ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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山田村長の奮闘

「うはは! こりゃすげぇだ! 苦戦していた鬼の魔物を一瞬で肉塊にすることができるでねーか!」

 

「親父、その状態を外国ではトリガーハッピーって言うらしいぜ」

 

「なんだ善作、おめぇなんか冷めてねぇか?」

 

「いや、俺も山田村長と一緒に何度も潜らせてもらった時にやらせてもらったから親父でも同じ状態になるんだなって思って」

 

 戦車の中で小作人の佐藤親子は戦車に乗り込んで最下層のモンスターの間引きと金でできた鬼の角、そして特殊な合金である鬼の金棒を拾い集めていた。

 

「いやぁしっかし、山田んとこの倅が村長に抜擢されて、部屋住みの若えのに仕事をじゃんじゃん与えたと思ったら、色々な機械を導入してオラ達小作人の仕事がなくなっちまうとは……」

 

「それだけ時代が進歩してるっちゅうことだろ。俺も小学校で同級生だった山田が都心の学校に行って、戦争の英雄になって帰ってくるとは思わなかったけどな」

 

「えらい別嬪さんのお嫁さんを連れ帰ってきてなあ。いやぁ、都心の娘さんはあんなに綺麗なんだな」

 

「蘭子さんの美貌はエグい。村の女性陣も嫉妬も出来ないくらい別嬪さんだもんな」

 

 山田が村長を行う村では、山田が既に7つのダンジョンの管理権を譲渡してもらい、村で共同管理する決まりを作り上げていた。

 

 そして山田と嫁さん方と使い魔がダンジョンのボスを倒し、適度に間引きをしながら活用方法を模索。

 

 それに見合った機材と使い魔を整えてから村人達にも探索者になれるようにレベリングを行ってもらった。

 

 若いのは山田の使い魔達と模擬戦をしたり、使い魔を貸したり、モンスターから奪える上物の刀や槍等で武装し、実際にダンジョンに潜ったりしていた。

 

 それで得られたダンジョンの品々を村の加工工場でインゴットや素材に加工してから町の工場に運搬し、それで得た利益を村に投資して村のメイン収入である農業に惜しみなく注がれていった。

 

 結果、鬼を倒せば金が取れる金鬼が見つかったり、転生者達が注目しているジャパニウム鉱石がじゃんじゃん採掘できるため、村はここ4年で一気に裕福になり、地主や自作農の方々は村長の伝手でトラクターや収穫機、田植え機、精米機等の新型の農業機材や肥料類を安く大量に手に入れることに成功した。

 

 そのため農業に資金が投入されて機械化されていった結果、小作人を雇う必要がなくなり、どんどん解雇されてしまったのである。

 

 そんな小作人達を山田村長は見捨てず、男は探索者や採掘者、女性は加工工場の従業員として働くことを提案し、村長の援助を受けながらレベリングをしてダンジョンで働ける様になっていったのである。

 

 なんなら小作人時代よりも良い生活が出来ている人の方が多かった。

 

「借り物とはいえ戦車っちゅう鉄の化け物を貸してくださるとは」

 

「それに俺ら親子は使い魔を扱える才能があったから期待されてるもんな……狸娘達、また鬼が湧き始めるから拾ったのまとめて一旦戦車周りに集まれ!」

 

 佐藤親子は縁が深かった化け狸達を使い魔にし、それを育てて狸娘へと進化させていた。

 

 臆病な狸達であるが、人並みの知能はあり、銃やスコップで武装して佐藤親子を守っていた。

 

 ちなみに佐藤親子は本格的に鍛え始めて2年目で、レベルは親父が50、息子が80で、狸娘達が35くらいである。

 

 転生者達は使い魔の従えられる数と種族に制限は無いが、普通の人だとテイムのスキルを持っていても、相性の良いモンスターを最大10体まで(才能によっては5体とかもっと低くなったりする)とおおよそ決まっていた。

 

 佐藤親子はそれぞれ10体ずつ従えており、20体で運用していた。

 

 ちなみに移動する時は封魔管に入れて移動しており、仕事現場もしくは家では放し飼い状態となっている。

 

「善作様! 狸隊持ち場に着きました!」

 

「よし、狸隊は戦車の側面と背面を固めてくれ。親父、俺運転するから、銃また頼むぜ」

 

「おう、任せろ!」

 

 そんな感じで村人達も徐々にダンジョンに潜る頻度が増えていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 そんな山田こと村長はそろばんを弾きながら爆速で計算を続けていた。

 

「旦那様、食事ができましたよ」

 

「ん、蘭子悪いな。ちょっと飯にするか」

 

 テーブルに置いていた書類を片付けると、蘭子と一緒に食事を取る。

 

「タマモとアリスはどうした?」

 

「先にお風呂に入っていますよ。村の方々の護衛や鍛錬を頑張っていますからね」

 

 並べられている料理は鶏肉と大根の煮物、ぬか漬けの野菜、野菜たっぷりの味噌汁に山盛りご飯と一般的な家庭的な料理が並んでいた。

 

「うん、今日も美味しい。腕を上げたな蘭子」

 

「ふふ、ありがとうございます。それにもう少ししたらお父さんになりますものね」

 

「まぁ村も落ち着いてきたし、子供を作るとしたらちょうどいいだろう」

 

 転生者達の間でもぼちぼち結婚したり子供を作る人物は出てきていた。

 

 戦争に参加して活躍した転生者達の殆どが士分となり、重婚も許される立場となった影響で、男性転生者達の多くは後援者の娘さんだったり、高校で仲良くなった女性、もしくは使い魔、同業の探索者、村に戻ってから幼馴染と結婚したりと色々であった。

 

 で、子供が産まれてくる訳であるが、再び転生者が産まれてくる……ということは無かった。

 

 普通になんの能力も持たない人間の子供であり、転生者達が培った一般人を育てる教育マニュアルで育てる必要が出てきていた。

 

 なので再び成長の種の需要が高くなり、農地を持つ転生者達は成長の種を栽培を再開したりしていたが……。

 

「タマモとアリスも子供が欲しいって言ってたし、普通に抱いているからそのうち子供もできると思うが」

 

「ふふ、そうですね……でも旦那様の子供なのできっと大成してくれるでしょう!」

 

「そうだと良いが……」

 

「ところでなんの計算をしていたのですか?」

 

「ん、異界で採取した素材の加工及び売却費とかそれに伴う機械の購入費用の差額についてな。村民達に支払う給料とか村の利便性を上げるために食料雑貨店の出店を誘致したりな」

 

「食料雑貨店ですか?」

 

 村にも食品類を扱う個人商店があるのだが、その店主と話し合って食料雑貨店……スーパーマーケットへと改築することができないか交渉していた。

 

 スーパーマーケット自体は史実では1950年代に日本に上陸した商業形態であり、起業家の転生者が都心部を中心に総合スーパーをオープンさせ、人気を博していたが、そのチェーン展開をする場所を求められていた。

 

 その候補地の1つとして山田の村も手を挙げていたのである。

 

「色々な食材が纏めて買える場所があった方が蘭子もやりやすいだろ?」

 

「そうですね……この村だと商店で買える物も限られてますし、車で町に買いに行かないと魚や肉を買ったりするのもままなりませんからね」

 

「お金を稼げるようになったら使える場所の提供をするのも村長の役目……か。はぁ、探索者でバリバリ稼ぐと思っていたらこんなことに」

 

「でも楽しんでますよね?」

 

「……まぁな!」

 

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