ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「日本大変な事になってるなぁ……」
外国人部隊ニキこと旧姓大木戸は日本で革命が起こったというニュースが流れ、市民革命であるとして武力政権が討伐されたとフランスでは報道されていた。
ただロシアでは市民革命から共産革命に連鎖した事例がある為、第二の共産革命国になるのではないかと言われていた。
勿論転生者である俺は脳内掲示板を通じて情報をやり取りしていたので日本が混乱しているが、それも既定路線であると確信していた。
「大丈夫なの貴方の祖国の日本は」
「もう、俺の祖国はフランスさ」
「まぁ」
第一次世界大戦で極東から来た英雄やフランスの侍等と評価され、勲章を沢山貰っている俺は特例でフランス士官学校に入学することを許され、将官になる道が開かれていた。
それだけでなく、新聞や小説の題材にさせてくれと依頼が殺到し、快く承諾したことでヴェルダンの英雄として広く知れ渡ることになっていた。
第一次世界大戦終盤に士官学校に入学し、1920年に卒業後は軍管轄の航空機開発のテストパイロットとして活動したり、機甲師団の扱い方についての論文を発表したりして名声を確固たるものにしていっていた。
イギリスの戦車の父と呼ばれているフラー大佐とも連絡を取り合い、共同著書として電撃戦という論文を発表。
まぁフランスの若手将校達やドイツ軍に凄まじい影響を与えることになる本著書であるが、当の本人である俺はどう頑張ってもフランス一回負けるからなぁと諦めの気持ちと、少しでも抵抗できればとフランス軍に発破かける気持ちで論文を発表していたが……。
そしてテストパイロットをする中で、日本から輸出解禁された七六式多目的機がフランスに渡ってくると、フランス航空機産業は強い衝撃を受けた。
まず既存の金属では作り出せない軽量の素材を使って軽快に空を飛び回り、今開発していた単発航空機全てが過去のものになってしまったのである。
そして日本では既に複葉機ではなく単葉機が主流だと知り、単葉機かつ全金属製飛行機の開発が急がれることとなる。
で、開発を急いだのでテスト飛行で事故が多発し、殉職者が出まくり、テストパイロットをやりたがる人が出なくなったので、俺が高い金をもらってやることになり、それでも翼がもげたやエンジンが急停止しただので墜落すること多数。
俺が超人だから死なないものの、もうちょっと安全に考慮して欲しいと思ってしまう。
しかし、身を張ったお陰かそこそこよい飛行機が出来上がり、D.371と名付けられた戦闘機は史実では1931年に誕生する単葉機なのだが、日本の七六式多目的機をほぼ丸々コピーして、フランス製のエンジンや武装にし、できる限り手に入る素材でこねくり回した機体であり、性能も七六式多目的機よりは劣るものの、既存の複葉機よりは使いやすいという評価で落ち着いた。
一時期は七六式多目的機が安価だった事もあり、大量に輸入して国防を担わせるべきだという考えの将校もいたが、国内でライセンス生産するならまだしも、輸入で賄うのは国防上まずいという政治的判断で国産が急がれた経緯がある。
ただフランスは無理をしたおかげで欧州で2番目に性能がよい戦闘機を手に入れた……という評価が下されるのであった。
1番はどこかって……日本と共同開発していたイタリアである。
イタリアに派遣された人達は、日本で革命が起ころうと臨時政府側の人材で固められていたので、イタリアで航空機研究が続けられていた。
その中で、日本がダンジョン素材に頼っている兵器の技術形態は危ないのではないかという考えを持つ技師達が多かった事もあり、既存のエンジンの技術を習得し、日本のエンジンの使えるところを実物をバラしながら解析して新型エンジンを作り上げていったのであった。
出来上がったのがイタリア製星型14気筒空冷エンジンを搭載した航空機で、フランスが200馬力のエンジンがやっとのところ、イタリアは日本と共同開発した結果、安価で熟練工に頼らなくても造れる500馬力エンジンを完成させることに成功し、工業国ではないイタリアでは大歓迎された。
このエンジンを搭載した航空機を作る事になり、ファイアットCR.21と言う名前と共に見た目は七六式多目的機のパクリの様な戦闘機が完成した。
重量は七六式多目的機に比べて1.5倍ほど重くなったものの、出力も300馬力から500馬力に引き上げられているので、多少旋回性能が悪くなったくらいで、最高速度は七六式多目的機より50キロほど速くなっていた。
特にこれを水上機バージョンに改良したのが大受けし、安価で造れることも相まって水上機レースではこの機体が大量に使われることになる。
なお日本に帰国した技術団はイタリアで造ったエンジンをダンジョン素材に置き換え、更に出力が出るように改造したところ、850馬力まで性能が向上し、航空機ニキが作りたいと思っていた機体の必要馬力に到達していると大喜びであった。