ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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流星の開発

「国民皆兵……字で表すのは楽だけど、実際にやるとなるととんでもなく難しいぞ……」

 

 山田の村……いや町に格上げされたので東京の奥多摩近くにて俺こと山田太郎は異界管理法の改正で、ダンジョンの管理体制が大幅に近代化し、人員の配置や専用の設備の建築に大忙しであった。

 

 一番変わったことといえば、ダンジョンの入り口の整備である。

 

 入り口の幅が幅広2車線かつ、高さが4メートル以上と決められ、戦車が通れる広さかつ、大型トラックでも通れる高さとなっていた。

 

 更にダンジョンを管理するための小屋を設置するように指示されており、俺はせっかくならと探索者達が休憩できる宿舎と食事を食べられるレストラン、それに簡単な道具は揃えられるホームセンターを併設したそれなりの大きさの施設を設置した。

 

「それにガソリンスタンドを併設すればある程度地域需要はあるだろう。道の駅みたいに市場を開くスペースを作っても良いし」

 

 なお山田のガソリンスタンド、格安ホテル、レストラン、ホームセンターをベースに、スーパーや図書館等の施設が入れられた環境がデフォルトになっていくことになるのだった。

 

「しっかし、ダンジョン農法が広がったお陰で、地主達が力を失うとは……まぁ金を持っているから新しい事業を興して大多数は持ち直したけど」

 

 ダンジョン農法が広まりを見せたことで、地上で作っている作物の価格が下落してしまい、ダンジョンで大規模農業をしている所に押されて、地主達の没落が始まってしまった。

 

 ダンジョン近くの土地を抑えて借地にしたり、他所から流入してきた住民に住居を貸したり、なんならダンジョン素材の加工工場を建設したりして生き残りを図っていた。

 

 もちろん普通の農業も大規模でやればまだ採算は取れる状態なので、農業に固執している地主もいるが、ダンジョンに潜る元小作人と収入に差がなくなり始めたりもしていた。

 

「そう言えばスキルの書っていうアイテムを売り始めていたな」

 

 スキルの書とは数円から数百円するが、望んだスキルを覚えることができる書物で、転生者の元攻略班がエンドコンテンツであったスキルの書の量産に成功し、軍や民間で需要が高まっているテイムのスキルと治癒のスキル、念力のスキルの3つを重点的に作られていた。

 

 テイムスキルはモンスターを使役するスキルで、これが無いと収入に大幅な差が出るとされていた転生者必須スキルであったが、普通に覚えても20体、スキルの書を使うと更に劣化し、5体までしか使役できないが、無いよりはマシだとして一般探索者や学生に売れまくっていた。

 

 治癒や念力も似たようなもので、自分が覚えるスキルよりは劣るものの、治癒を使えば自己治癒である程度の怪我や痛みを耐えることができるし、大きな病や怪我でも生存率が高くなった。

 

 念力は重い物を手を使わずに運べるということで、産業で重宝されている。

 

 色々な仕事に応用できるので必須スキルと言ってもよい。

 

 転生者は全員使えるスキルではあるが……。

 

「本気で国は国民皆兵を達成する気でいるんだよなぁ……徴兵人数の拡大と探索者の受け入れ人数の増加。それでいて所得倍増化計画も進んでるんだから……政治家としては満点なんじゃないか?」

 

 そんな事を思う山田であった。

 

 

 

 

 

 

 

「艦攻と艦爆を統合した機体を設計しろとは……史実の流星を作れとでも?」

 

「海軍……というより空軍が欲しているらしいな」

 

「ふーむ」

 

 1925年になり、宝田動力と武田飛行機、長尾飛行機、大内飛行機の4社で共同研究の末1200馬力エンジンである栄エンジンの開発に成功し、現行戦闘機である神風も栄エンジンに換装され、性能が大幅に向上したこと、艦載機や航空機を各社が色々作って、技術の蓄積がある程度出来たと判断した軍の上層部は新型艦載機に栄エンジンを搭載し、艦爆と艦攻両方の性能を持つマルチロール機にできないかと飛行機メーカーに提案し、長尾飛行機と大内飛行機、財閥の飛行機部門は無理だと提案を断ったが、飛行機ニキのいる武田飛行機は製造可能と開発に踏み切ったのである。

 

 ちなみに艦攻と艦爆というのは空母から発艦する航空機の種類で、艦攻は艦上攻撃機という名称で、水平爆撃や魚雷を抱えて飛ぶことに長けていた。

 

 現状の日本の空母搭載機は艦攻と戦闘機が殆どで、水平爆撃による海面を水切りの要領で爆撃する反跳爆撃という戦術も考案されるなど2種類で現状は事足りていたのだが、これに急降下爆撃ができるようにして欲しいというのが空軍からの要望であった。

 

 艦爆は急降下爆撃を行う爆撃機のことで、1925年では真新しい爆撃の方法である。

 

 飛行機の性能向上で、急降下しても機体が分解しないようになり、爆弾を急降下中に投下することで命中精度を格段に上げることができるのである。

 

 それぞれ特徴があり、艦攻は重い魚雷を抱えて飛ぶ必要がある為大型になりやすく、逆に艦爆は機体を頑丈にする必要があるので、出来るだけ小型化して機体が壊れないようにする必要があった。

 

 史実ドイツが急降下爆撃中心の戦術空軍……陸軍をメインに、補助をするのが空軍の役目と割り切り、逆にイギリスやアメリカは戦略空軍として大きい爆撃機で絨毯爆撃を行うのが得意であった。

 

 空軍に関して理解が薄かった史実日本は宙ぶらりんとなってしまい、陸軍用の機体、海軍用の機体と別々に作り、ただでさえ悪かった生産効率が更に終わっていた。

 

 そんな中で、艦爆、艦攻どっちでも活用できる両用機こと流星という機体を史実日本は造っていた。

 

 なお重すぎて空母での離発着が困難であったり製造が本格化した頃は日本の空母がほぼ壊滅していたとか、製造機数が100機を少し超える程度と色々遅すぎた機体であるが、後々アメリカが似たようなコンセプトの機体を造って成功させているので、発想は悪くない。

 

 それにダンジョンの素材を使って軽量化と頑丈さを両立させる事が出来るので、1200馬力のエンジンでも何とかなるのではと鷲巣こと飛行機ニキも思っての開発可能と言ったのである。

 

「流星改の設計自体はいいんだけど、あれは末期で素材が足りなかったからな……一応1200馬力だと魚雷抱えては危ないから、初期型は急降下爆撃仕様で作って、馬力の出るエンジンに換装したらフルスペックが出せるように拡張性を持たせてっと」

 

 航空機ニキのお陰でちゃんと空母で運用できる流星が数カ月後完成して量産されるのであった。

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