Re:憑かれた俺と人類最後のマスター(偽) 作:まるまるボウズ
「
「王よ。今回は貴方の出番はありまんよ!」
「何──!?ならば誰が出るというのだ!」
「エミヤです」
「おのれ
ハロー皆さん。守護者(笑)こと、藤丸立香です。
ハルトさんとの修行が始まり、早1年と少し。15歳になりました。
サーヴァントを宿して戦っているお陰か、案外武術の飲み込みが速く、一年でそこそ強くなり、中の下くらいには強くなりました。
え?修行どんなことしたのかって?
勿論見せますとも。ダイジェスト…駆け足ですが、そこはご愛敬!
◇◇◇
「…立香ちゃんは自力で異能力は使えてるから、基本の霊気操作はもう解ってるよね?」
「は、はい。何となくですが」
いつものジャケットを羽織り、笑いかけるハルト。
ハルトの質問に、私は自信無く答える。本当に何となくでしか解らない。理屈もなにもあったもんじゃない。イメージしたらなんかできた。それが現状だ。
「最初はそれで十分。立香ちゃんの場合、色々と特殊すぎるからさ」
因みに、ハルトには私の事情を大まかにだが話してある。守護者としての役割はまだだが。
召喚するサーヴァント達が別世界の存在であるとか、私の囮影───大聖杯のこととか。
私が特殊、ということについてだが、この世界で霊気を使うときに、霊気の通り道…霊脈というのがある。私の場合、それが霊脈としても、魔術回路としても機能するように神様に改造されているらしく、色々と複雑なのだ。
異能力のタイプも、私の場合一つに当てはまらない。
私の異能力、英霊召喚───この世界で言う霊装顕現は、地縛系の特徴。英霊憑依は、まんま憑依系の特徴だ。
おまけに、私の系統が憑依させる英霊によってコロコロ変わることが解った。
憑依させた悪霊の特徴を、自分の異能力に落とし込んでバフを掛ける──これが普通の憑依系。だが私の場合、憑依させた英霊の
だから、憑依させたサーヴァントの系統が怨霊系なら怨霊系に変わるし、動物系なら動物系になる。面倒な能力だ。
───あ、そうそう。異能力者には、異能力発動時に、身体のどこかにの模様が現れる。
そして、その令呪は囮影の特性上、使えないただの飾りだと思っていたのだが、まさかの普通に使えた。さらに一晩寝れば一画づつ回復するという破格のおまけ付き。
話がごちゃごちゃしてきてしまったな。
まぁ要は、私はかなり特殊。だから、教育方針としては、基礎的な体術と、異能力の幅を伸ばしていこうということになった。
冒頭にも話したが、私は英霊を宿して戦う分、その技術、経験が身体に叩き込まれる。故に、戦えば戦うほど技術が身に付く。そこで、私はそっちの方面に向いている英霊を呼び出した。
アーチャー、エミヤ。
彼の投影魔術…厳密にいえば違うのだが、今は置いておこう。彼は、投影した宝具から元の使用者の技術を読み取り、動きを模倣することができる。まぁ、今の私に投影できる宝具なんてたかが知れてるんだけど。
技術を模倣できるのが私と相性が良いので彼を撰んだ。あとご飯が美味しい。
ハルトさんを相手に、エミヤを憑依した状態で戦ってみた。当然敵わないのだが…計画通り。少しづつ、確実に身体の動かし方を身に叩き込めている。
双剣、短剣、長剣。長槍、ランス、etc...今の私ができる武具をありったけ投影して技術を身体に覚えさせる。
ハルトさんは終始、私をいなしながら、興味深そうに能力を観察していた。
あぁそれと、クー・フーリンやアルトリア、それとレオニダスも喚んだ。無名の剣や槍で学ぶのも良いが、ここはプロにお願いした方が良いと思って。
レオニダスには、槍は勿論筋トレや戦いの心得を教わっている。全員がスパルタ並み(なお1名本家スパルタ)に厳しいが、上達は間違いなくしている。
次に、魔術。これは簡単。メディアさんを喚べば良い。神代の魔術師。やっぱり教えるのも上手。
私もすくすくと成長を───
─────と思ったのだが、悲報。私、魔術を上手く使えない。いや、彼女を憑依したときは使える。
ただ、誰も憑依していない素の状態で魔術を行使しようとしても、精々相手を麻痺させたり、青アザつける程度のガンドくらいしか使えない。他はからっきし。
メディアさんからは、「まぁ、礼装なしでそこまで撃てるなら上出来よ。がんばりなさい」と、少し哀れんだような笑顔で言われた。
ちくしょう、練習続けなきゃ。
まぁそっから、なんやかんやで入隊試験。
受験者は思ったよりも沢山いた。
居候仲間*1のコウ君も一緒に受けるそう。
筆記は余裕。元々座学はいける方だったし。問題は実技。
私の現段階で憑依出来るのは呪腕のハサンと佐々木小次郎。レオニダスやエミヤ達も出来なくはないが、疲れるし痛いし辛い。ギルガメッシュは論外。
異能力はほぼ無しで望んだ。流石に、格上相手には使ったが。レオニダスさんには助けられた。最後の決め手がカウンターだったから。
────とまあ、こんな感じで合格した。
配属部隊は、国防殲滅部隊第四殲滅支部。
コウも無事合格。家で合格のお祝いをしました!エミヤとユウマが腕によりをかけてご飯を作ってくれた!美味しい!
…話を戻しまして、任務は、入隊後暫くは先輩と行動し、ある程度なれてきたら、相性の良い隊員かフリーの隊員とバディを組んで任務に行くことになる。
◇◇◇
はい、てなわけで…今日は初の先輩無しの任務です。
バディはいません!ハルトさん曰く、
「あー。立香ちゃんかなり特殊だから、今は能力のことあんまり話して欲しくないんだよね。コウはいいけど、比嘉と組ませたからさ。…だからサーヴァントの誰かと一緒に行くと良い。殲滅部隊の席も用意しとくから」
…とのことで、今回動向するのは────
────エミヤさんになりました!\ジャジャーーン!/
「任されたからには、その役目を全うするさ。警護は任せてくれ、マスター」
赤い外套の長身白髪オールバックは流石に目立つので、髪をおろしてメガネをかけた、サマー・カジュアルのスタイルだ。
「ありがとう、いざってときはお願いねエミヤ」
「ああ、任せてくれ。想定されている等級は低いとはいえ、油断はしないようにしてくれ」
「わかってるよ~」
苦笑しながら返す。今回の任務は、
鞄から、渡された被害についての情報が載った書類を取り出し、改めて目を通す。
「えーっと…被害者は5人。年齢は25のいずれも女性。そのうち、3人の惨殺死体が路地裏で見つかった。残り2人は生死不明。
行方不明になったのは大学の飲み会の帰り道。発見された遺体は、全身に切り傷があり、両手の指は全て爪を剥がされた状態で、更に切り落とされていた。
1名は頭を激しく損傷していたが、残りの2名は、拷問の形跡こそあったものの、喰われた形跡が診られなかった。理由は不明。
本件は、被害者の身元、遺体の状態は殆ど秘匿し、あくまでも誘拐殺人として報道する───」
ここまで続けたところで、私は怒りと嫌悪で顔をしかめた。エミヤにも、私と同様、嫌悪と怒りが見て取れた。眉間にシワを寄せ、拳を握りしめている。
「…ずいぶんと悪趣味だな。数ある憑从影の被害報告書に目を通してきたが、コイツは取分けだ。捨て置けん。何としても狩るぞマスター」
険しく、怒りの籠った眼。だが、冷静だ。
「うん!…じゃあ、先ずは現場を見に行こう。何か痕跡があるかもしれないし」
「了解した」
◇◇◇
訪れたのは、まだ昼だというのに薄暗い路地裏。
「ここがその遺体の発見現場か?」
「そう。ほらあそこ。血の痕がついてる」
指を指した先には、古びた排気口のそばのアスファルトの地面と壁に、乾いた血痕がこびりついていた。
「エミヤ、なんか解る?」
「少し時間をくれ。もし、被害者を切りつけたものが異能力によるものなら、多少なり痕跡が見つかるだろう」
排気口のそばにしゃがみこみ、地面に手を触れる。
「ふむ、拷問されたのも、殺されたのも、此処ではないな。もっと離れた、別の場所だろう。異能力の使用形跡が見られない。
それと、被害者の遺体も直接見てきたが、凶器に使用されたのはメスと、指には大型動物用の爪切り。それだと出血量が血痕と合わない。血痕は大方、遺棄した時に滴ったものだろう」
「へぇー。探偵みたい。凶器まで解明するなんて」
「ははっ、探偵か。これくらいの推理は、誰でもできるさ。凶器も、遺体を直接みて解析しなければ解らなかったし、私が偶然、そういったモノには詳しかっただけさ」
自嘲気味に笑ってエミヤは言った。
「現場にきても、
エミヤは顎に手を当て、困ったように呟いた。現場にきても、憑从影が使う武器が解ったの以外は収穫無し。どうしたもんかなぁ…。
「───あ」
「? どうかしたかね、マスター?」
思い付いた。エミヤには絶対怒られるし、止められる。けど、これが一番犯人を呼び寄せる最適解。
「エミヤ。私が囮になるっていうのは?」
「! ───マスター。流石に反対だ。君はまだ実戦経験が無い。例え、君に中級の実力があるとしても、実戦と訓練では雲泥の差だ」
エミヤは眉間にシワを寄せ、険しい表情で諌めるようにそう言った。
「解ってるよエミヤ。でも、それが一番ヤツを捕まえやすいのは事実でしょ?最悪、背中にいる皆に力を貸して貰えば良いし」
「マスターそれは─────いや、君には何を言っても無駄だったな。全く、何故私はこうも我の強いマスターばかり当たるのか…」
諦めたようにため息をついた。
あー。そういえば、
いや、考えないほうが良さそうだ。
「──続きね。私まだ15だし、憑从影の好みど真ん中だと思うの。夜に私が被害者が飲み会してた飲み屋を中心に散歩する。エミヤは遠くから監視。私が拐われたらそれを追ってきて」
「…了解した、マスター。いざとなったら───」
まだ完全には飲み込みきれていないのか、心配そうな目だ。
「解ってる。力も使うし、無理そうなら令呪も使うからさ」
そうして、私は夜の繁華街に出向いたのだった。
ーサーヴァントの異能力系統ー
正直サーヴァントのスキルや宝具を無理やり異能力に当てはめているだけなので、異能力の範疇に収まらないやつが多い。
ギルガメッシュ(弓)→浮遊系(浮遊系のクセに近接もちゃんと強い。相手の人間性と態度、そしてその日の気分で強さが変わる)
エミヤ(弓)→浮遊系(遠中近、なんでもいけるオールラウンダー。アーチャーの癖に弓を使う)
アルトリア(剣)→動物系(赤竜の因子『竜の炉心』により、生前ほどではないが、生きているだけで絶大な魔力を生成できる。おまけに
クー・フーリン(槍)→動物系(狗。因果逆転の呪いの朱槍。半分神のやつが弱いわけがない)
メディア→浮遊系(お手本のような浮遊系。遠距離超得意、近距離超苦手)
呪腕のハサン→憑依系(魔神シャイタンのせいで誰も憑依させられない。シャイタンの腕がアホみたいに強いので
佐々木小次郎→動物系(早い。魔力無しで多重次元屈折現象を起こすバケモノ。NOMIN)
レオニダス→守護系(
え?今回も説明多い?それはごめん。