Re:憑かれた俺と人類最後のマスター(偽) 作:まるまるボウズ
~神様Side~
雲一つ無い晴天の空、湖の上のデスクで、神は暇そうにしていた。
『ヒマだなぁ…早く使ってくれないかなぁ…
『転生させてから10時間…流石に気が早いか!はっはっは!』
神は手を前に翳し、水晶玉を何処からか顕れさせる。
『え~っと?…お、立香はもう相談所にたどり着けたみたいだね』
『…!!』
水晶玉に映し出されたのは、立香がハルトと会話する姿。
すると、ハルトが、一つの提案をだす。
それは、自分の異能力の説明と、その実演をするというものだった。
『きっっっったぁぁあ!!!!』
『思ったよりも早かったねぇ!
さぁさぁ!異世界初の召喚だぁ!最初の英霊はーっと?』
水晶玉に手を翳し、立香が呼び出そうとしている英霊を読み取る。
『ふむふむ…成る程、騎士王か!やっぱり記念すべき1体目はアルトリアだよね!』
神はパチンッと、指を鳴らす。
すると、宙に青い炎を纏う本が何十、何百と現れる。
『えーっと、アルトリア、アルトリア…』
現れた無数の炎の中から、目的の霊基を探す。
『よし!あった!後はこれを下に送るだけ……あっ!』
本を取り出す表紙に、他のものより激しく燃える本がこぼれ落ち、下へ消えていった。
『やっべ…。今のは…!もうなんとなく解るけど…うげっ、よりによって英雄王か!?』
せめて賢王だったら…なんて淡い期待をしていたが、案の定だったらしい。
『まぁ、英雄王の方でも立香のサポートはしてくれるか!霊気の問題も彼の宝具ならなんとかなるでしょ!』
~藤丸立香~
初の召喚。もう決めている。勿論、騎士王!Fateの顔(異論は認める)!来て!セイバー!
霊気が荒れ狂い、砂ぼこりが舞う。
感覚的に成功したでしょ!
「ほう、最初にこの
玉座に足を組んで座り座り、呆ける立香を見下ろす黄金の王。
その名を英雄の祖にして王、ギルガメッシュ。
身体の3分の2が神、3分の1が人間の半神半人であり、この世全てを見通した、と言われる伝説の英霊だ。
「…は?…え?」
「む?…おい雑種。何を呆けている。王の面前だ。ひれ伏し、召喚に応じてやったことに感謝するべきであろう?」
「え?あの…なぜ貴方が?」
「何を言っている?貴様が望み、我が応じたから此所に居る。それだけであろうが」
「そう…ですよね…。すみません疲れているみたいで」
アルトリアを呼ぼうとしたらAUOが来た、何て言ったらたぶん殺される…。
でも、なんらかの宝具で足りない分の霊力をある程度はカバーできそうだし、戦闘面でも作中トップクラスだから、まあ、安心なのか…?
なんて事を考えていたら、何やらギルガメッシュの様子がおかしい。先ほどから肩が震えている。
もしかして怒ってる…!?土下座すればいけるか…!?
「…ふっふふ…ふはははははははは!!!」
「???」
「なる程な、どうやらあの駄神めの手違いらしい!」
ギルガメッシュは大きな声で笑いながら言う。
「え?駄神?」
「貴様も会ったであろう?
「あっ神様が…」
「あー、ここまで笑ったのは久方ぶりよ!まぁよかろう許す。この罰はあの駄神へ再会した時に下してやるとしよう。
───して、立香よ。」
ギルガメッシュの雰囲気が変わる。
「…先ほどから──王の面前でひれ伏しもせず、あまつさえ我を見下ろす不届き者は何者だ?」
彼が2階の傍聴室を睨む。
それと同時に、宙に黄金の波紋が現れ、槍や斧、剣が刃を覗かせる。その数およそ15。
◇◇◇
ー親父ーズSideー
砂ぼこりから顕れたのは、黄金の鎧を纏った男。
見るからに高貴で、プライドの高そうな王様ってかんじだ。
…だが何よりは──
「──おいナギ。あの悪霊…」
久方ぶりに、頬を冷や汗が伝う。
「あ~。圧倒的だな。下手したら酒呑童子レベルの」
ユウマに取り憑く酒呑童子や悪路王と同等、もしくはそれ以上のプレッシャー、威圧感。今は上機嫌らしく、立香ちゃんと楽しそうに話しているが、いつ気づかれるかわからない。機嫌を損ねないうちに降りなければ。
"「──して、立香よ」"
「「?」」
"「先ほどから────」"
"「──王の面前でひれ伏しもせず、あまつさえ我を見下ろす不届き者は何者だ?」"
先ほどの上機嫌は完全に消え失せ、殺気、敵意が重々しくのし掛かる。
そして此方を睨み付けたと同時、悪霊の背後から黄金の波紋が15門、展開され、数多の武具が顔を覗かせる。
"「…大まかな状況は知っている!今すぐ此方へ降りて来るが良い!命だけは助けてやるぞ雑種!」"
不機嫌そうな表情、威圧感は変わらないが、殺気は和らいだ。
「降りるか…」
「だな、下手したら俺達諸とも街が壊れちまう」
◇◇◇
「…おい、雑種。王たる
ギルガメッシュは頬杖をつき、紅く鋭い目でハルト達を見下ろす。
「…だが次はない。努、忘れぬことだな」
「あ、ありがとうございます…」
何故かはわからないが自然と口調が敬語になる。
「あの、王様」
「なんだ?」
「今回は聖杯戦争じゃないし、教えてもいいんじゃないですか?"真名"」
「フンッ…良いだろう。よく聞け雑種よ。我が名はギルガメッシュ!人類最古の英雄にして、この世全てを統べる王である!光栄に思えよ、雑種」
「ギルガメッシュ王って言えば…ウルクの王の?」
「あーハルトの書斎にあったな~。ギルガメシュ叙事詩その主人公で…体の3分の2が神、だったか?」
「とんでもない大物を呼び出したねぇ…立香ちゃん」
「はは…まぁ、王様は他の英霊達と比べても、別格ですし…」
「ふははは!当然であろう?我をそろいらの雑種と一緒にするでないわ!ふはははははは!」
褒められて上機嫌なご様子のAUO。
「…あ、じゃあ立香ちゃん。憑依の方は使える?」
ハルトは思い出したように本来の目的だった異能力の確認を再会しようとする。
「…申し訳ないんですが…その、できません」
「「?」」
「さっきもいった通り、王様は他の英霊とは別格。多分私が彼を憑依しようものなら直ぐに死んじゃうと思います。格の低い英霊なら宿せるんですが…」
「それならいいよ。無理してまでやることじゃないし。能力は十分確認できた」
「え?ってことは…!」
「いいよ、うちで働いて。…戻ろうか、家に」
「あ、ありがとうございます!」
「…なぁ、ギルガメッシュ王はどうすんだ~?この感じ、実体あるだろ。悪霊と違って"見えなくする"こともできねーし、んな格好じゃ出歩けねぇしな~」
「あぁ!それなら問題ないですよ。肉体は霊気でできて…「良い。ならば装いを変えてやろう」…えっ」
パチンッ!とギルガメッシュ指を鳴らすと、鎧は光の粒となって消え、彼の服装が変わっていく。
「…これなら文句なかろう?」
彼の服装は、紺色のシャツに、赤いスーツ。首に金のネックレスを掛けているという、成金感のすごい姿だった。
「まぁ、鎧よりはマシ…か?」
(何で霊体化しなかったんだろ…?)
◇◇◇
~黒神心霊相談所(黒神家)~
「ただいま」
ナギさんと別れ、ハルトに連れられるがまま、黒神家宅まで来た。家族を紹介してくれるらしい。
「お父さん、おかえりなさい!遅かったね!」
まず迎えてくれたのは、紫髪の少女だった。少女の歳は、私と同じくらいに見える。もしかしたら先程ハルトさんが話してくれたのはこの子なのかもしれない。
紫髪の子とは3歳差とのことなので、今は主人公は11歳か。
「そっか、じゃあユウマとマキを呼んでくれる?」
「おかえり親父、読んだか?」
奥から現れたのは、紫がかった黒髪の男の子。
この世界の主人公、黒神ユウマ。
目はそれ程目立ってはいないが隈がうっすらとあり、顔はよく見ないと判らないほど僅かにだが、やつれている。
ユウマの後ろには、恥ずかしいのか隠れるようにして青みがかった髪の、ユウマよりも更に幼い女の子がいた。
「ちょうどよかった。紹介したい子がいるんだ。今日からここに住むことになるだろうから。立香ちゃん、自己紹介をお願い。」
ハルトが立香に前に出るよう促す。
「…始めまして、藤丸立香と言います。14歳です。明日から黒神心霊相談所のお手伝いをさせてもらうことになりました。よろしくお願いします」
少し堅苦しいような気がするが、まぁ、大丈夫だろう。
「わぁ!同い年なんだね!私も14歳。名前は黒神ミレイ!気軽にミレイって呼んで!こっちは弟のユウマと、妹のマキよ!」
「よ、よろしく」
「よろしく、お願いします…」
ユウマは少し緊張しながらも普通に挨拶してくれた。マキは、やっぱりまだ恥ずかしいのか、人見知りなのか、ユウマの影に隠れたままだったが、それでも挨拶してくれた。
"おい、立香"
突然、外に控えさせているギルガメッシュが念話を使って語りかけてきた。
ちなみに控えさせられている理由は、ユウマ達を怖がらせる可能性があるからだ。
"あの黒髪の小僧。あやつ、相当な数の悪霊に呪われているぞ。中にはそこそこ骨のある者もいるようだ"
"あー、判ります?流石ですね"
"フンッ嘗めるでないわ!このくらい、見抜けて当然よ!"
"折り入ってお願いがあるんですが…"
"言わんでも良い。解っている。小僧の呪いを抑えるのであろう?"
"…流石です。できますか?"
"当然よ!対魔、対呪の宝具など、我が財にはいくらでもあるわ!"
"……"
少しの沈黙が流れる。
"どうした?"
"いえ、貴方がそう簡単に蔵の財を見ず知らずの子供に使うのは少し意外で"
"なに、あの呪いは、年端もいかぬ幼子に背負わせて良いモノではない。幼子の苦しむ様を眺める趣味はない故な"
英雄王の意外な一面に、思わず口角が上がる。
傲岸不遜の王様も子供には甘いらしい。
「あのハルトさん、王様を呼んでもいいですか?」
「…大丈夫?」
…おそらくあのチンピラ成金のような服装と性格が心配なのだろう。
「大丈夫ですよ。王様、ああ見えて子供には優しいんですよ」
「意外だね…いいよ。呼ぶといい」
「ありがとうございます!」
私はお辞儀をして、大きな声でお礼を言う。そんな私を見て、ハルトさんは微笑み、ふりかえってユウマ達に語りかける。
「もう1人紹介したい人が居るんだ。その人は、王様の悪霊で、怖くて、厳しい。でも誰よりも強くて、優しい金ピカの王様だ。会ってみてくれないか?」
「……いいよ。俺も会ってみたい。その王様に」
悪霊という単語に一瞬悩む姿を見せたものの、ユウマは直ぐに承諾した。
「私も会いたい!金ピカってなんかゴージャスな感じするし!」
ミレイは相変わらず元気ハツラツとしていた。
ユウマ達の了承も得られた。あとは本人を呼ぶだけだな。
「ふふっ、王様!入ってきてくださ~い!」
はい!ありがとうございました!
投稿が遅れてしまい申し訳ないです。いやぁ…新年度は何かと忙しいもので…(言い訳)
AUOこんにちはです。自分がにわかすぎて…どのキャラもエアプ感が…くそぅ!
バビロニアやFAKEでAUO語を勉強します!