目からは分かりづらいが何体もの悪魔を殺して来たのかともいえる異様な気配であり、今のマキマでは一目で支配することなど到底出来ないと思えるほどであった
(なるほどこの人か・・・これは少し様子を見た方がいいかな)
この人間が黒田だということはすぐに分かり、そのまま静かに上層部の人達の話を聞くと私はこの男と共に暫く暮らすことになることを知り好都合と思った
もし共に暮らして隙が出て支配すれば強力な犬を手懐けることが出来るからだ
しかし、そう上手くいかず黒田の家に着くなり自分でも分かるような見え透いた演技を見抜き、マキマは諦めて己の正体が悪魔だと素直に認めた
詳しい詳細を濁しつつ話を終えると黒田はそのままマキマを外へ連れ出され、その時のマキマはどう逃走すればいいか考えていた
(支配することができないなら他の人間を支配して時間を稼ぐ?・・・いや、きっとこの人はその人間ごと殺して私を追い詰めに来る)
例え契約により不死身ともいえる状態だとしても長時間の拷問による苦痛は避けたいと考えを巡らせ警戒していた
だがマキマのその考えは結局杞憂に終わった
ハッキリと言って黒田という人物は変人であった、子供だとはいえ支配の悪魔であることを知りつつ外食する為に連れ出し、マキマが人間に対しての感情が犬同然と話してもどうでもいいと何事もなく食事を続けた姿に私は馬鹿らしくなり警戒を解いた
(何なんだろこの人間は・・・ここまで動揺しないのは初めて)
今まで知った人間はマキマが悪魔だと知れば恐れ、距離を取ってきた者しかいなかったがこの人間は悪魔だと知っても媚びも何もせずに変わらない態度をしていた
(もう暫くは様子を見ようかな・・・美味しいなこれ)
その様子に動揺を隠せないまま目の前のラーメンを食べた
そんな初めての夜から気付けば数日という月日が流れ、いつの間にか駄菓子屋の常連になっており、今日も駄菓子屋にいる店主の会話を聞きながら駄菓子を口に入れていた
駄菓子屋の店主の話は最初は興味がないので聞き流したいたが人間の繋がりや支え合いなどが出て来た辺りで興味が沸き始めて今回もそういった話を聞いていたが店主がこちらを心配そうな顔をして見ていた
「うん?どうかしたのおばあさん?」
「ねぇマキマちゃん?貴方大丈夫かい?何か寂しそうな顔をしてるよ?」
そう店主に言われたが特に寂しさを感じたこともなくいつも通りに振る舞っていた筈が何故か店主に指摘された
「おばあさんの気のせいだよ、それより話の続きを聞かせて」
「そうかい?それならいいけど何かあったらいいな?」
そう店主は言うと中断していた話の続きをし始めた
しかし、本音を言うとマキマの心はまだ満たされてはいなかったのは事実であった
収容されていた頃とは違い、暖かい部屋に栄養しか考えられた食事も無く、様々な服を着れる生活に今までなかった幸福感はあるが一つ、それが夢見た物
マキマの夢それは【家族】という物であった
人によっては些細な夢ではあるが支配の悪魔、マキマにとってそれはとても眩しくそして、彼を支配した先の物であった
(寂しそうな顔か・・・これが寂しいってことなのかな?)
胸の奥にあるこの初めての寂しいという気持ちに気付いたがその気持ちを面に出さないようにして店主の話を聞いていた
そうして家路に戻り近くにあった本を読んでいると家の玄関の開く音が聞こえて見ると黒田が帰って来ていた
「お帰りなさい黒田さん」
「おう帰った、それとこれ手土産だが」
そう言い黒田が持って来た駄菓子の詰め合わせを貰いそのままテーブルの上に乗せ、黒田は手軽な服装に着替えて晩御飯の準備をし始めた
そして作っているのは連日である炒飯だったが特に嫌いでは無く寧ろ好きな物であるので特に不満などなく出来るまでマキマは本を読んでいた
「「いただきます」」
そう二人して言い炒飯を共に食べ始めた
いつもと変わらないなく黙々と食事をしていると黒田の手が止まり何か言いたげな顔をしつつも口を開いた
「あーマキマ、今日一日何かあったりしたか?」
「・・・?何もないけど?」
いつも何も言わず食事をしている筈の黒田がいきなり話しかけて来てマキマは静かに返答したが内心は動揺を隠せず困惑の表情をしているのが自分でも分かっていた
その後も黒田はぎごちなく途切れながらの会話をして来たのでマキマは困惑しつつもその会話を繋げていき、その姿は支配の悪魔とは程遠い物であった
「「ごちそうさま」」
そんな会話している内に気付けばお互い共に食べ終え、黒田から順に入浴して寝る準備をし始めた
湯船に浸かるマキマは先程の黒田の行動に対して何故いつもはしない会話をして来たのか考えていた
(あの人らしくない・・・何か裏があるのかな・・・何か私から情報を取ろうとしてるの?)
深く考えていく内に少しのぼせそうになり、早々と湯船から上がって寝巻きに着替え、居間で駄菓子を摘みそのまま部屋に行こうとした時、黒田がマキマを呼び止めた
「なぁ、嫌ならいいけどよ俺の部屋で眠らねぇか?」
「・・・え?」
いつもなら特に変わらない表情で聞いていたが黒田の発言により初めてとも言える程に表情が歪み、驚きを隠しきれていなかった
(まさか・・・目覚めたのかな?)
マキマは黒田のその発言で最初はあり得ないだろうと思っていた予想が当たったのかと思い衝撃のあまりに呆然となってしまった
数秒ではある物の長時間に感じられる間の中で先に我に返ったマキマは体格的では不利であるが身を守りつつ鋭い目つきで黒田の方を見ていた
「・・・どういうつもり?そういう趣味に目覚めたようなら流石に私でも抵抗ぐらいするよ?」
「違うわ‼︎岸辺もそうだが俺のイメージってどうなってんだよ‼︎」
そう言われた黒田は全力で否定をしていたがマキマは油断せずに鋭い目つきで見ていると黒田は目を逸らし頭を掻いていた
「知ってるようだけど・・・俺は子育てってのをやったことがねぇから先人の知恵として駄菓子屋の婆さんに聞いたんだ」
「あの人に?」
「それで聞いたのが子供と一緒に会話をして、一緒に寝るんだってよ」
黒田が自分にどう接すればいいか駄菓子屋の店主に聞いて今の行動と発言をしたと知り、納得はしたが何故そうしたのかが理解が出来ていなかった
子供とはいえ悪魔である自分にそんなことをして襲われるリスクや意味があるのかと思ったマキマであった
「子供とか子育てとか、何度も言うけど私は支配の悪魔だよ?そう言うのは人間の子供にしたらいいじゃないの?」
「・・・悪魔だとしてもお前は子供だというのは変わりねぇだろ」
疑問に思ったことを口にして問いかけると黒田は真っ直ぐな目でこちらを見てはっきりと言った
その目は嘘偽りなく媚びもない正直な言葉にマキマは一瞬、何かを感じたが気付かずにいた
「あー、やっぱり辞めとくか・・・もう寝るか」
静かにしていると黒田は気まずそうな顔をして自分の部屋へと向かう姿を見てマキマも部屋へと向かおうと立ち上がり歩いていたがあることに気付いた
(・・・え?何でここに?)
何故か自分の意思とは違い身体が勝手に黒田の後をついて行っており、黒田はついて来てたマキマにどうしたのかと聞かれ、その視線から逃げるように顔を背けた
「別に嫌とは言ってないよ・・・一緒に寝ようか」
いつもと変わらない言葉で平然と言ったが内心では明らかに誤魔化したことが分かるような言葉にマキマ自身も困惑していた
そして、足早く黒田のベットへと入り込み続けて黒田も入ったがやはり二人では小さく密着している形になっていた
「もう少し詰めてくれない?」
「いや、こっちも限界だっての‼︎」
そうイチャモンを言いつつお互い共にベットから出ずに密着していて暫く経つにつれ黒田の体温が身体を温め始めたのと同時に自身の意識が薄れていくのを感じた
(あぁ・・・この人って・・・意外と・・・暖かい・・・だ・・・いが・・・いだ・・・なぁ・・・・・・)
そう思いつつマキマの意識は完全に眠りへと落ちて行った
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気づくとマキマは暗闇の中に一人佇んでいた
思い出すのは地獄にいた頃の思い出であり、地獄の暗闇の中、誰も自分を見ず、誰も近づかずに距離を置き、恐れては己を殺そうとして来ていた
そんな地獄の日常の中で偶に人間の生活を盗み見ては自分が叶えたい夢を見ていた
幼児が親に抱きしめられ家族の関係を築き、対等といえる関係こそマキマにとって憧れて叶えてみたい夢そのものであった
しかし現実は残酷であり、己の力と恐怖により自分と対等な関係を築こうとしてもすぐに崩れ消えてしまった
しかし、己のが恐怖しているともいえる孤独の中で彼はずっとその恐怖など気にも留めず一人でいた
助けを求めたら助け、そしてその助けた者も殺す姿、自分から孤独を求む地獄のヒーローを見てマキマは強い憧れを抱いた
そして彼の力を知り、彼の力さえあれば己の夢を叶えることができるのではと彼を求めた
しかし、今の自分はあの頃とは違い完全に孤独であった
地獄でも孤独であることは変わりないが自分を狙う悪魔などがいたが周りは完全な暗闇になっていた
そんな暗闇にマキマの心は次第に沈んでいき、一生の孤独を受け入れようと目を伏せようとした
その時、突然身体中が暖かく優しい温もりに包まれた感覚が走り伏せていた目が驚きにより開いた
その温もりは消えるどころか徐々に強くなっていくのを感じ、この温もりは何なのか分からずにいた
だがその温もりを遠ざける気にはならず、もっと近くに感じたいとも思えるほどに暖かく気付くとマキマの視界は潤んでおり自分が涙を流していることが分かった
マキマはこの涙でこの温もりが何なのか気づいた瞬間、マキマの心の隙間が完全に埋まったのであった
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朝日が照らされる部屋の中、マキマは目を覚ますと目の前には黒田がいて自分は黒田に抱きしめられていることに気がついた
(そうだ・・・たしか一緒にベットで)
昨晩の夜のことを思い出し少し顔が熱くなったが気にせずにいると黒田の抱きしめていた力が抜けていくのを感じた
それを感じるとマキマは自分から黒田の胸に頭を埋めるように擦り付け、自分のとった行動に少しの困惑を感じたがその温もりから身体が離れずにいた
(抱かれるのってこんな気持ちなんだ・・・まさか呆気なく夢が叶うなんて思いもしなかったなぁ)
長年、叶えられるか分からない夢が一人の人間に呆気なく叶えられ複雑な気持ちでいたがその温もりからずっと身体が離れられなずにいた
そして同時に黒田にもっと近づきたいという悪魔としての本能である支配したいとはまた違う気持ちが高まっていくのを感じていた
(・・・ずっと一緒に居たい人が出来るなんて思わなかったなぁ)
自分のこの気持ちが何なのか分からないまま黒田の温もりに包まれそのまま再び眠りに落ちるマキマであった
おまけ 翌朝
黒田「ん?朝かぁって何だ?」
マキマ「スゥ・・・スゥ・・・」
黒田「何でコイツ胸に頭を擦り付けながら寝てんだ?」
マキマ「スゥ・・・ふふ・・・」
黒田「・・・まぁ、悪魔だとはいえ子供は子供ってことか・・・」
その後、再び眠り二人が起きたのは昼過ぎであった