ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「ふぅ、航空機ニキも凄いのを作るな」
1921年……新政府が本格的に稼働し始めて、航空機にも本格的に予算が付いた事や、災害時に七六式多目的機が物資輸送や被災者救助、各地の連絡と大活躍だった為に航空機需要が高まっていた。
航空機ニキの所属する武田飛行機は次なる機体としてイタリアで共同研究したチームからもたらされた新型エンジン搭載機の開発に着手。
「エンジンを交換すれば武装も交換しやすい拡張性の高い機体にすればいいんじゃないか?」
ということで850馬力のエンジンを載せた単葉機が爆誕。
技術形態すっ飛ばして、レシプロ機の完成形と呼ばれるアメリカ軍のP51マスタングという機体を参考にして開発に着手した。
航空機ニキは前世でエアレースに出るためにP51マスタングの整備を何度も経験していた事もあり、おおよその部品については頭に入っており、更に探索者として知力が上がっていた航空機ニキは足りないパーツを逆算して自作していき、半年という短期間で試作品を完成。
テスト飛行で初期不良が何個か発見され改良を更に加えて1922年の冬に、ジェット機が来るまでは一線級で使えるような化け物飛行機を完成させたのであった。
八二式戦闘機神風と名付けられた機体は試験飛行で全関係者の度肝を抜いた。
ます重量であるが、特殊カーボンとネオジュラルミンの複合素材を使用し、元のP51の空虚重量(燃料、パイロット、爆弾等を取り除いた機体の重量)が約3.5トンなのに対して、戦闘機の神風は約1.2トン。
全部装備した状態でも2.2トンと滅茶苦茶軽い飛行機であった。
ちなみに軽いと言われる零戦で空虚重量が1.7トンなので、それよりも軽い。
それに850馬力のエンジンを載っけた事で、時速500キロの速度で飛行することが可能であった。
七六式多目的機が時速250キロなので一気に倍の速度で飛べて、武装が12.7mm航空機用機関銃が6丁で弾薬合計が1840発。
爆弾も100キロ爆弾2発か200キロ爆弾1発を抱えることができて、2500キロの航続距離(5時間飛行可能)という現状の航空機を3段階くらい進化させた機体が完成してしまった。
試験パイロット5名の評価はこんな感じ。
『七六式多目的機よりも高速ながら、視界は良好で後方まではっきり見ることができる(バブル・キャノピー採用 360度の視界を確保できる死角が少ないコックピットのガラス張りの屋根部分 ガラスではなく防弾特殊プラスチックを採用)』
『七六式より離着陸の距離は伸びたものの、150メートルの距離があれば離着陸できるし、着陸もしやすい』
『脚(降着装置)が格納されるので飛行時の抵抗が少ない』
『200キロ爆弾を水切りの要領で爆撃(跳飛爆撃)を敢行し、標的船(Jハイテン鋼使用船)を撃破することが可能』
『翼の折り畳み機能を付けることで空母艦載機としても使える』
と、どれも絶賛であり、神風は正式採用し、建造されたばかりの小型空母である鳳翔にも搭載されたり、転生者達が新設した帝国空軍にも多数配備されることになる。
そんな空軍に所属するとある転生者……青春ニキは高難易度ダンジョンを潜り続けて使い魔を50体、ホムンクルスを15人抱える大所帯であり、使い魔達は平均レベル200であり、ホムンクルスも180近くまで育て上げ、ホムンクルス達がとあるブルア◯のキャラにそっくりなので青春ニキと呼ばれていた。
青春ニキは自前で中隊を編成できるとして新型空母の乗組員に空軍から派遣されることが決まっていた。
空母艦載機のパイロットや整備員は海軍で管轄するべきと意見が出たが、転生者達を囲い込むのなら空軍管轄の方がやりやすいとして航空機全般は空軍管轄に落ち着いていた。
「よ、青春ニキ、相変わらずホムンクルスの女性達を侍らせてるねぇ」
「あ、ストパンネキちっす」
同じ訓練場で訓練している性転換した元男性転生者のストパンネキ。
空軍のパイロットの多くは性転換して女性になってしまった転生者達の受け皿として機能し、探索者と兼業でパイロットをやっている転生者が何人もいた。
ストパンネキもその1人で、某空飛ぶ魔女達のアニメから取って、女性部隊に所属する転生者達はストパンネキと呼ばれていた。
「弾丸はペイント弾にしているけど、滅茶苦茶当たるよね。航空機ニキが作ったジャイロ照準器の精度がエグいわ。普通の照準器の3倍は当たる」
「航空機ニキは何でも作るな……」
史実日本では照準器の精度が悪く、ベテランパイロットの勘で調整しないとなかなか命中弾を出すことが難しかったのだが、史実イギリスで開発されたジャイロ照準器を活用することで照準器が物体の速度によって照準を調整してくれるという神機能が取り付けられると、訓練ながら命中精度が格段に上昇していた。
なお転生者達は自前で神風を購入して乗りまくっており、おおよそ1ヶ月で100時間の飛行が目安とされているが、200時間以上乗るパイロットが続出し、曲芸じみた変態飛行をしている猛者が多数いた。
まぁ転生者達は墜落してもピンピンしているので、練度がおかしい事になりつつあったが……。
「青春ニキのホムンクルス達は念話できるから連携取りやすいでしょ」
「まあな。ただ普通の無線の性能は上げてほしいわ。雑音凄くて聞きづらい。そう言えば転生者がラジカセ作って売り出したらしいじゃん。あれ飛行機内に持ち込んで音楽聞こうかな」
「訓練中だけにしておきなさいよ」