ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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分裂する日本

 1920年9月1日……転生者達による革命は実行された。

 

 早朝から村上少将を頂点に、シンパになっていた青年将校達が決起し、即座に江戸の陸軍本部と海軍本部を制圧。

 

 海軍でも陸戦部隊である1万人いる海兵隊の隊長が転生者だったこともあり、部隊を掌握し、奉行所を制圧。

 

 江戸が混乱する中、探索者の部隊が江戸城に侵入し、江戸城駐留の御庭番衆と激しい戦闘が始まっていた。

 

「高位探索者の連中め! 将軍家に歯向かうとは身の程をしれ!」

 

「御庭番衆め……現代を生きる忍者故にレベルが高い連中が多いが……これなら突破できる!」

 

 銃ではなく魔法の様なスキルを用いた攻防は派手な爆発、雷が振り注いだり、氷柱が創り出されたりと人知を超える神々の戦いのようであったが、この日の為にレベルカンスト付近まで鍛えていた転生者達を一時的に足止めすることしかできず、突破されてしまう。

 

 そのまま将軍がいる大奥に突入すると、侍女達が抵抗するがそれを無力化し、脱出しようとしていた将軍を捕らえることに成功する。

 

「君達は誰の指示で動いているのだ」

 

 将軍からの問いかけに転生者の1人が答える。

 

「我々は集団の意識で動いている。誰の指示というわけではない」

 

「なに?」

 

「未来に備えるために動いているのです。将軍様を害する事はありませんが、国の舵取りを今しばらく我々に任せてはもらえないでしょうか」

 

「反乱を起こしてまですることであるのか?」

 

「今日中にも天災が発生すると出ているので、将軍様も安全な場所へ」

 

「……仕方がない」

 

 大御所も捕縛されて江戸城も封殺される。

 

 江戸全体で戒厳令が敷かれる中、12時になる直前……巨大な地震が発生した。

 

 相模湾北部を震源とする震度7の巨大地震が神奈川県、江戸、千葉県を襲い、耐震性が無い建物は次々に倒壊。

 

 戒厳令を引いていた軍人達や転生者達は火災が発生するからと低レベルダンジョンに住民達を避難させていった。

 

 大地震発生後、直ぐに関東の太平洋側沿岸部では津波が発生。

 

 鎌倉には7メートル近い大津波が押し寄せて、建物を飲み込んでいったが、ダンジョンに避難誘導が間に合い、死者はごく少数に留まった。

 

 そして江戸では転生者が関わってない化学工場倒壊により出火し、江戸全体が液状化現象に見舞われ、特に千葉方面では液状化により可燃性ガスが地上に流出し、そのガスに引火。

 

 引火した炎は木造の建物を燃焼させ、更にこの日台風が接近していたこともあり、風が強く吹き付け、あっという間に燃え広がり、江戸の殆どが火の海となってしまった。

 

 江戸城の一部も倒壊する騒ぎとなったが、革命軍は本災害救助を行うために将軍より権力の譲渡を行うよう迫り、将軍も災害救助を全力で行うことを条件に、譲歩をのみ、ここに江戸幕府は崩壊、臨時政府が江戸城内で発足。

 

 転生者間で決められていた閣僚人事を速やかに行い、火災が一通り落ち着くのを待ってから、本格的に災害復旧を開始。

 

 土砂崩れや津波により関東近くの一部道路が使えなくなっていたが新政府の革命成功の電文を受け取っていた海軍と地方に展開していた陸軍は転生者による脳内通信と使い魔を用いたやり取りで、地震によって電話線が切断されている中やり取りを行い、復興物資を集めて関東に急行。

 

 愛知自動車が作っていた新型消防車を供与して消火活動を行い、軍艦や輸送船によるピストン輸送で食料や日用品を被災者に送り込んでいった。

 

 大災害にも関わらず、死者数は3000人規模まで抑え込むことに成功し、新政府の強権によって犠牲者を減らすことに繋がったと評価された。

 

 ただ江戸の7割、南関東の4割が火災により焼失し、通信網が回復してくると、関東にて災害前後で革命が勃発し、江戸城では革命政府が救援活動を主導していると知ると、武士が中心で構成された九州の4個師団に中国地方の2個師団、新潟の1個師団に東北2個師団の上層部が革命軍の鎮圧作戦を実行することに繋がり、日本は内戦状態に突入。

 

 海軍は金剛型6隻及び新型大型駆逐艦の神風型駆逐艦12隻、他旧式の巡洋艦4隻、駆逐艦10隻は転生者のシンパが制圧していた事もあり、新政府に合流。

 

 しかし残りの旧式巡洋艦10隻、旧式駆逐艦30隻は幕府側に就き、抵抗の構えを見せた事で、瀬戸内海という陸地に滅茶苦茶近い場所での砲撃戦が勃発。

 

 イギリス製の鋼で作られた金剛が命中弾多発で1番砲塔の弾薬庫に誘爆して大破、座礁する悲劇に見舞われながらも、他の5隻の金剛型戦艦達が巡洋艦2隻と駆逐艦6隻を撃沈し、新政府側が日本近海の制海権を奪取。

 

 生き残った艦船は長崎に逃げ込む事になる。

 

 陸軍の方では災害救助で関東在住の師団は動かせないと説明が入ると、転生者達が集まり、即席軍団を構築して西日本に進撃を開始した。

 

 転生者達はアジア戦車やケイ車等の戦車、大量のトラックを有しており、革命の為に備蓄していた弾薬や被災を免れた軍需工場から弾薬を徴発し、一気に武装を整えていった。

 

 そのまま一番近くだった新潟の師団と戦闘に発展したが、攻撃されると思ってなかった幕府軍は防戦一方となり、ホイ車や歩兵による肉薄攻撃が行われたが、高位探索者達で固められ、車両も付喪神が取り憑いていると、ある程度の故障は自己回復スキルで修復し、殆ど無傷で制圧。

 

 そのまま西進し、転生者が纏めている部隊や新政府に同調する軍と合流しながら京に到達。

 

 京で新政府宣言を天皇陛下に認めさせ、9月5日に江戸幕府が消滅し、日本国宣言を発表。

 

 諸外国にも日本が大災害に見舞われた後に内戦状態に移行した事が伝わり始める。

 

 そのまま軍は西に進み、兵庫県の甲子園(後に甲子園球場ができる場所 今は公園になっている)で東進していた幕府軍5個師団と激突。

 

 激しい戦車戦が行われることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 両軍共にケイ車とアジア号を有し、高い防御力を有していた為、両軍砲弾は命中すれど撃破できない膠着状態が数時間続いたが、転生者に協力する航空隊が到着し、急降下爆撃による上からの攻撃によって幕府軍の戦車は次々に撃破されていった。

 

 更に闇夜に紛れて、転生者達でも最精鋭とされるお嬢様部隊が夜襲を強行。

 

 幕府軍の司令部を急襲し、司令部を壊滅に追い込み、翌朝からの攻勢では司令部が壊滅したことで連携ができなくなった幕府軍は次々に撃破され、降伏する部隊が相次いだ。

 

 武士身分の方々は自決する人も多く、そのまま九州に進出。

 

 幕府軍は抵抗を続けようとしたが、鹿児島の師団は元々薩長反乱で幕府に痛い目を味わっていて、幕府に従順ではなかったため新政府に同調。

 

 挟撃されることになり、長崎まで後退し、長崎に停泊していた幕府側の船に指揮官達は乗り込んで脱出。

 

 そのまま台湾に逃げ込む事になるのだった。

 

 台湾では幕府軍の面々と台湾駐留軍が日本との合流を認めず、台湾国の独立宣言を行い、日本と決別。

 

 武士身分の者達も次々に台湾に逃れ、数十万人が台湾に移住。

 

 一方で反乱に成功した新政府は事前に協議されていた近代的な法律と行政機関を設置し、そのまま関東の災害復興に尽力していくことになるのだった。

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