ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「ふう、なんとか金剛の姉妹艦が形になったか」
Jハイテン導入及び、宝田動力との伝手でマナタイトタービンを引っ張ってきたことで1912年の秋には金剛型2番艦である比叡が竣工を終えて海軍に引き渡された。
建造期間1年半と転生者達の力とダンジョン由来の特殊鋼を使ったこと、溶接を多用したことで、通常3年から4年かかる戦艦の建造を大幅に短縮することに成功していた。
建造期間が短ければ人件費等や建造費も安くなるので、予算が限られている海軍側からは数々の提言を行い、安くて、とても速くて、戦艦以上の防御力と攻撃力を有する比叡の完成度の高さに大歓喜。
設計主任は少将へと昇進し、設計の大部分を担った海軍ニキ改め、軍艦設計ニキも2階級特進で少佐へと昇進。
更には1から駆逐艦の設計を任されるに至った。
比叡や以後出てくる4隻のJハイテン使用巡洋戦艦達は設計主任やイギリスから導入した金剛の影響を強く受けており、強いは強いのであるが、未来の軍艦を知っている軍艦設計ニキの考えでは少々洗練されきってないように思えてしまった。
「軍縮条約が無い今、作るとしたら2種類だな。他国に売り込める凡庸な性能及び生産性と対潜水艦能力を高めた駆逐艦と大型の20年30年使えるように拡張性を持たせた駆逐艦だな」
潜水艦に備えた駆逐艦というのは、ドイツが潜水艦を多用して海上封鎖を行なってくる……というのが関係していた。
売り込む先になるイギリスやフランスに対して潜水艦の攻撃で沈まないし、逆に相手を沈めることができるというのは売り文句として素晴らしく、例えJハイテンを使っていても、ジャパニウムが手にはいらない両国ではコピーもできないから製造できるだけして高く買い取ってもらい、建造技術向上と外貨獲得に使えれば……と思っていた。
なのでマナタイトタービンでは無く普通の重油を使う動力を基本とし、速力も28から30ノット程度(時速51キロから55キロ程度)あれば十分と既存の駆逐艦の動力機関を移植すれば問題なかった。
一方で、日本海軍が使うマナタイトタービン搭載型駆逐艦は、マナタイトが日本国内でしか産出しないため、補給に必ず日本に立ち寄る必要があるため、海外転売はもってのほか、駆逐艦の積載量では航続距離的にヨーロッパまで往復がギリギリで、運用するとなると燃料不足に陥るので輸出厳禁の代物となった。
その分性能は素晴らしく、普通の駆逐艦の倍の大きさがありながら、45ノット(時速83キロ)で進む事ができるし、大砲もそれに合わせて軽巡洋艦並みのを乗っける事や、副砲、魚雷発射管、対潜水艦装備等の艦装を色々載せること、船員に対しても広い居住空間を与えることができて、コストが既存の駆逐艦とさして変わらないという程度に抑え込んだ。
設計主任とズブズブなので、高性能の方は普通に通り、建造が開始されたが、わざわざ廉価版を作る必要があるのかと問われ、欧州情勢の悪化やタイや中南米で船を欲しがっている勢力は幾らでもあるというので、各国に売り込みを行ったところ、清国が真っ先に手を挙げてきた。
「清かぁ……」
正直清国に売り込みは他の列強を刺激しないか心配だったが、売れるんなら作った方が良いだろうと使える艦が少しでも欲しい清国の要請で10隻発注され、1隻5ヶ月という短期間で建造、1913年に10隻が清国に輸出され、金や銀貨等で支払われた数カ月後に革命が勃発。
ゲームの世界でも日清戦争が無いので2年ほど延命したことになっていたが、度重なる各国との圧力や、ロシアが日本の賠償金を清国に肩代わりさせたことで急速に瓦解。
1914年の春前に清国は崩壊して、国民政府が成立。
中華民国として新しく成立するのであるが、無数の軍閥が分離独立し、中国は再び戦国時代へと突入していくことになる。
売り込んだ駆逐艦は殆どが国民政府に吸収されてしまったが、一部ロシアに流れたらしく、日本軍の研究に使われたものの、Jハイテンの復元に失敗して結局スクラップになっていたとロシアで諜報活動をしている転生者から情報が共有された。
海軍の方では清国に格安駆逐艦が高値で売れたことにホクホクであり、その資金を使って旧式化していた駆逐艦の更新に使われ、追加予算も合わせて32隻の新型駆逐艦の予算が付いた。
これにより旧式の駆逐艦は練習艦や標的艦となり、欧州大戦が始まる前に5隻の新式の大型駆逐艦が竣工され、ようやく世界水準の海軍になれたと海軍関係者一同は大喜びであった。
ちなみに一番利益を享受できたのは探索者の皆さんであり、ジャパニウムの需要の高まりで、少し値段が高騰したので、滅茶苦茶採掘しまくり、なんなら採掘業者を立ち上げる者すらいた。
「まぁこちらは使える軍艦増やすために頑張るかね……というか幕府も駆逐艦とはいえよく32隻も予算ひねり出せたな」
それだけ清国が駆逐艦を高く買ってくれたってことであるが……。
ちなみに軍艦設計ニキが一番好きな艦種は空母であり、日夜空母の設計をすることになるのだった。
【国際情勢スレ】
1:外務大臣
いよいよ始まる1914年になった訳だが、国際情勢を色々解説していこう
2:名無しの転生者
よろしくお願いします
3:外務大臣
外国人部隊ニキのもたらしてくれた各国の新聞やロシアに潜伏しているニキ達によるとまず前哨戦が度々起こっているんだ
4:外務大臣
1911年伊土戦争(イタリアVSオスマン帝国)
1912年第一次バルカン戦争
1913年第二次バルカン戦争
5:名無しの転生者
ヨーロッパの火薬庫に着火してるじゃん
6:名無しの転生者
ゲーム的にも欧州大戦の前哨戦あつかいだよね?
7:外国人部隊ニキ
注目するべきは1911年の伊土戦争……ここではイタリア軍が初めて飛行船を用いて空爆を実行した戦いで、イタリアは海軍的な優位でオスマン帝国に勝利、それによりオスマン帝国に占領されていたバルカン半島の諸国が独立戦争を勃発させたのが第一次バルカン戦争に繋がるね
8:名無しの転生者
オスマン帝国の終焉が近づいてきたか
9:名無しの転生者
欧州大戦が勃発したら日本軍は派兵される感じなの?
10:陸軍大臣
いや、陸軍は観戦武官送って終わりだと思うぞ
海軍はイギリスに金剛造ってもらった際に5年以内に有事が発生した場合、金剛もしくは同型艦を派兵して海軍の活動に協力するという条文が盛り込まれていたから、派兵せざるを得ないけど
11:名無しの転生者
うわ……海軍巻き込まれるやつじゃん
12:名無しの転生者
金剛派遣するんか?
13:海軍大臣
金剛では無く比叡と榛名が遠征に用いられると思う
とてもじゃないが、防御力に難のある金剛を遠征には使えないよ
14:名無しの転生者
だろうな
15:名無しの転生者
というか海軍上層部はイギリスにまんまと乗せられたわけか
16:名無しの転生者
どこに突っ込まされるか分からないな
17:名無しの転生者
自動車王はそう言えば更に生産性を上げた軍用車両の開発に成功したって聞いたけど
18:自動車王
輸出向けに既存の100馬力エンジンを用いた3人乗りのジープ(車種の名前)もどきを完成させた。
天候に左右されないダンジョンでも使い勝手が良いと好評だし、悪路でも問題なく動く。
Jハイテン鋼を用いたことで既存の溶接技術でも強度に問題はない
19:名無しの転生者
でもお高いんでしょう?
20:自動車王
お値段なんと1台75円、製造費40円
21:名無しの転生者
軽トラックより安いじゃん
22:自動車王
とにかく大量生産できるようにコストカットと悪路走破性能を高めただけだから
まぁ今の日本だとこの車が一番国民車に近いかもしれないけど
23:名無しの転生者
その車買える?
普通に農村で使いたいんだが
24:自動車王
普通に販売しているから近くの販売店に声かけてみてね
25:名無しの転生者
日産どれくらいなの?
26:自動車王
今の規模だと全力生産で日産30台
輸出前提で工場拡張しているから250台規模にはできそう
27:名無しの転生者
輸出用の船も多く建造されているんだっけ?
28:造船王
海軍で導入している溶接技術を応用して短期間で造れる船を2年前から量産中
今までは転生者達に投機向けに造っていたけど、欧州大戦で捌けると思うから全力生産中
銀行からは製造縮小求められてるけどね!
29:名無しの転生者
うわ、危ない稼ぎ方してる
30:造船王
まぁそのうち海軍の軍艦製造させてもらうから技術向上のために……今は無茶する必要があって……
欧州大戦にケリつく前に規模は縮小するよ
31:名無しの転生者
無茶しよる
32:名無しの転生者
でもいよいよ欧州大戦か
33:名無しの転生者
稼ぎ時だからガンガン稼ぐぞ