ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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首相ニキと官房長官ニキ

 1924年、この年には真空管の量産体制が整い、真空管ラジオなどの製品の普及が進んでいた。

 

 史実では大正デモクラシーが巻き起こっていた時代であるが、幕府崩壊から4年、徐々に民主化の政治体系への移行が進められていた。

 

 首相ニキ達は普通選挙法案を可決し、ダンジョンがあることで男女の力の差が少なくなり、男女平等の普通選挙が実施されることとなった。

 

 武士階級の人達も武力闘争で政権奪取は不可能と判断し、地元の基盤を使って議員を送り込む動きが活発化。

 

 それを新政府の息がかかった人物達が牽制する……というのを繰り返しており、そんな中日本初の選挙が実施されるのであった。

 

 政党は転生者達が推している自由党、保守層が支持している保守党、社会主義者達が支持している社会党、労働者達が支持している労働党の4つの大きな政党がガチバトルをした結果、自由党が所得倍増、一家に1台ラジオ、冷蔵庫、洗濯機、自動車を持てる社会にすると声高らかに宣言していたため、国民の支持が集まり、衆議院、参議院の両選挙となった。

 

 貴族院ではないのかと思われるかもしれないが、貴族の力がこの世界では弱い為、最初から戦後モデルの衆議院、参議院制となり、衆議院は4年制で解散があり、参議院は6年制で3年ずつで半数入れ替わりと現代に近い感じとなり、定員は衆議院500名、参議院250名の合計750名の国会議員という形になる。

 

 今回は衆議院500名と参議院125名の選挙で、結果は自由党が全体の3分の2の単独で法律を制定できる人数を獲得し、転生者も30名が議員として潜り込む事に成功した。

 

 直ぐに組閣され、一部重要では無い大臣が外されたりもしたが、首相、官房長官、財務大臣、外務大臣、内務大臣、法務大臣、産業大臣は転生者が選挙でも勝った為、引き続き務めることに。

 

 陸軍大臣ニキと海軍大臣ニキも引き続きで、大きく内閣が変わることはなかった為、国民が新政府を支持していることが浮き彫りになる結果であった。

 

 野党筆頭は労働党で次に保守党、最後に社会党という順であり、社会党が負けたのはダンジョンがある日本で社会主義政策をするより、働いたら働いた分だけ稼げる方が豊かになれるというのが目に見えていたし、新政府が労働者保護法や最低賃金の制定、国民保険制度や医療負担費用の削減などの社会福祉系を充実させたので、社会党ではなく自由党が引き続きやってくれるからいいんじゃねぇかみたいな雰囲気になり、選挙で大敗する結果になっていた。

 

 あと社会党はカリスマ的存在が不在だったのも大きい。

 

 自由党は国民的英雄である陸軍の村上ニキが支援している政党というのも大きかった。

 

「ふう、普通選挙を実行し、勝利できて良かった」

 

「総裁……いや、首相再就任おめでとうございます」

 

「ありがとう副総裁、いや、君が次の官房長官だがね。コテハンも官房長官に変えるか?」

 

「変える時は2代目首相の時にしますよ」

 

「はは、自由党が勝ち続ける限り私と君、あとは他派閥の長をしている転生者が回すことになるかね。年功序列を吹っ飛ばせる革命で掴んだ地位だがね」

 

「ただお陰でアジア戦争の1940年代まで選挙で勝ち続けられれば転生者が政治的頂点に立ち続けられることになります。まぁアジア戦争時には首相の座は海軍大臣ニキもしくは別の海軍出身の転生者か国難の時に生えてくるリアルチート、原作ゲームの主要かつ有能な政治家キャラに譲りましょうか」

 

「その時は挙国一致体制になるだろうがね」

 

 首相ニキと官房長官ニキは祝杯を挙げながら今後の方針について語り合う。

 

「選挙を実行したことで、外国からも軍事政権ではなく民主化に成功したとアピールすることができた。民意を持って迎えられた政党が国を動かしているのであればアメリカやイギリス、フランはとやかく言わんだろう」

 

「そうですね。政府の正当性を外国に認めさせるためにダンジョン周りで譲歩しましたからね。これで主導権を握り直すことができる」

 

「学校給食に成長の種や成長を促す食材の導入にも成功したから、これで日本国民は圧倒的なアドバンテージを得ることになるだろう」

 

「小中学校の給食の導入及び食事バリエーションの普及……電気式炊飯器や冷蔵庫の普及及び家庭の電化……電力自体はマナタイト発電所の増設で賄える計算ですね」

 

「工場の必要電力も高まってきているかな。マナタイト発電所の増設及び改良や大型化は必然だろう。原発並みの電力を発電できるマナタイト発電所は普通にチート過ぎるな」

 

「電力の供給は問題ないとして、送電設備の普及を急がないと、都市部では電化が始まっているが、農村ではまだだし」

 

「あとは裏日本と呼ばれる日本海側や東北地方の開発も急務だ。鉄道網の整備、舗装路の整備……やるべきことは山ほどある」

 

「あとは実用的な電気式鉄道車両……電車の開発にもドイツの技術接収と鉄道技術者をしていた転生者、及びその影響を受けまくった技術者達のお陰で成功したと報告があがっている防空対策として地下鉄の敷設や全国の鉄道の電化……これもやらないといけませんな」

 

 やるべきことは沢山ある。

 

 首相ニキと官房長官ニキは開発された栄養ドリンクを飲み干すと、自身のやるべきことを務めるのであった。

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