ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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ワシントン海軍軍縮条約と白龍型空母

「ふぅ……何とか条約を纏めることができましたか」

 

 1922年、外務大臣ニキは諸外国を飛び回り、新政府……日本帝国の承認とそれに伴う幕府に課されていた不平等条約の撤廃及び新しい条約の承認を行っていた。

 

 国家承認はイギリスとフランスの後押しがあり、素早く進んだものの、一番の問題は海軍軍縮条約であった。

 

 ワシントンで話し合われた軍縮条約であるが、アメリカは日本の海軍力を大幅に制限するためアメリカの艦数の半分以下……アメリカ、イギリスを10とした時に日本4、フランス、イタリアを3.5とする方針で進めようとしていたが、日本は台湾に逃げ込み独立国となっていた台湾国や北満州を飲み込み、極東に再び進出してきたソ連からの防衛、及び東南アジアの南洋諸島の防衛を考えると7割は必要であるとふっかけた。

 

 交渉を続けた結果、アメリカが10で日本が5以下であると極東におけるパワーバランスが崩れると懸念。

 

 イギリスとしては欧州大戦で大活躍で安価なJハイテン鋼の供給が日本しかできない為、裏取引でJハイテン鋼の一定量の供給を条件に日本が6.5の大型艦を保有しても良いとする代わりに、アメリカで問題になっていた南米への戦艦の輸出を30年間禁止するという条件でアメリカを丸め込んだ。

 

 流石外交の達人であるイギリス。

 

 ただアメリカに配慮する必要があると考えた外務大臣ニキは既存の6隻の戦艦以上の戦艦の建造はアメリカもしくはイギリスが新造戦艦を造った場合に限り建造するとして、新造しない限り戦艦は造らない宣言を行った。

 

 戦略兵器である戦艦を造らない宣言はアメリカから好意的に受け止められ、日英同盟とかもこの世界は無いので、ワシントン海軍軍縮条約はアメリカとイギリス10に対して日本6.5、フランス、イタリア3.5で決着。

 

 ただ分離独立した台湾を国として認めるとアメリカは言い、日本は不服としたものの、何かできるわけじゃないからと文句は言わなかった。

 

 で、覚えているだろうか……アメリカは金剛型戦艦の姉妹艦を建造した時に戦艦を20隻増産しており、アメリカは現段階で30隻の戦艦を保有していたのである。

 

 イギリスはこの時新旧合わせて28隻だったので、アメリカが2隻廃棄しなければならなかったが、イギリスが建造途中の戦艦が2隻あったので、それを承認することで数を合わせ、日本は戦艦以外の大型艦を19.5隻分持っても良いことになったが、日本……大型艦が震災の影響で建造ストップしていて、金剛型の6隻と0.5隻に当たる小型空母の鳳翔と龍驤の2隻で合計7.5隻分しか埋まっておらず、空母ならあと12隻造っても良いという軍縮? とハテナマークが付く状態に。

 

 アメリカとイギリスが大型艦作りまくった弊害である。

 

 海軍に外務大臣ニキが連絡したら、大勝利と大喜び。

 

 戦艦造れなくても時代は空母だからと超高性能な神風型戦闘機を見ていた海軍の士官や将官達は航空機の時代を確信していたので、特に問題にはならなかった。

 

 ワシントン海軍軍縮条約の次は1930年にロンドン海軍軍縮条約が発生するので、それまでに海軍をある程度整備する必要があるとして、帝国政府は災害復興で自粛気味だった大型艦の建造を解禁し、軍艦設計ニキの設計の元、四大財閥にも建造を発注してバランスを取った。

 

 更にJハイテン鋼の重量を重くした代わりに強度と柔軟性、加工のしやすさが更に上がったJS(ジャパニウム シップの頭文字から)ハイテン鋼の生産が始まり、次世代の船舶にはこれが使われていく事になるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが新型空母の白龍と赤龍か……」

 

 海軍大臣ニキが視察した造船所では条約前より建造が始まっていた白龍型空母の基礎が鎮座していた。

 

 小型空母の鳳翔と龍驤の2隻で建造及び運用経験を詰んだ為、満を持して建造されている本格的な艦隊空母であり、最新技術がこれでもかと搭載されていた。

 

「真空管のコンピューターの前にトランジスタコンピューターと初期型のレーダー設備が搭載されるとは……前世の日本海軍が聞いたら涙を流すぞ」

 

 白龍型空母は4隻の建造を予定しており、どちらかと言うとアメリカ色の強い空母であった。

 

 アメリカのエセックス級航空母艦を参考に、滑走路が9度の斜めになっているアングルド・デッキを採用し、より近代的な見た目になっていた。

 

 航空機の搭載機数は100機以上搭載できるようにしてあり、格納庫は開放式(閉鎖式と2種類あり、開放式の方が攻撃を受けたときにダメージコントロールがしやすい 搭載機数を増やせるという利点がある)を選択したりと運用がしやすい用に工夫されていた。

 

 勿論悪名高い三段甲板(多段層式の甲板 発艦と着陸が別々でできる利点があるが運用がしにくく、アングルド・デッキがあれば無用の長物で欠点の方が多い)ではなく全通飛行甲板(1枚の平べったい甲板)が採用されている30年先取りした空母であった。

 

「実際この艦なら改修を続けることでジェット機の運用もできるように設計されてるので、70年は現役で活動できる船になってますよ」

 

「軍艦設計ニキ! でも日本艦に問題だった撃たれ弱さはどうなってる?」

 

「はい、甲板を特殊カーボンとJハイテンの複合甲板にしているのと、重量を整えるために船体を重くしたバランスを取るのに甲板が150mmの装甲化しています。複合装甲化したので1トン爆弾にも耐える強度があります。実質装甲空母ですね……なんなら史実大和の砲撃の直撃も耐えますよ」

 

「魚雷に弱いってオチ無い? 史実日本唯一の装甲空母だった大鳳が魚雷1発で呆気なく沈んだけど」

 

「船体は多重装甲になっていて、装甲の間に非可燃性のジェルが注入されており、魚雷のダメージを防ぐ様工夫されています。同じ箇所に数発食らわない限り問題ありません」

 

「不沈空母って訳か」

 

「不沈ではないですけど、大戦時に陳腐化しないように造られてます。以後はこの白龍型を基準に発展させていければと思います」

 

「となると艦上戦闘機は何とかなったから、艦上爆撃機と艦上攻撃機をなるべく早く作らないとか」

 

「偵察機もですね。電子戦で勝てる様に無線やレーダー、各種補助装置……必要な物は沢山ありますよ」

 

「そう言えばとんでもない緊急脱出装置が出来上がったって聞いたが」

 

「あ、ダンジョンの転移装置の仕組みを使って、機体が限界を迎えたら、転移石の入ったレバーを引く事で登録している場所に瞬時に戻ることができますね」

 

 一方通行であるが、撃墜されそうになったり、機体が限界を迎えて脱出装置を作動すれば空母に体だけ瞬時に戻れるらしい。

 

 海上で撃墜されると、救助できなくて亡くなるというのが普通に起こるのだが、この装置を取り付けた事でパイロットが亡くなる確率を95%減らせることにも成功したのである。

 

 なんなら神風特攻しても生きて帰ってこれるチート装置である。

 

「とんでもない物作ったな……戦争が変わるぞ」

 

「戦争なんて理不尽の押し付け合いじゃないですか」

 

「まーな」

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